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文法学習の見取り図

はじめまして。言語教師の持田哲郎です。

noteでは、学習者向けの情報を中心に発信していこうと思います。そこでまずは言語学習の基本である文法学習について書いていきます。

文法学習では次の3つの知識を身につける必要があります。

  1. 語順・語形(何詞の何形がどのように並べば正しい文になるのか)

  2. 意味(正しい語順・語形、それをまとめた文・句などがどのような意味を表すのか)

  3. 用法(正しい文がどのような文脈でどのような意図で用いられるのか)

これらの3つの知識は頭で理解しただけではことばを使えるようにはなりません、このため、知識を覚えるための練習、知識を使うための練習をする必要があります。

今述べたように、練習には、知識を覚えるための練習と、知識を使うための練習があります。前者の練習には、1~3のそれぞれの知識に特化した練習があります。3に特化した練習は、より実践的な、知識を使うための練習につながっていくことになります。

実際にことばを使うということでいえば、「4技能」と呼ばれる、「話す・聞く・読む・書く」という技能があります。知識を使うための練習では、これらの技能で使う練習を行うことになります。ここで大切なことは、1つの技能を身につけるためにその技能に特化した練習だけをするが必ずしも効率的とは言えないということです。たとえば、文法を読むために学んでいる人は、読む練習だけでなく、声に出したり、音源を聞いたりする学習や、手で文を書く学習を取り入れるほうが学習効果が高い傾向があります。国語の古典文法の学習も手で古文を書くことで、知識の定着が促進されます。

ここに書いたことは外国語学習とか国語学習とか括りに関係なく、一般的な方法として紹介しました。日本語を母語とする人であっても、自然に身につく日本語文法は私的な日常会話で用いる文法知識です。読み書きのための文法知識はある程度意識的に学ぶ必要がありますし、公共の場で話す場合にも語句の断片でなく文の連続で話す必要がありますから、文法学習が必要になります。現代日本に暮らす日本語母語語話者にとって日常言語ではない古典文法・漢文法・英文法などは、当然一から意識的に学ばなければなりません。ここに示したのは、そうした文法学習の見取り図です。

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