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番外編:「TAXIでGO!!(異国編)」
と明るく始めてみたものの、これは誰もが一度は体験する通過儀礼の話である。
誰もが電車を降りそびれたことがあるはずです。ただ、今回は異国ではどうかという実験的失敗について考えていただきます。
舞台は今世のイギリス。
イギリスの鉄道事情に詳しい人はなかなかいないと思う。
私もそのうちの一人だ。
田舎の駅で降りる場合、扉が開かないことがあるという事実を受け入れられずにいる。
日本の様にボタンどうこうではなく、要はあまりにも降りる人がいないのでってことで、ドアを開けるボタンすら作動させないシステム。
それはどこかに書いてる訳ではなく、アナウンスを聞けというスパルタぶり。
もちろんアナウンスが異国人にも聞き取りやすい訳ではないので、スパルタです。トレハラです。
さて、これを前提に詳細にまいりましょう。
というわけで私はイギリスの田舎の鉄道で電車を降りそびれた。
だってドアが開かなかったんだもん。
ボタンだって押しても開かなかったもん。
少しの恥ずかしさはあるものの、ま、死ぬわけじゃないし折り返すか。
と思って調べると2時間待たないと電車がない。
・・・
かなり距離のある次の駅まで何もできず放心状態。
車掌さんを見つけて、相談。
「ちゃんとアナウンス聞かないと。次の駅でTAXI呼んだ方がいいわね。」だそうです。スパルタです。トレハラです。タクハラです。
私の感覚ですが、異国のTAXIほど信用できないものはありません。
ぼったくられても相場が分からんし、TAXIを呼んだとて来るかもどうかもわからない。
さらに電話では声がこもって何も聞こえないので、苦手。
とはいえ、どうしようもないので、英国紳士にTAXIのことを聞いたら
「そこに掲示板があるで。」
と教えてくれたので、勇気を出して電話しました。
まあ、ゆっくり言えば伝わるやろ。と思って。
問題は相手の声が聞き取れるかなんですよね。
(プルルルル・・・)
(ガチャ)
ということで、運転中っぽい運転手と電話。
こちらも負けじと1時間待ち。
まじかー。
んーーーー。
ちなみに、ここまでの登場人物で悪いのは私一人。
その証拠に、現金な私の脳みそはこの事件をネタにする頭に変わっている。
なんでやねん。元気かよ。夜8時やぞ。私。
結局TAXIはなぜか予定より30分ぐらい早く来てくれまして、助かりました。
完全に盛ったやん。1時間て。そのデカ目のバンで1時間のところ30分で来れる?
いや、早いに越したことはないんやけど。
車中。
電話の会話の拙さから私の英語力が乏しいと判断したタクシードライバーは運転中大音量で音楽をかけ、一言も喋らない。
電車降りそびれた話聞いて欲しかったのに。
日本のタクシードライバーはズケズケ色々聞いてくんのになーと思いながら異国のTAXIを満喫すること30分。
おもんな。
かけてる音楽と同じぐらい運転が荒い訳でも、ノロノロ行く訳でもなく、ただ実直に次々襲いかかってくるカーブを捌いていくおっちゃん。
完全にビジネスライクですわ。
着いたら起こして。
時折メーターを覗くと、もちろんポンド表示なのだが、イギリスに来て間もない私は日本円に換算するクセがなかなか抜けず、とはいえ、計算はめんどくさいので、ゼロを二つ付けてなんとなく50なり500なりを足すというザル会計。
メーターは音も立てずに調子良く回っている。
どうせ調子良く回るなら音は立てて欲しい。
気づけば、ロンドンまで行ける片道切符の値段を軽く超えた。
そこはさすがTAXI。タクハラです。
完全にビジネスライクですわ。
無事目的地につきことなきを得たのでした。
社会勉強にはお金がかかる。
この後、衝撃の展開が待っていようとは。。
つづく
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