島バナナ

人生の半分ちょいを温帯で暮らす亜熱帯育ち。

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最近の記事

2022年6月 たまには海を摂取

オープン準備中の観光案内所でパンフレットをもらい、和歌山駅近のカフェでバスの路線図と観光マップを突き合わせて5箇所の神社仏閣を巡る計画を立てた。2022年初めての遠出だった。歩きまわると汗ばむような日で、バス停を探せるか間に合うか、そこそこ歩いたけど本当にこの道で合っているのかと少し気を揉みつつ到着した先に、またも高い石段が待っていたりした。しかし、どこからも海が見えた。この日は淡く静かな内海の様子だった。和歌浦天満宮の牡蠣殻を思わせるような石段を登ると海からの風が吹いていた

    • 2024年1月 鳥居とアーケード

      近鉄の桃山御陵前駅付近で、大きな鳥居とアーケードがちらっと見えることがある。鳥居をくぐった向こうに商店街があるという記憶だったが、電車を降りて歩いてみると、東に御香宮神社の鳥居、線路を挟んで西に大手筋商店街のアーケードがあった。左右の車窓の風景を頭の中で重ねてしまっていたらしい。しかし、アーケードの手前には鳥居ではなく京阪電車の踏切があり、それを渡らなければ商店街には入れないのだった。すぐそこが京阪伏見桃山駅のホームの端っこで、電車を待つ知り合いを見かけたら手を振って呼びかけ

      • +3

        なんということもない風景 83

        • 2022年5月 呼ばれていると思いたい

          4月から新しいビルの清掃担当になった。私も含め経験が浅いメンバーばかりで、毎日が文化祭3日前のような状態だった。お出かけは、5月になっても近鉄奈良駅周辺のお寺と博物館にとどまった。 清掃中、図書館や校舎内の本棚で同じ背表紙に目が止まるということがあった。どれも布張りに箔押しの古い時代に書かれた本だった。1冊目のタイトルを「りょうじんひしょう」と読むことは口が覚えていたが、内容は見当がつかなかった。帰宅後調べてみたら、その頃見ていたアニメ「平家物語」に登場する後白河法皇が夢中に

        2022年6月 たまには海を摂取

        マガジン

        • 追懐 2022〜2023年
          4本
        • なんということもない風景
          83本
        • バナナの種
          25本
        • 植物ノスタルジア
          6本
        • stay と go の間で
          24本
        • 終わらない庭
          74本

        記事

          2022年4月② うっかり春日山原始林へ

          あの日は、奈良公園周辺の知らない道をドライブするだけのつもりで家を出た。春日大社を過ぎ、坂道を登っていったところで、これまで何処にあるのかわからなかったキッシュ屋と若草山登山口と春日山遊歩道の入り口を発見した。 タルトを食べて、キッシュを1切れテイクアウトして、すぐそこの遊歩道入り口でどうしようか迷った。腹ごしらえも水筒もスニーカーも揃っているとはいえ、そんなつもりで来たわけじゃない。と、70代と思しき女性が軽装で遊歩道に入っていった。それなら私でも大丈夫かもしれないと足を踏

          2022年4月② うっかり春日山原始林へ

          2022年4月① 桜浴と効くピンク

          桜を見たいと、何度も欲した春だった。家から歩いていける川縁や、近隣の桜並木に通った。30年前にソメイヨシノを初めて見た時からずっと、狂おしく咲いて気を落ちつかなくさせる花だと思っていた。なのに、あの年は満開の桜を見ると安らいだ。それは、ひと月前に母が死んだことと無関係ではなかっただろう。低く張り出した大きな枝の下を歩くと、背中がふわっと緩んだ。桜浴という言葉があってもよさそうなのに無かった。 あの頃は、何かピンクの物を目にしていたい、持っていたいという強い欲求もあって、ピンク

          2022年4月① 桜浴と効くピンク

          なんということもない風景 82

          なんということもない風景 82

          なんということもない風景 81

          なんということもない風景 81

          なんということもない風景 80

          なんということもない風景 80

          なんということもない風景 79

          なんということもない風景 79

          なんということもない風景 78

          なんということもない風景 78

          なんということもない風景 77

          なんということもない風景 77

          なんということもない風景 76

          なんということもない風景 76

          なんということもない風景 75

          なんということもない風景 75

          なんということもない風景 74

          なんということもない風景 74

          なんということもない風景 73

          なんということもない風景 73