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第4回:仕事のパフォーマンスが劇的に上がる食事のスキル50(川端理香)

50 eating skills that will dramatically improve your work performance

おすすめ度 ★★★☆

知識貢献度 ★★★☆

分りやすさ ★★☆

新しい発見 ★★★☆

読みやすさ ★★★★☆

電流走る度 ★★★★☆

(2018年2月13日発売、かんき出版、1400円+税)

タイトルに仕事というワードが入っているので働く人のための健康術のような先入観を持ってしまいますが、正しい知識を知ることで健康を保つ大切とその健康が保たれているからこそ仕事というミッションに対して高いパフォーマンスを発揮できる。というテーマに沿った本です。著者がプロアスリート栄養コーチという肩書を持っていらっしゃるため高いレベルでの視点と経験からこのようなタイトルになっているのかもしれません。

一人暮らしを始められた方や自炊に興味を持っていらっしゃる方や健康そのものに興味のある方でしたら十分購入する価値のある内容になっています。

著書では6章構成になっています。

以下を目次と簡単な私の感想文。


1.なぜ、食べ物を変えると人生が変わるのか?

食事の大切さ、なぜ変える必要があるのかの説明の章。厳しい口調で否定的な物言いをするなら缶コーヒーを飲むことが健康に良いと思い込んでいる独身男性ビジネスマンの人への最初の説明書もしくかは問いかけみたいな部分です。

2.集中力を上げる食事

糖、血糖値についての章。糖については有名なので糖がもたらす悪影響についてはご存じの方も多いかと思います。本書では血糖値についても触れられています。血糖値については自分が血糖値を気にするような対象の年齢ではないからと、さも軽視しやすい単語であるのでとても良い観点で書かれており、血糖値については勉強する価値ありだと思えました。ただ一つ苦言をするのであればこの章あたりから、上記のレビューに新規項目「分りやすさ」を追加した通り、やや説明が不足していると感じるものがありました。別の言葉で例えると深堀り力が弱め。ですので読みやすいのに分かりにくさがあるという★の評価の付け方をしています。

GI値についても触れられていますが、用語に寄ってしまいそうなので今回は割愛。

3.思考力・判断力を上げる食事

EPAについてはもっと深堀りして説明があって欲しかった章。EPAもしくはそれ関連するだけの章がまるまる1章以上あっても良かったのではないかなぁと個人的には思いました。何となく単語や栄養成分としてそういうものがあるのだなという程度の理解で納得がいくならばそれでいいのですが、せっかくなのでもっと細かい深く著者自身の言葉と見解を知りたかったです。
ちなみにEPAとはエイコサペンタエン酸の略称。いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつ。体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」の一種。

この章ではもう一点覚えておきたい言葉があります。それはケトン体という単語です。脂質の一種で食事や体脂肪の脂質がエネルギーになる時にアセチルCoAという分解物が発生し、この分解物からケトン体が生成されるというもの。そして、一昔前は脳のエネルギーはブドウ糖でしか補えないと考えられていましたが、脂質から生産されるケトン体もエネルギーとして活用できる、との内容でした。

4.疲労回復に効く食事

ここも個人的に掘り下げが欲しいと思った箇所があります。項目31のP125のソーセージと数行先のコーヒーの2単語。なぜ加工食品であるソーセージがプラスの記述として記載されているかの理由と、コーヒーではなく牛乳や豆乳なのかいう点。ここの深堀りは様々な観点から欲しかったです。もう少し具体的に申し上げますとコーヒーはどのコーヒー(豆、インスタント、缶コーヒー、コンビニコーヒー、ドリップなど)を指すのか?でしたり、コーヒーのプラスの効能を話をされる著者や、栄養学からは少し畑が違うかもしれませんがYoutube精神科医などもメリットの方を強く挙げられていらっしゃる方がいるなど。東洋医学の観点なども合わせるとコーヒーやお茶よりも~となってしまうと、ある一方の観点から物差しで測ったような記述にも感じ、自分は深堀りして欲しかったのでもやもやが残るページとなりました。牛乳についても、シンプルに豆乳にすればいいという話もありますが、牛乳の場合、我々が普段飲んでいる普通の牛乳は恐らくストレス牛の牛乳のためパッケージのような放牧牛からのお乳ではないはずです。それによる弊害(ホルモン漬け?)や、コーヒーや牛乳の立ち位置(牛乳=嗜好品であるなど)を明確化して読者との共通認識の確認が欲しかったです。

5.メンタルを整える食事

この章で一番印象に残ったのが項目41のメンタルの安定には「何を食べるか?」だけでなく、「誰と食べるか?」も大事というタイトルそのもの。私は食生活アドバイザーの資格を取得をしているため元々消費者側としての基礎知識は多少学んでいることもあり、その勉強中の時にも食育という観点からこの誰と食べるかについても触れられたいたことを思い出しました。また多くの起業家的な頭の良い有名人の方々が幸せの本質を言葉にする時に「健康」や「人間関係」が挙がり、それはこの本の中でも同じで、何を食べるか?はそれなりに意識できていると思うのですが、誰と食べるか?については意識や行動ができない面が強いので改めて響きました。健康の大切さって勉強しても勉強しても人が関与するから自分一人の世界だけで完結しないだなぁと。改めて健康や幸せを感じることの大切さと難しさを感じました。

6.サプリメントの正しい使い方

この章の感想は特になし。私自身、かなり多く自炊するのとそこそこ料理も趣味であり、サプリメントは基本的には使わないもしくは多用しない。選び方や使い方などについて触れられいますが、敢えてマーカーや付箋を付ける箇所が他の章に比べてとても少なかったです。忙し過ぎてサプリメント主体になっている方であれば有用かもしれませんが、本書ではサプリメントの使用ではなく食事について理解することを促しているので間違った知識のまま栄養補充をしている方向けの章(呼び掛けみたいなもの)のようにも感じました。

と、感想は以上になります。

上記にも記載しました今回は試運転兼ねて新項目の分かり易さを追加してレビューしてみました。分りやすさ=深堀り力みたいなものです。過去の読書記録や今後の記録にいつもの4つ以上の項目が必要だと感じた場合、その都度その都度追加&削除して調整してみようかと思っています。

初心者~中級者に向けて、健康の入りとしてとても読みやすい本なのでおすすめできます。深く専門的な知識が欲しいという方にはそこまで向いているとは言えないかもしれません。用途は個人のレベル間で各自ご判断していただくという形が一番良さそうです。

この本も第3回の千田さんの本と一緒で実は中古本、同じくマーカーだらけの本だったのですが、本屋に立ち寄った時のその時その時の直感を大事にしているので、他の綺麗な本よりもこちらを手に取る選択をしました。

読書の時に挟む付箋の数は数えていませんが、かなり多く使ったので50枚前後挟んであるように思います。それくらいには勉強し甲斐のある本であり、ジャンルでもありました。


それでは最後に年が明けたため簡素ではありますが、ご挨拶を。

新年明けましておめでとうございます。

まだ始めたばかりですが、2024年もよろしくお願いします。

お立ち寄りしてくだった皆様が健康であると共に、今年も素敵な一年になることをお祈り申し上げます。

(※2024年1月1日に別所で書いた記事のため、最後にご挨拶を添えています。)


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