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2次元による繁殖干渉は人類に影響を与えているのか

 生き物の中には広い範囲にたくさん生息しているものもいれば、ごく限られた場所でひっそりと絶滅を待っているも同然のようなものもいます。同じ生き物なのに、この差は何なんでしょうか。

 いろんな専門家がいろんな説を出しています。子供が増えるのが早いかどうかの違いだったり、いろんな環境で生きていけるかどうかの違いだったり。そんな感じでいろんな要素が組み合わさって、生き物の分布図が決まっているんじゃないか、なんて意見もあるようです。

 繁殖行為そのものが影響している、という考え方もあるようです。「繁殖干渉」なんて言われていて、本のタイトルにもなっています。難しい言葉のようにも見えますが、雑な表現をしてしまえば「特殊な恋愛が生き物の数に影響を与える」ということです。

 例えば、ある種の虫のオスはメスと交尾するためにがんばるわけです。しかし、虫も人と同様、いつもうまくいくとは限らない。メスに振られるくらいならまだいいんです。その虫は、場合によっては、よく似た別の種にまで交尾をしようと迫るそうです。いくらメスだろうと、別種の虫と交尾しては子供なんて生まれるわけがありません。交尾を終えたオスは満足なのかもしれませんが、こんなことを繰り返していたら、虫は数が減ってしまいます。

 メスだって大変です。何しろ、別種のオスにまとわりつかれるわけですから、それを振り払うだけでエネルギーを浪費します。それに、別種にストーキングされる分だけ、同種のオスと交尾する機会が失われます。更に、別種のオスと無理に交尾をしてしまうと生殖器が破損し、いわゆる子供が産めない体になってしまう大事故も起きるようです。そんな様々な理由により、虫は数を減らしてしまう。

 うっかり別の種に交尾してしまうことで、同種の数に影響を与える。面白い考え方です。そこで私、ふと思いました。これは虫だけの話なのだろうか。「繁殖干渉」の本には、ある種の植物にもそのような現象が見られると書いてありました。繁殖干渉は、まだ新しい考え方のため、確認ができていないだけで他の生き物でも起きている可能性がある。

 人にも起きている現象なのでしょうか。他の種類の生き物と繁殖行為に及ぶ。私がまず思い浮かんだのは家畜の類でした。詳しい説明は省略しますが、羊とか鶏とかに突っ込んで己の欲求を解消しようと試みる特殊な人類が、なぜか知りませんが少数ながら定期的に現れるんです。欲望をぶつける対象は生き物に限りません。昔、どこかで見たニュース記事では、自動車のマフラーに突っ込んで抜けなくなった人が取り上げられていました。こういう現象だって、時間と手間とエネルギーを使うわけで、人類の数に影響を与えているのかもしれません。

 イラストや映像作品だって、考えようによってはそう言えるでしょう。いわゆる2次元と呼ばれるものですね。2次元の人たちだって多くの方を夢中にさせていますし、場合によっては、これまた詳しい説明は略しますが、様々な欲望の対象となる場合もあるでしょう。2次元にかけた手間や時間やエネルギーが膨大な人だっているでしょう。普通の繁殖行為に割かれる時間なり何なりが削られているのは間違いありません。当然、人類の数に影響を与えている可能性は検討してしかるべきです。というか、私、ひょっとしてものすごい発見をしてしまったんじゃないですか。

 そんなわけがない。それは発見ではなく、下手な考えというものです。繁殖干渉の専門家がどんな方なのか私は全く知りませんが、2次元と人類の関係を例に出した時の苦笑いだけはなぜか容易に想像できます。ダメですよね、やっぱり。

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