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Wishbone Ashの不朽の足跡Argus : メロディアスなロックの究極形・永遠のクラシック

■Wishbone Ash / Argus(百眼の巨人アーガス)
■収録曲:Side 1 - 1.Time Was(9:42) 2.Sometime World(6:55) 3.Blowin' Free(5:18) // Side 2 - 1.The King Will Come(7:06) 2.Leaf & Stream(3:55) 3.Warrior(5:53) 4.Throw Down The Sword(5:55)
■パーソネル:Martin Turner(b,vo) Andy Powell(g,vo) Ted Turner(g,vo) Steve Upton(dr)
■リリース:1972年4月
■カバー・アート:Hipgnosis

かれこれ、半世紀にわたってレコード堀を続けていますので、これまでに買ったレコードやCDの数はかなりの数になります。1万枚には到達していないと思いますが数千枚は確実かと思います。考えてみると相当の数ですね。でも、意外と、どのレコードをどんなシチュエーションでどこで買ったかということはよく覚えています。また、どこで、手放したかっていうのも意外と覚えているものです。

さて、Wishbone AshのArgus、邦題は「百眼の巨人アーガス」です。Wishbone Ashを初めて聴いたのは1980年に出たJust Tesitingでした。このアルバムの演奏がタイトで意外と粘っこく重く、さらに終曲Lifwelineの流れるようなツインギターが気持ちよかったので、初期のものも聴いてみたくなったのです。

MCA再発盤

買った場所は、有楽町のガード下の数寄屋橋商店街にあった中古レコード店ハンターです。当時は、数寄屋橋に1号店と2号店、中古オーディオ専門店があり、銀座ソニービルの地下にもお店がありました。今では銀座界隈のレコード屋さんは老舗の山野楽器がなんとか持ち堪えているという程度ですが、当時は、新宿や渋谷やお茶の水に行かなくても、ここで、かなり便利にレコ堀ができていたものでした。

1980年の音楽専科の広告

そこで、ArgusとUriah HeepのDemons and Wizardsを買ったんですよ。Heepはロジャー・ディーンのジャケですからジャケ買い!結構、こんな感じで、レコードを買った時の状況ってよく覚えているというか、忘れないものです。

さて、ここでようやくArgusのお話です。
Argusは、曲芸的な演奏でもなく、奇を衒う作曲がされているわけでもない、ごくごく普通の至って平凡な穏やかな安心して聴けるロックです。美しいメロディーで作られているんですよ。プログレやらスラッシュメタルやら、ちょっと頭でっかちで頑張り過ぎた音楽をしばらく続けて聴いていると、耳の中というか頭の中を浄化したくなることってありませんか。無性にちゃんとしたメロディーを聴かせてくれる音楽が聴きたくなる。そういう時によく聴くのがこのアルバムです。

MCA盤内側

ArgusはWishbone Ashの3rdアルバムです。スター・ウォーズのダース・ヴェイダーか中世の騎士かといった格好の人物が「アーガス」なんでしょうね。辞書で調べると「1.『ギリシャ神話』アルゴス:百眼の巨人、2.(一般に)鋭く見張る人;見張り人」と書かれています。ジャケットのアーガスが見つめる先には、アダムスキー型UFOが飛んでいますね。

丁度、1972年頃はUFOがブームだったのかなぁ。『謎の円盤UFO』っていうイギリスのテレビ・ドラマもありました。これは1970年だったそうです。近未来(1980年代)のロンドンで、侵略してくる宇宙人と地球防衛組織SHADO(Supreme Headquarters Alien Defence Organisation)が地味に戦うお話でした(^^)

発売当時の国内盤には、見開きにライナーノーツが貼り付けられていました。当時のビクター音産盤は、オシビザなんかもそうですが、そうした装丁だったようです。帯のキャッチコピー「'71ブライテストホープに輝くブリティッシュ・ロックの若武者」が時代を感じさせます。

水上はる子さんのライナーが懐かしい!
最近までTwitterされてましたが、まだお元気でしょうか?

今、帯付き国内盤と同時期のシングルジャケ盤、80年ごろのMCAの再発盤があります。3枚も持っててもしょうがないので、帯付きを残して断捨離かな。ちょっと前まではUKオリジナル盤とか、あと二枚ほどありました(病)

Aishbone Ashは、Andy powellとTed Turnerのナチュラルで微妙にオーバードライヴした心地よいツインリード・ギターが特徴です。ヴォーカルはソフトで癒し系のヘタウマって感じ。フォーク・ソングかと思うような、ギターのアルペジオで穏やかに幕を開ける「時は昔」は、一転してロックン・ロールに・・・この展開の小気味よさと自然に体を揺らされそうなノリが、このバンド初期の素晴らしさのすべてかなぁ・・・と思います。

 どの曲もメロディーと展開の美しさは抜群で、アルバム全体の整合感も非常に高いアルバムです。70年代のギターキッズ御用達アルバムの一つで、中でも、「剣を降ろせ」は、B級グルメ志向ながら、パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターやツェッペリンの天国への階段に匹敵する重要なナンバーです。

長年聞き続けているわけですが、最近のお気に入りはA面2曲目のSometime Worldです。これも1曲目に続き、静かなボーカルパートから始まるのですが、一転して、中盤以降に始まるギターソロが圧巻です。このコードでよくこれだけのバリエーションでソロが展開出来るなぁという、ほぼほぼ、ロックギターの教科書です。

Wishbone Ashのアルバムは沢山ありますが、個人的には、この「アーガス」と2ndの「巡礼の旅」がベスト。その次によく聴くのが「ジャスト・テスティング」です。「巡礼の旅」の方は、アルバム自体の整合感はちょっと散漫なのですが、スキャットを使ったり、ライヴ録音の「明日はいずこ」が収録されていたりと演奏がバラエティーに富んでいて、彼らの演奏の幅の広さが窺われるアルバムです。

だらだら書いていたら、散漫になってきたので、このあたりで・・・。

あ、思い出の曲はTime Wasです♪

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