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あの味が恋しくて…(再現レシピ):南禅寺山門前、瓢亭の鯛でんぶ

2年前、京都に住む友達に子供が生まれたので会いに行ったついでに、食い倒れツアー的なことをやりました。

友人おススメのグルメスポットを回るため、哲学の道を端から端まで歩き、金閣寺と銀閣寺を回り、嵐山へ行き京都中の相当な距離を移動しました。

その中で、30年越しの念願だった南禅寺山門前の瓢亭で朝粥を食べる機会を得たのでした。
なぜ30年越しかと言うと、私の食の知識の約半分を占める『美味しんぼ』の影響なのです。
実家になぜか1〜48巻くらいまであって(その後また増えていた)、子供の頃から暇さえあれば読み耽っていたのです。
(残りの2割が『ミスター味っ子』、2割が『スーパー食いしん坊』、1割が各種食品ガイドブック、と言うラインナップです)

そんな訳で、喜び勇んで早起きして出かけました。

あぁ、夢にまで見た瓢亭の朝粥。
お粥は、まぁお粥ですよ。美味しいお粥です。
それがなぜあのお値段でも食べに来る人が後を絶たないのか。
建物や室内の設えもさる事ながら、やはりお粥のお供です。

素晴らしい仕事の数々。

その中でも良い塩梅に塩味のついた「瓢亭卵」と件の出汁あんかけが有名ですが、私の胃袋を鷲掴みにしたのは、小皿に3種盛られたうちのひとつ。薄茶色をしたパラパラしたもの。

そう、鯛でんぶです。
これが極上の出汁あんと相まってただの白粥を2段も3段も押し上げているんです。

でんぶと言えば、良く太巻き寿司に一緒に巻かれている桜でんぶをイメージする方が多いと思いますが、全く別物です。

さて、前置きが長くなりました。
早速作ってみましょう。

鯛でんぶ

【材料】
・鯛 (サク取りした残りアラが最適) … 適量
・みりん … 大さじ3
・醤油 … 大さじ2

【作り方】
1、鯛のアラは写真のタイプがあれば即買いで。
そうでなければ、出汁を煮出した中骨の周りや兜から頬肉をむしってかき集めたものでも、お刺身用に売っているものでも大丈夫です。

2、フライパンなどノンスティック加工された鍋に鯛を入れ、1番弱火にします。

3、火が通って白っぽくなって来たら菜箸でほぐしながら炒ります。骨があったら取り除きます。

4、どんどんほぐします。菜箸を数本一緒に持つか、写真のようなフォーク状のものがあると便利です。

5、ほぐれて細かくなってきたら一度みりんを入れてゆるませてからまたほぐします。

6、つつくようにして、鯛の身の筋繊維がけばけばして来たら、醤油を入れて味を決めます。

7、水分が飛んでパサパサして来たら出来上がり。みりん多めだとしっとりします。色を薄くしたかったら薄口醤油で。

保存ビンやタッパーなどに入れて冷蔵庫で保存してお早めにお召し上がり下さい。

本物も店頭で販売しており、帰り際に購入して帰りました。
原材料は鯛、みりん、醤油、だったので、当たらずとも遠からず、と言ったところくらいには出来ていると思います。
薄味に仕上げた方がパラパラとほぐれます。

お召し上がり方としては、お粥にはもちろん、ご飯のお供に最高です!
ふりかけのようにご飯に乗せたり、混ぜ込んでおにぎりにしたり、お茶漬けに、海苔巻きの具としても美味しいです。

お魚は、鯛の他、スズキやヒラメなど、白身魚ならだいたい美味しく出来ます。
鱧の季節には、鱧出汁を取った後の骨の周りの身をちまちまと集めて作ったりしています。

時間と手間はかかりますが、その手間をかけただけの美味しさが味わえます。そして、お魚を無駄なく食べ切った満足感も味わえます。

是非お試し下さい。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!