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妻一日会わざれば刮目せよ【妻の妊娠】

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子どもが出来たことに対する男女の認識の差は、“あるある”として語られますが、我が家に関してはそのズレはないと思っていました。

しかし、そんなことはありませんでした。

かなり密にコミュニケーションをとっている我が家でも、そのズレが生じ、昨日、ケンカになりました。

そして、今日、妻がいまの心境を教えてくれました。

妻「妊娠=何かをあきらめることだと、ずっと思っていた。

大好きなお酒、積み上げてきたキャリア、夫婦としての自由な時間…。

だけど、子どものことを考えているうちに、そのすべてが些細なことに思えてきた。

毎日飲んでたお酒からは、絶対に離れられないと思ってたけど、ここ数日で「お酒を飲みたい」という気持ちがまったくわかなくなった。

同時に、何よりも子どもが大事だと明確にわかった。

もしかしたら、これが母性本能なのかもしれない。

これまで、子どもを産むことは、人生のうちほぼ1年を捧げる行為で、30代の可能性にあふれる時間をそれに費やすことに見合わないと思っている部分もあったし、そうなることへのおびえもあった。

だけど、冷静に考えたら、本当に動けないのは3ヶ月ぐらいだし、たった3ヶ月手を離しただけで、自分の人生から消えてしまうのもなんて、たいして重要じゃないと気がついた。

むしろ、人生のうちたった3ヶ月を捧げるだけで、“子ども”という自分の人生にさらなる彩りをもたらしてくれる“かけがえのないもの”を授かれるなんて、実は割りがいいのかもしれない。

受験や就活や資格試験とかと比べたら、3ヶ月で確実に成果を得られるのは、圧倒的にタイムパフォーマンスがいいような気もする。

妊娠は、“可能性の消失”ではなく、“新たな可能性を広げるチャンス”なんだと思えた。

だから私は、”子どもがいる未来”を”自分の人生”として受け止めて、未来に向かってしっかり歩んでいきたいと思った」

衝撃でした。

数日前までは、オナラの話でケラケラ笑い合ってたのに…。

すでに妻は、“母”としてのアイデンティティーを持ち始めていました。

その点、僕はまだ現実感が薄い。

父になる覚悟はできているつもりでしたが、妻に置いていかれてしまったような、ひとりだけ先に進ませてしまったような、何とも言えない申し訳なさで胸がいっぱいになりました。

1日のうち、子どものことを考えている時間の差が、こうした心境の変化の差を生むのでしょう。

その点では、その身に命を宿す女性にはかないません。

だったら、せめて僕は、妻が不安を感じた時、安心して頼れるような存在でいよう。

そう強く思いました。

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