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英文法学習の基礎としての「文型」について

今回は持田のtwitterからお話を進めていきます。

感覚的に優れていてことばのしくみをあえて教わらなくても、おのずとしくみに気づき、その気づきを活かせる人が一定の割合で存在します。しかしながら、そうではない多くの人は、ことばのしくみをことばで説明してあるのを、聞いたり読んだりして、その知識を使いながら学んでいくほうが効果的に学べます。そのときに核となる知識が品詞と文型です。「文型」と言われますが、実際は述語の型です。英語では述語に必ず動詞が用いられるので、述語の型は動詞の型ということになります。つまり、「文型」というのは、動詞がとるパターンのことです。

ただし、文型にどのように習熟していくのか、というところになると、個人差があります。主要な文型のリストだけ与えられれば自ら各文を文型に分類することができる人もいますし、文型のしくみを丁寧に教えてもらわないと先に進めない人もいます。後者の場合は詳細な参考書なり、細かいところまで教えてもらえる先生なりが必要になります。

英和辞典にある「この辞書の使い方」のような冒頭のページには、その辞書で用いる文型の枠組みが示されています。電子コンテンツの辞書の場合は「付録」というところから見つけられるはずです。そこを見ていくと、多くの辞書は、文型を7つに分類しています。それでは英和辞典は「7文型」を採用しているのか、というと、そうでもありません。「第6文型」「第7文型」という用語を用いている辞書はおそらくありません。「5文型」の枠組みを保ちつつ、いわゆる「第1文型」と「第3文型」を拡張することによって文型を7つに分類しているのです。

「5文型」の枠組みを維持する理由は、高校生や大学受験生向けに書かれた参考書の多くが「5文型」の枠組みを用いていることにあります。辞書と参考書のあいだに互換性を持たせつつ、辞書として動詞がとるパターンをより正確に示すために、辞書の執筆にあたる先生方が出したとりあえずの結論です。

ただし、「7文型」で学習することを提唱している学習書もあります。「7文型」ですと、文型の番号を振り直すことになります。今後、「5文型」の参考書が廃れ、「7文型」の参考書が増えてくるのかどうかは分かりません。もともと、どの文型が「第n文型」かということは本質的なことではありません。番号を忘れていても問題ありません。ただ文型を番号で説明する授業を受けているときに、番号を間違えて覚えていると混乱が生じます。それであるならば「第n文型」という番号よりも「SVO」などの符号で文型を身につけておくほうがいいだろう、というのが持田の立場です。なお、参考書では、番号を振っている場合でも「SVOの第3文型」のように符号を並記していることが普通ですので、特に困りません。一番問題なので「第n文型」という番号だけ覚えていて、符号にも実際の英文にも紐付けされないままになっている場合です。英語の文のしくみを理解したり動詞の使い分けをしたりするときの支えにならなければ文型学習は無意味なものになってしまうので、ここは注意が必要なところです。

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