ODDTAXIと大豆田とわ子とHIPHOP
こんにちは、雪墨です。
ずっと見たかったドラマがAmazonプライムで公開されたので、毎晩一話ずつ見ています。
噂には聞いておりましたがこの作品、やはり面白いです。
「大豆田とわ子と三人の元夫」
ゆったりしていて説教くさくない、それでいてしっかり中身のある素晴らしい作品だと思います。
このドラマで特に特徴的なのがエンディングテーマではないでしょうか。
毎話異なるラッパーが登場し、一部異なったリリックでエンディング曲を歌い上げます。
これがまたドラマの内容や雰囲気と絶妙にマッチしていてカッコいいんです。
“テーマソングがヒップホップ系統”の作品が最近もう一つありました。
アニメ「ODDTAXI」です。
こちらの作品はオープニングテーマでヒップホップが流れるのですが、これもまたアニメの雰囲気と合っていてお洒落でした。
では、何故この両作品にヒップホップが採用されたのでしょうか?
今回はこの疑問に焦点を絞って本記事を書き進めようと思います。
テーマソングは果たしてヒップホップなのか
ここまでに紹介した二曲、聴いていただけたでしょうか?
それぞれ1分だけでも良いので聴いてみて下さい。
恐らく多くの人が感じるはずです。
「この曲はヒップホップなのか?」と。
しかし、少なくとも私は両方ともヒップホップに属する曲だと考えます。
その理由は単純です。
ラッパーが登場し、彼ら彼女ら自身のスタイルで歌いラップし、他ジャンルのアーティストとコラボしているから。
肝は各ラッパーのスタイルを貫いていることと、ラップならではの自由度の高さです。
そもそもラップとかヒップホップって何でしょう?
以前私が書いた記事を引用すれば「手段でありジャンルでもある曖昧なもの」だと私は考えています。
手段という側面があるからこそ他ジャンルのアーティストとコラボしても違和感がない。
これがヒップホップの魅力の一つだと思います。
そしてヒップホップという文化の上に生きているラッパーが参加した曲は、総合的な曲調がどうであれ”ヒップホップ”としてもジャンル分けできると私は思います。
ODDTAXIと大豆田とわ子とヒップホップの共通点
さて、本題です。
「この三つの共通点とは何なのか」
結論から言いますと、「抜き」にあると私は考えます。
しかし、抜きと言われてイメージがつかない方がほとんどだと思います。
そこで、まずはヒップホップにとっての抜きについて解説していこうと思います。
まず、余裕がある方はこちらをご覧下さい。(まずは二人の曲と審査員の総評のみで大丈夫です。)
「ラップスター誕生」という番組
その中でも、制限時間内、同じトラック(bgm)でラッパーのweekdudusさんとTOFUさんが曲を作成し、その完成度を競うという場面。
両名とも物凄く完成度の高い曲を作り上げ、審査員も判定する前に頭を抱えていました。
そんなギリギリの戦いを制した要素こそ私の言う「抜き」の有無だったのです。
これを表している審査員の言葉を引用し、一部紹介したいと思います。
「思ったこと全部歌詞にしようという感じがしてて、もうちょっと引き算というか、行間を読ませるような歌詞の作り方っていうのが実は何度も聴かせるためのテクニックだったりする」
「リスナーの想像力を喚起させる仕掛け」
「抜き」とはこのように、あえて完璧な状態を崩し、観客の想像力を喚起させるような、「計算された不親切」であり、これが作品への愛着とリピートを産むと考えています。
オッドタクシーと大豆田とわ子の両作品を振り返ってみると、両方とも絶妙に不親切で、ゆとりがある作品だったと思います。
しかし、それでも不意に胸を打つ台詞が出てきたりするから見逃せない。
この魅力、正に私がヒップホップを好きな理由と一致するんです。
お洒落な曲だなとか、面白い歌詞の曲だなと思って聴いていると、ふとしたリリックにパンチを食らってしまうような感覚。
その感覚が忘れられず、病みつきになった結果、いつの間にかヒップホップが好きになっていました。
最後に
「何故この両作品にヒップホップが採用されたのでしょうか?」という最初の疑問に戻ります。
その答えも私の想像でしかありませんが、オッドタクシーと大豆田とわ子は両作品とも抜きと不意打ちを意識して作られた作品であったから。
そしてそれらの要素を音楽で表現しているのがヒップホップだったから。
これが私の出した結論です。
もしかすると私と同じようにヒップホップが好きな方が、その雰囲気を参考にドラマを制作したのかもしれません。
ぶっちゃけて言ってしまえば、この答えに対する実際の正誤は正直どうでも良いのです。
伝えたかったのはオッドタクシーも大豆田とわ子も、そしてヒップホップも、物凄くオススメですよということなので。
未だ観れていない方、聴けていない方は是非ゆるい気持ちで覗いてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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