見出し画像

YS解析:Il Balletto di Bronzoの進化とその革新的シンフォニー〜伝説のアルバムを徹底解剖

■Il Balletto di Bronzo / YS
■収録曲:
Side 1 : 1.Introduzione(15:11) 2.Primo incontro(3:27)
Side 2 : 1.Secondo incontro(3:06) 2.Terzo incontro(4:33) 3.Epilogo(11:30)
■パーソネル:Vito Manzari(b) Gianchi Stinga(dr) Lino Ajello(g) Gianni Leone(vo,key)
■リリース:1972年


感想など

1967年に結成されたイル・バレット・ディ・ブロンゾは、当初は野暮ったいというか素人臭い雰囲気のハード・ロック・バンドでした。一部バロック調の曲も演奏していたようですが、英米系のバンドと比べるとかなり微妙な音でした。当時の音は1970年のファースト・アルバムSirio2222に収録されています。

ところが、この後、オザンナの母体となったバンド、チッタ・フロンターレのキーボード奏者ジャンニ・レオーネが合流。彼を主軸にバンドを再編して重厚なシンフォニック・ロック・バンドへと変貌しました。そして、1972年に発売したのが本作YSでした。

当時、このアルバムを国内発売した日本ポリドールが「YS」を「イプシロン・エッセ」と呼んだため邦題がそのようの定着してしまったようですが、最近では「イース」と読まれているようです。伝説の沈没した島の名前だとか。イタリア語ってJKWXYを使わない言語なので「YS」は外来語なんでしょうかね。ちなみに、アルファベット、イタリア語っぽくいうとアルファベートをカタカナ読みすると「YS」は「イプシロン・エッセ」または「イ・グレーコ・エッセ」となるようですから、当時は、前者に間違いないと思ったのでしょうね。

写真のLPは、その日本ポリドールのイタリアン・プログレッシヴロック・コレクション盤です。

グループは、本作を発表後1973年の暮れに解散しましたが、何と1995年に復活した模様です。

YSは、奇怪なコーラスとオルガンに導かれて始まる一代シンフォニック大曲アルバムです。歌詞を参照するとコンセプトアルバムですね。

冒頭、15分に及ぶにもかかわらずIntroduzione(序曲)というタイトルの大曲が収められてます。強引な展開と怪しさは英米ではみられないほどに、かなり偏執的です。淡々と歌い上げるヴォーカルパートの後、ビヨンビヨン唸るシンセに続いてオルガンのバッキングで「タラタラタラタラ、タラタラタラタラ、タラタラタラタラ、タバタバタバタバタバタバタ〜ラ」みたいに聴こえる異様なコーラスが入ります。ここで、曲のヤバさはマックスですが、さらにムーグ(これも最近はモーグですね)に先導されて次々と大胆な展開が続きます。中盤でシングルトーンを巧みに使ったオルガンとピアノのソロパートは圧巻の一言。続けてギターソロパートに入り、カオス的な演奏に突入します。こんんな大展開は、イタリアンロック以外ではちょっと考えられないかも。キーボード中心のオーソドックスな古典系シンフォニック・ロックながら、ファズ系のギターが絡み始めると急速にロック色の強い展開を見せます。このテンションが、アルバム最後まで貫徹されています。もうヤバさ究極のマックス状態ですね!1972年において、既にこの楽曲の構成力とこの演奏の完成度。なかなか侮れない人たち、イタリアは深いなぁ・・・と思わせられたアルバムなのでありました"^_^"

ところが、当時の解説を見ても、曲が美しいとか不気味だとかいうことしか書かれていないので、彼らが、こんな怪しい曲で一体何を歌っているのか気になりますよね。昔なら、辞書を片手に奮闘しなければいけないところですが、ほんの数ヶ月前からですが、今やAIの時代です!そこで、GPT4に歌詞を翻訳させて、その内容を分析させてみました。

歌詞の翻訳 by GPT4

1  Introduzione

声が語った / 世界に残った最後の者に / 真実の現実を / / そして命じた / 彼の仲間の中へ行き / 真実を伝えるために / そしてゲームが始まった / / その声は胸を押し続け / 理解されたことの痛みを伴い / 他の人々にもまだ間に合うかもしれないと / 他の人々にもまだ間に合うかもしれないと / / 人間の一生は何か、泣いたことのある人の / 穏やかな空を見るようなもの / 太陽をじっと見つめるようなもの / 差し伸べられた手を握るようなもの / / そして声は胸を押し続け / 経験したことの痛みを伴い / 彼は急いで行かねばならなかった / 彼は急いで行かねばならなかった / / 風の日の詩 / 死んだ木の最後の葉 / 4月の最初の日の太陽 / 暖かな体、近くの手

