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心の病

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心と体のつながり

心と体のつながり

医学がどれだけ進歩しても、人間の「心」と「体」を別々のものとして扱う考え方に固執している限り、私たちは本当の意味での健康を手に入れることはできない。ヨーロッパ科学芸術アカデミーのフェリックス・ウンガー総裁も言っているように、医学は自然科学的なアプローチに偏りすぎている。人間の病気をただの「特殊なケース」として扱ってしまうのだ。

しかし、最近になってようやく「心の健康」が総合的な健康や幸福感の決定

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統合失調症、妄想症

統合失調症、妄想症

19世紀後半、ドイツのクレペリンが名付けた早発性痴呆症は、1911年にブロイラーによって精神分裂病と改名され、現代日本では統合失調症と呼ばれている。後にシュナイダーが挙げた「一級症状」は以下の通りだ。

思考化声:自分の考えが反響して聞こえる。

対話形式の幻聴:複数の人が自分のことを話している声が聞こえる。

自己批評の幻聴:自分の行動を批判する声が聞こえる。

身体への悪意:常に監視されたり、

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パニック症

パニック症

アメリカ精神医学会の診断基準改定(DSM-5)に伴い、日本でも「パニック障害」から「パニック症」への呼称変更が増えてきた。この改名は、かつて「不安障害」と呼ばれた際、重症で不可逆的な病気との印象を与えてしまうため、「不安症」という呼び名に変更されたのと同じ理由からだ。

昔「心臓神経症」と誤解されたこともあるパニック症だが、最近は正しく理解されるようになってきた。この症状では、日常生活の中で突然、

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うつ病、双極性障害

うつ病、双極性障害

2015年12月1日から、改正労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が施行された。これは、会社企業の労働者の中で、うつ病を中心とした精神疾患により、就業不能・休業状態の労働者の割合が年々増加していることに対する予防措置だ。事業者と労働者双方にとって、労働者の健康被害や生産性の低下は大きな不利益をもたらすからだ。

この制度の内容としては、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査および

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