【ウモ星人からの書簡】 D41-3 T8 - 44/47 UMMOの生活情報- UMMOの香水調合技術
D41-3 T8 - 44/47
手紙のタイトル: - UMMOの生活情報
- UMMOの香水調合技術
日付: 1966年？月？日
宛先：フェルナンド・セスマ氏
原語：スペイン語
備考 : 全百十二ページ中、三枚の手紙。
以前の分類は41-4。
UMMOAELEWE
部数 1
言語：スペイン語
フェルナンド・セスマ・マンザーノ氏
マドリッド
306.UMMOでの日常
地球の人は、私たちの衣服、調度品、社会・経済構造に関する何百万もの細かいことをご存知ありませんので、私たちの日常生活の様々な出来事について説明するのは非常に困難です。
ある社会現象が実際にどの程度の頻度で起こっているか統計を調べずに、特定のケースを一般化する傾向がある地球の人に、UMMOのある家族の一日の流れを描写すると、地球の生活と比べて単調で多彩さに欠けるという誤った判断をしてしまうかもしれません。
これから説明するのは、私たちの惑星のあるOMGGEEYIE（夫婦）の一日の流れがどのように展開するかの一例です。もちろん、大自然の中ではなく、産業コロニーで暮らす兄弟は、一日の過ごし方が違います。
なお、私たちの惑星UMMOの自転周期は1XII（シーと読みます）＝600uiwで、これは30.92時間に相当します。つまり、私たちの一日は、地球の一日より長いのです。
例えば、若い夫婦の間に、まだ思春期を迎えていない男の子と、UNAWO UI で OUDEE（生物病理学）を学んでいる16歳の UUYIE（若い女の子）の二人の子供がいるケースを考えてみましょう。
夫婦は若く、夫は地球年齢で34歳、彼のYIEは31歳になる前です。 彼が地球年齢で68.6歳になるまで、夫婦は夫の両親と一緒に生活します。両親はどちらも引退（私たちはEDDOIBOOI<定義された仕事がない>と言います）しており、古い家を手放して、UMMOAELEWEEの許可を得て取得した広々としたXAABI（タワー住宅）に引っ越して一緒に住むことを、夫婦揃って選びました。
現在、GEE(夫)はUULWAAGIADAAチーム（放射線で写真を撮る地球のX線のような画像装置）の検査官を務めています。地下の大型パイプライン付近の土壌の状態を定期的に確認するための記録をチェックし、管理する仕事です。この装置では、地層の構造だけでなく、岩石の組成や砂、粘土、砂利、有機物などの割合も把握することができます。配管やパイプラインを損傷するような大きな障害が観測された場合は計算してコードにして、UMMOの組織を統括するコンピューターネットワーク（XANMOO AYUBAA）に転送します。
妻はNIAAIODOUI KEEAI（植物と岩石の造園芸術）の顧問ですが、幼い息子が成人して親元を離れるまで免職中です。
UMMOの兄弟姉妹は、一日の勤務時間が非常に限られています。一般的には50～75UIW（2.58～3.87時間）の範囲内です。高度な知的作業や激しい肉体労働を必要とする職業ですと、この時間はさらに短くなります。
仕事という社会的義務を果たせば、残りの時間は家庭や家族、知的・宗教的・技術的な勉強、あるいはレクリエーションや趣味の活動に充てることができます。
しかし、この一日の時間の配分を理解するために、私たちの一日（xii）を600uiw（25uiwは地球上の1時間強（77.42分）に相当）に分割していることを思い出してください。 ですから、450uiwと表示すると、真夜中から23時間2分経過したと解釈します。したがって、正午は分かりやすく300uiwとなります。
睡眠時間は、XANMOO AYUBAA（コンピュータネットワーク）が生理学アドバイスで各人に判断しますが、「仰臥位」で深い睡眠をとる人の「最頻値」（註1）は175uiwと位置付けることができます。
(註1) 統計数学で皆さんも勉強された最頻値の概念を、平均値と混同しないでください（正規分布や完全分布の場合を除きます）。
「196 uiw」です。 XAABI全体が静寂に包まれています。今夜は、天井の透明なゲルマニウム複合材でできた防音パネルが閉じられました。外部と繋がる窓は一つもありません。IAXABI（部屋）のノズルから出る、温度、湿度、イオン化、オゾンなどを調整された空気のかすかなヒューという音は、聴覚の鋭い人でなければ分からないでしょう。
けれども、翌日の夜は自動的に屋根が取り外され、大空の下で家族全員が眠ることになります。
人工的な環境と自然の中で交互に眠るというこの順序が崩れるのは、大雨や雪、あるいは岩石の小さな粒さえも風で飛んでくるWIIWIIAAの大嵐のときだけです。
私たちの夜はとても暗いのです。地球の人のように、月という衛星の素晴らしい光景を楽しむことはできません（大都市のコンクリートやアスファルト、鉄の怪物の中にいると忘れてしまいますが）。私たちが見ている星も、天球上の星雲の濃度が薄ければ、非常にはっきりと見えます。一方、赤道直下であっても地球よりはるかに高い頻度で「UULIBOOA」（地球のオーロラに相当します）と呼ばれるものが見られます。そして、空は印象深い姿になります。緑と紫の長いリボンが、さまざまな高度で水平に吊り下げられているように見えます（緯度が高いほど垂直になります）。 水平線上では、緑やマゼンタの色調は淡黄色やかすかな橙色になります。
