エチエ農産 | 京丹後久美浜
京丹後市久美浜 エチエ農産
葉タバコ農家を経て、環境と人に優しい農業を目指し、2007年に株式会社を設立。2011年より、 有機JAS認定の米と野菜づくりに励み、現在は息子の越江昭公さん(45歳)へと代替わりするも、 会長の雅夫さん(71歳)と奥さまの敏江さん(71歳)も現役で農業の新しいカタチに関わる。
農業のこれから
爽やかに晴れた青空が広がる、実りの秋真っ盛りの10月某日。
エコロジーな土づくりや有機・無農薬栽培にこだわり、 規格外の野菜も無駄なく乾燥野菜へと生まれ変わらせるなど、 OYAOYAと二人三脚で食品ロス削減に取り組んでくださっている、 京都府北部エリアの農家さんを訪れました。
農家さんによって土壌も、堆肥も、野菜の育て方も異なる、現地のロケーションを肌で感じ、お一人おひとりの人柄にも触れながら。皆さんにお聞きしたかったのは「農業の、これから。」。
豊かな自然に寄り添い、担い手不足が悩みの種となっている農業の活性化や可能性を探り、地域の産業を支えて、未来を耕してゆく———。そんな農業の、新しいカタチを五感で見てきました。
どこまでも、自然のまま。
「はじめはタバコ栽培がメインだったんですよ。タバコは病気に弱く、すごい農薬を使うんです」
会長の雅夫さんが話すエチエ農産の起こりに、正直驚いた。エチエ農産といえば、無農薬と有機資材にこだわる農家さんのイメージが強いからだ葉タバコ農家を10年で辞め、安心・安全な農業を目指すようになったきっかけ。その理由も些細だけど“農業の、これから。”を考えれば重大で、また驚いた。
「歯医者さんで聞いたんですよ。除草剤が原因で永久歯が生えないとか。子どもや孫のために、農薬を使いたくないと思いましたね」
2004年には堆肥などを使った土づくりと、農薬や化学肥料の量をできるだけ低減した、環境に優しい農業を実践する農家の認定制度である、エコファーマーを取得。
越江家では代々田んぼを受け継いできたこともあり、米農家ならではの堆肥を利用している。「自家製のもみ殻堆肥に加えて、精米した際に出る米ぬかをペレットにし、有機JAS認定の農作物をつくる田んぼと畑へ散布し、土を肥やしています。」
田んぼは23ヘクタール、畑は7ヘクタールあり、その規模は実に東京ドーム6.5個分と広大。軽トラに乗り込み、一番奥の山手で人参や玉ねぎを有機栽培する畑へと案内してもらった。
畑周りで視界に入る山肌は赤く、土壌そのものは有機物が少なくて硬い、赤土のような見た目。 それなのに、畑の土はふわふわとした踏み心地で、人参の葉っぱまでふさふさと柔らかそう。
ふと、紅くるり大根の葉っぱでひと休みする赤トンボに目が留まり、ひとつ疑問が湧く。
無農薬の有機栽培とあり、虫はどうしているんだろう?
その答えは「ムシー(笑)」と雅夫さん。
夏の葉物は虫の大好物。だから夏は葉物をつくらず、自然との共存を図っているそうだ。
次回に続く。
HP
エチエ農産
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