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元キャプテンから、全キャプテンへの推薦図書②【前編】

甲子園を見ている今だからこそ自分の高校時代を振り返ろうと思って書き始めたこのシリーズ。気づけば今年の甲子園は終わり、なんなら夏が終わりました。仙台育英の皆さんおめでとうございます。

深紅の大優勝旗が白河の関を超えたことは喜ばしい限り。ですが、同じ東北の花巻東高校出身の僕からすれば、先を越されてしまったという点で少し複雑な部分もあります。

今回取り上げる本

ジム・コリンズ
『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』

前回に続き2冊目となる今回。
この本は全キャプテンに向けて、特に読んでほしい一冊です。

この本は、米国企業を長年にわたって調査し、
そのデータを比較したことで見つかった
良い組織を偉大な組織に飛躍させる方法
が記されています。


いい選手がたくさんいたにも関わらず、夏2年連続県大会敗退と思うような結果が出せていなかった先輩方。自分たちの代は、なんとしてでも全国で戦えるチームにしたい!という想いから迷わず注文していました。


第五水準のリーダーシップ

本書には読まないと意味が分からない言葉がたくさん出てきます。
その中でもとりわけ意味が分からないこの言葉。
でも一番重要です。

上の図は企業が偉大な境地にたどり着くために、経営者や上司に必要なリーダーシップを5段階で分類してそれぞれ分析したものです。

では一体、第五水準のリーダーシップとは何なのか。

それは、謙虚さ不屈の精神です。

第5水準の指導者は、
自尊心の対象を自分自身にではなく、
偉大な企業をつくるという大きな目標に向けている。

我や欲がないのではない。
それどころか
信じがたいほど大きな野心をもっているのだが、
その野心はなによりも組織に向けられていて、
自分自身には向けられていない。
第2章 野心は会社のために より

この、野心は会社(組織)のためにという考え方。
当たり前のようだけど、実はキャプテンで持ってる人は少ないんです。

高校野球のキャプテンはよく「甲子園出場!」とか「日本一!」と目標を口にしますよね。でもあれって、裏に自分たちの代でっていう言葉が隠されています。

(…ん?それの何がいけないの?)

そりゃ普通そうなりますよね。
「来年の代で日本一!」なんて言うキャプテンいたらドン引きです。

でも、それが”私利私欲”ということです。

どういうことかというと、
第五水準のリーダーは、自分自身ではなく
企業の将来や社会への貢献を目的としているため、
大切なのは今の世代よりも次の世代です。

つまり…


この先もこの部活が
永続的に偉大になるためにはどうすればよいか。

そのためにこの代でできることは何か。


”第五水準のキャプテン”になるためには、これを考える必要があります。

ちなみに僕はこれを考えた結果、
二年連続で逃していた甲子園への出場
最優先事項でした。

他にもこの考えを基に、部員全員に役職を割り振る仕組みづくりや、上下関係の改善に努めていました。


窓と鏡

大抵の人は失敗をしたり、思うように上手く物事が運ばなかった時には、
窓の外を見て失敗の原因を外部に探そうとします。

たとえば「環境が悪かった」とか「あいつがいたから」とか。しまいには「運が悪かった」とか言い出します。

ところが一方で、成功したり物事が上手くいったりすると、
鏡を見て自分の力で成功したと喜びます。

つまりここでいう”窓の外”とは外的要因を表し、
”鏡を見る”とは内的要因を表しています。


これに対し第5水準の指導者は、
結果が悪かったときは
鏡を見て、
自分に責任があると考えます。(内的要因)

逆に成功を収めたときは
窓の外を見て、
成功をもたらした要因を見つけ出します。(外的要因)

これが窓と鏡の考え方です。


窓と鏡はこの本の中で僕が一番好きな言葉です。
就職活動でも、最も大切にしている言葉としてよく出していました。


誰をバスに乗せるか(厳格な基準)

これはつまり、
どんな目標を立てるかよりも
誰を選ぶかが重要ということを意味します。

これは企業でいうと採用の考え方にあたりますが、どうしても部活に置き換えようとすると目標は決まってるし人は選べないしということで、実践が難しく悩んでいました。

そこで着目したのが、この章にあった次の言葉です。

飛躍を遂げた企業では、
厳格な基準はまず最上部に適用され、
責任が重い立場にある者は特に厳しく適用されている。
第3章 誰をバスに乗せるか より

この言葉から、特に同い年の選手に厳しく接するようになりました。

というのも、正直言って僕が1,2年生の時の先輩方は
「後輩に厳しく、同期に甘く」みたいなのがあり、
それがめちゃくちゃ嫌でした。
(これ見てる先輩方いたらすみません。許してください。)

なので僕は「後輩に甘く、同期に厳しく」することを徹底してました。

同期に厳しくすることのメリットとして、後輩たちに注意しなくても済むようになります。「先輩が言われてるんだから、俺らもちゃんとしよう」という空気になることで自然と規律が生まれてきます。

※これとても効果的なのですが、
同期にちゃんと嫌われるという弊害が出てきます。
実践しようとする人は、合わせて「嫌われる勇気」の併読をお勧めしております。

今回はとりあえずここまで。
また次回お会いしましょう〜👋

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