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Gentle Giant

■Gentle Giant
■収録曲:Side 1 - 1.Giant(6:24) 2.Funny Ways(4:23) 3.Alucard(6:01) 4.Isn't it Quiet and Cold?(3:53) // Side 2 - 1.Nothing at All(9:08) 2.Why Not?(5:31) 3.The Queen(1:40)
■パーソネル:Gary Green(g,b) Kerry Minnear(key,b,vo,tympani,xylophone,vibraphone,cellos) Derek Shulman(vo,b) Phil Shulman(trumpet,sax,vo) Ray Shulman(b,violins,triangle,vo) Martin Smith(dr)
■カバー・アート:George Underwood
■リリース:1970年11月

ジェントル・ジャイアントは1970年から1980年までの10年間活動していた英国のプログレッシヴ・ロック・グループです。彼らの名前は、堅気の人たちには全く知られていない一方で、ことぷろぐれの深淵に足を踏み入れた人たちの間では、特に、捻くれたコーラスや極端な変拍子と曲の大胆な展開にとことんハマりこむ人達が続出。さらには、その後、プロフェッショナルなミュージシャンの中にこのバンドの方法論を基礎としているバンドが数多く観られるという、彼らはそういう類稀なバンドです。

写真は、1970年にリリースされたセルフタイトルのファースト・アルバムです。この絵、インパクトありますよね!広げると、メンバーが手のひらに乗っかってるんですよ。クリムゾンキングの宮殿とセミラミスと並び三大大顔ジャケットに認定!

このアルバムの音は、一言で言えば、王道の骨太なシンフォニック・ロックです。変拍子,急展開,特殊なコーラスを多用して,技巧的な曲を聴かせます。

録音が古いせいか、録音の状態は荒く聴こえますが、なかなかダイナミックな演奏です。ところが、彼らの音は,あまりにも技巧的に作られ過ぎているので、ちょっと考えすぎな点も否めません。そのため不安定なメロディ部分が耳に残りやすく、曲のドライヴ感は全体に損なわれています。そんなところが災いし、私は、長年、実は、肌に合わない音楽の一つでした。

ところが、1995年にデビューしたスポックス・ビアードが彼らにかなり影響されていまして、しかも、非常に解り易いハード・プログレ的な手法の音楽を演奏していたために、そのフィルターを通過したおかげで免疫が出来て、タイムスリップしたように聴けるようになったのです。

こういうことって、あるものなんですね~。大嫌いだった梅干や納豆やもずくが突然食べられるようになったりするのに似てるのかなぁ。

「曲の変さ加減」が醍醐味として楽しめるようになると、なかなか楽しいグループですね。本デビュー作は,UKプログレ・シーンを体感する上で外せない重要な作品であることに疑いの余地がありません。聴いたことの無い方は一度どうぞ。写真は英国盤のLPです。ヴァーティゴのレーベルが、ビッグ・スウォールじゃなくて、海が青い宇宙くらげだったので73年頃のものだと思います。


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