2 Primo Incontro

彼は山を越え、さらに遠くへ / 振り返ることなく / 途中は長い / でもまだ進まねばならなかった / / 男が顔を地に向けている / もうツタが彼の体を包んでいる / 血はすべて黒く / 耳が引き裂かれた傷に / / 声は彼に叫ぶことを強いた / 彼の内側で死んでいくすべて / 叫んだことは風が運んでいった / もう何も感じなくなるだろう

3 Secondo Incontro

見るだろう、見る / 聞くことができなくても / 明るい空が / 彼に何を伝えることができるのか / / 死にかけている老人の顔 / 信仰はなかった / 今はもう強い / / 恐れを知らない男の視線 / 彼に足りないのは何か / 確かな声 / / 夜を見て / 日が終わるのを / 闇の中で裏切る準備をする女たち / / 差し伸べられた手 / より遠い顔 / 善良な者たちが死に / 強者が喜ぶ

4 Terzo Incontro

でも彼は自分自身で考えることをやめなかった / 何かを探さなければならなかった / 夜でもなく、昼でもなかった / 地平線は遠くに留まった / / 彼は諦めなかった / 決して諦めなかった / 自分自身に問わなかった / 人間、お前はどこへ行くのか / / そして彼が見たのは別の人間だった / 十字架に伸ばされた腕と共に / 彼の声を聞くことなく / 彼に近づいて話しかけた / しかし、その目には光がなく / 痛みを与えるとげが刺さっていた / その傷を自分のものと感じた / そしてもう光はなかった

5 Epilogo

腕を広げ / 暗闇の中で彼の頭は探した / 指で形を見つけた / / ただ寒さだけ / 死の / 彼の手の中で感じることができた / 彼の真の言葉は / また胸から昇ってきた / / でも彼の口は / 疲れて動かないままだった / その叫び声は彼を押し潰した / 彼の内部を引き裂いた / 彼の周りの暗闇 / それから彼の中に / そして暗闇だった

歌詞の分析

Il Balletto di Bronzo のアルバム「YS」の歌詞は、全体として非常に詩的であり、象徴的なイメージや深い感情を通じて人間の経験と内面の探求を描いています。以下は、これらの歌詞から読み取れる主なテーマとメッセージの要約です。

1. Introduzione

この曲は、真実を伝える使命を帯びた声について語ります。この声は、理解と痛みを胸に抱えながら、聞く者に行動を促します。歌詞は、人間の感情の深さと、時としてそれが重荷となることを示唆しています。

2. Primo Incontro

孤独な旅と、途中で遭遇する死にゆく人物の悲劇的な姿を描いています。この曲は、人間が抱える苦痛と孤独を強調し、内面的な叫びと外の世界との断絶を表現しています。

3. Secondo Incontro

第二の出会いでは、死にゆく老人と、その人物が持つ悲観と新たな力に焦点を当てています。信仰の欠如とその後の精神的な成長が描かれ、人生の終末における内省と変化を探ります。

4. Terzo Incontro

この曲では、主人公が他の苦悩する人物に出会い、その人物の痛みを自分のものとして感じ取ります。これは、共感と他者との深いつながりを通じた自己発見の旅です。

5. Epilogo

アルバムの結末では、主人公が死と直面し、永遠の闇と対峙します。この部分では、生と死、存在の一時性に対する哲学的な考察が展開され、終わりと新たな始まりの循環を示唆しています。

総括

全体を通じて、アルバム「YS」の歌詞は、人間の存在の複雑さ、苦悩、および精神的な旅を探求しています。内面の声に耳を傾け、真実と自己認識に向かって進むことの重要性を訴えています。象徴的なイメージと詩的な表現を用いることで、聴き手に深い感情移入を促し、人生の意味を探求する旅に誘います。

まとめ

なるほど。
装丁が絵本のようになっていて、なんだか深い感じはしていたけど、こうしてみると、さらにその深さが分かりますよね。半世紀前までは、というよりごく最近までは、雰囲気だけしか楽しめていなかったけど、AIの進歩によって、ようやく、簡単に、音楽の深みにまでアクセスできるようになったということですね。
AI開発者の皆様にめっちゃ感謝です!

#IlBallettodiBronzo #YS #イタリアンプログレッシブロック #1972年の音楽 #シンフォニックロック #プログレッシブロック解説 #アルバム全曲解説 #音楽史 #伝説のアルバム #GianniLeone #キーボード奏者 #シンセサイザー #モーグ #イタリアの音楽 #音楽的変遷 #アルバムレビュー #音楽ブログ #レコードコレクター #音楽愛好家 #プログレッシブアート  #プログレマスターピース #名盤探訪 #音楽 #洋楽 #音楽レビュー #アルバムレビュー #プログレ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?