このUULIBOOAは、太陽星IUMMAAの活動が活発なときに頻繁に発生します。 頭上の素晴らしい光景を見ながら眠りにつくことは、どれほど難しいことでしょう。特に子供であれば眠ってなんかいられません！
196uiw。地平線上に、IUMMAAのいつもの藍色と赤の間の柔らかな輝きが見え始めます。XAABIの外側は、地球の温度で3℃です。
兄弟は平和に目覚めます。覚醒のメカニズムはまだ知られていません。効率的な反射教育で習慣を付ければ、あなたの神経脳の中の特定の中枢を傷つける不条理な道具はいらなくなります。
眠りにつく時間は家族によって異なりますが、私たちの星には起床時間を定めた厳格な規則があります。
子供と大人が同じWOIWOIXAABI（寝室）で寝ていたときは、挨拶を交わし、すぐにGIUDUUDAA EEWE（多孔質の層の一種）を身に纏います。中央に頭を通す穴と腕を通す小さな穴が二つあり、拡げると円形をしています。（画像1）
今日はYIE（妻）がオゾンスチームバスのためのアロマエッセンスを準備する番です。
しかし、その前に、家族それぞれが一晩を過ごしたWOIOA（フォームベッド）を片付けるコード信号を発するという仕事があります。泡は自動的に圧縮されます。酸で溶解し、下水管に流します。同じベッドで何度も寝ることはあり得ません（多くの雑菌の温床になってしまいます）。残ったのは、空中に浮いていたトロイダル・リングだけで、これは対応する床下にしまいます。
今、IAXAABI（部屋）の一角に小さなコミュニティのメンバー全員が集まっています。皆が胸に手を当てて挨拶し、笑い合い、前夜の様々な出来事について話した後、お父さんがその日の指示を出します。そして、GEEは、両親、妻、子供に、その日のプランについて意見を求めます。そして、お互いの意見を聞きながら、最終的にどうするかを決定します。
それから、その日に着る服や道具選びで皆が準備に走ります。一方、お母さんはEXAAB I(洗面所と訳せます)になる部屋にいます。床から蛇腹状のチューブを出します。その頭には大きな円盤とたくさんのノズルやプッシュボタンがあり、それを操作してスプレーノズルから香水の霧を噴き出します。いくつかを閉じ、新しいものを開け、細心の注意を払って混合物の香りを試香します。
IAI KEAI（アロマエッセンスを混ぜる技術）は、非常に古くからのUMMOの慣習です。YIE (女性)は、この難しい技術において、常に男性よりもはるかに優れています。女性はこの手間のかかる、楽しい作業に7uiw（約20分）を費やし、地球の妻が食事の味付けをするときのように注意を払います。この作業は、家族の大人が毎日交代で行っています。お母さんがエッセンスを調合する日は、特に子供たち、そして他の大人たちも笑顔を浮かべたり喜びを抑えきれないことが直ぐに分かります。UMMOAELEWEは、この非常に難しい先祖伝来の芸術に秀でた女性を表彰し、UNAWO UI（大学）の顧問や教師として招聘します。
私たちの嗅覚は、地球人よりもずっと発達しています。この差は、地球人が音楽の素晴らしい名手であるのに対して、逆に私たちは遅れていることに似ています。
従来は、芳香植物や低木、地球の軟体動物に近いいくつかの動物種から、非常に豊富な種類のIAI（香水）を抽出していました。現在ではその種類もさらに豊富になり、そのどれもが一部を合成で生産しています。それというのも、森で植物を選び、家で蒸留することを儀式として好む兄弟がいるからです。切手集めや、象牙の彫像を彫るのと同じような趣味なのです。
納得のいく配合を見つけたら、忘れずにその配合を便利なコードにして小型のAARBI OMAIUに記録します (この装置は地球のテープレコーダーに相当しますが、記録は磁気テープではなく、化学的に純粋なチタニウム結晶で集積したメモリに記録します）。
しかし、優秀なIAI YIEKEAI（エッセンスの調香師）であると自認する女性は、よほど優れた香りでない限り、同じ調合をすることはありません。私たちの嗅覚の記憶力は非常に高く、あなたが有名な画家の作品を覚えるように、私たちは香りのブレンドを記憶しているのです。
知的な女性が良い調香師になるとは限りませんし、その逆も然りです。例えば、地球にいる私たちの上司、AIM368の娘のYU1が、自分は調香がとても下手であると告白しています。その点において彼女は理想的な妻とは言えませんが、私たちUMMOの男性は、女性の美しさだけでなく、他の精神的、知的な要素も考慮するのです。
私たちの姉妹は、ついに心地よいと感じられる調香を作り上げました。別の部屋では、みんなが笑顔でお風呂の始まりを待っています。お母さんの呼びかけで、両親、お父さん、坊やがやってきます。家族たちはEXAABIの中に散っていき、やがて床から日本の屏風のような仕切りが現れます。
そして全員が服を脱ぎます。同性であっても、お互いの裸を見ることは不適切とされています。そうしているうちに、閉ざされた部屋の空気は、香り高い蒸気で飽和していきます。O3（オゾン）の濃度が高い水蒸気と、たくさんの芳香成分でできた、一日の最初のお風呂です。その間、薄い仕切りを通してみんなで笑ったり、おしゃべりしたり、もちろん、素敵な香りの流れにうっとりとしたりします。忘れてはならないのは、入浴中は調合された香りが次々と続き、まるで様々な香りのシンフォニーのようだということです。
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