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技巧派の逆襲:U.K.のデビューアルバム「憂国の四士」

■U.K. / U.K.
■収録曲:Side 1 - 1.In the Dead of Night(5:38) 2.By the Light of Day(4:32) 3.Presto Vivace and Reprise(2:58) 4.Thirty Years(8:05) // Side 2 - 1.Alaska(4:45) 2.Time to Kill(4:55) 3.Nevermore(8:09) 4.Mental Medication(6:12)
■パーソネル:Eddie Jobson(violin,key) John Wetton(b,vo) Allan Holdsworth(g) Bill Bruford(dr)
■リリース:1978年3月
■カバー・アート:Nicholas De Ville, Martinn Durramt

一つ前の記事に30Yearsを貼ってみて、あっ、UKがまだだったって気づきましたので、大昔に書いてSDDの肥やしになっていた原稿をリバイスして載せます。

時はパンク全盛期。奇しくもUKから湧き出たムーブメントの真っ只中。1975年にセックス・ピストルズが世に出て、技巧を極めた演奏や長尺大作志向の楽曲がマイナーになりつつあった時代でした。そうした時流に反逆するかのように1977年の暮れに結成された技巧派集団がこのU.K.でした。

 時流に反逆と文字にしてみると、そうした姿勢こそロックって感じがしますよね。バンドの名前にも強い意思が感じられます。セルフタイトルのアルバムに付けられた邦題「憂国の四士」までもカッコ良過ぎです!

 1曲目のin the dead of nightから、いきなり4分の7拍子、ベースの初音2小節が出た瞬間に、目の幅涙(>巨人の星)状態になりました。「ありがとう!」って感じでしたね。

 By the light of dayで若干クールダウンしてPresto vivace、エディ・ジョブソンのこのソロは、初めて聴いたときには目がグルグル回りそうでした。言葉にしてみると、太陽と戦慄からレッドまでのキング・クリムゾンのサウンドの無骨で雄雄しい部分を継承し、しかも、繊細さ、緻密さ、ポップさが融合され、ホールズワースの弾くメカニカルなフレーズが楽曲の芯に絡みつくように全体を束ねているっていう感じでした。

 アルバム全体に、若干メタリックなフレーバーが感じられるところも特徴でしょうね。振り返ってみれば、後にドリーム・シアターなどが承継大成するプログレッシヴ・メタルの源泉のひとつだったのかなぁとも思えます。

 UKは以降(といってもスタジオ盤はデンジャー・マネーだけですが)、ホールズワースが抜けてエディ・ジョブソンを中心とするトリオになります。しかし、音はスカスカです。こうしてみると、このアルバムは、4人の絶妙なバランスのもとに出来上がった一期一会的な音だったということですね。

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