博多っ子純情
「9月12日、西鉄ホール大会で決定です!」
青木真也選手vs平田一喜選手。
会場にいた僕はボルテージが上がった。
ん!?
(まてよ、シフトはどうなってるんだ?)
落ち着きを取り戻した僕は、急に不安になった。
帰って、職場で配られてた勤務表を見たら、見事に出勤!
まさに、デジャブ。
アパー!と、リトルトゥースばりに叫びそうになった。
今回もシフトの変更をお願いする。
なんとか変わっていただける事に。
ありがたし。
これでOKと思っていたら・・・
なんと、職場の先輩が緊急入院!
人手が足りない為、シフトがガラリと変わった。
何とかお願いして12日のお休みは無事に確保。
だが、24時間勤務を5連勤する事に。
24時間勤務➡明け➡24時間勤務➡明け➡24時間勤務➡明け➡24時間勤務➡明け➡24時間勤務➡明け。
の繰り返し。
で、13日の月曜日は夕方から勤務なのだ。
しかも、それから4連勤。
タイト過ぎる。
でも、やるしかない。
やるのだ。
青木選手の言葉が浮かんだ。
『今 ここ 自分』
特別好きなお仕事ではない。
でも、それでお金をいただいてるんだ。
それで、大好きなプロレス観戦できるんだ。
嫌なら観に行かなければ良いんだし、極端な話 お仕事辞めればいい。
頑張る。
自分の為に。
文句を言っちゃ負けだ。
(試合が観たい!)をモチベーションにひたすら勤務を頑張る。
勝負する。
気合を入れる為に、ドデカミンを飲む。
また太っちゃうぜ。
来月、健康診断なのに(どうでもいい)
勤務明けの9日、記者会見があった。
『人類みな平等、平田一喜デスマッチ』!!
うぉぉぉ!!
もう反則だろ!っていうぐらいのバツグンの一休さんばりのトンチの効いたデスマッチ。
これまた、青木選手には ある意味での がんじがらめのルール。
どうなるのか?
また、底なし沼に引き込まれるのか?
期待は膨らむ。
次の日の10日は、ガムシャラに働いた。
そして11日。
朝9時に勤務が明けた。
やりきった。
帰って仮眠を取り、バスで淡路島を出て、新神戸へ。
博多へGO!
着きました(早っ!)
片道、約4時間半の旅。
5月以来です。
昼夜を兼ねて、お食事。
刺身が美味しかった。
食事しながら、店内に流れる森高千里さんの『渡良瀬橋』を心地よく聞く。
ホテルに帰り、ゆっくりさせていただきました。
グッスリと寝れました。
朝食タイム。
お弁当なんだ。
バイキング形式が苦手な僕にはありがたい。
お腹いっぱいです。
さぁ、天神へ。
着きました(早っ!の2回目)
博多駅から歩いてブラブラ。
30分くらいかかった。
蒸し暑い。
疲れたので、ミルク珈琲をいただく。
うまし!でました!
甘い!!
また太っちゃうぜ(これまた2回目)
西鉄ホールへ。
良い会場です。
さぁ、試合開始!
TOKYO GO!に乗って、平田一喜選手が入場だ!
切れ味たっぷりで踊る平田選手。
次は、バカサバイバー!
と、思ったら またTOKYO GO!
コスチュームも平田選手!
一寸先はハプニング。
ダンスだけは拒否。
平田選手も握手は拒否。
試合が始まった。
緊張感のある攻防。
と、言いたいが。
キックもダメ。
寝技もダメ。
足関節もダメ。
ダメダメの連続。
厳しい審査員の今林さん、大鷲選手。
がんじがらめ。
さすがは、平田一喜デスマッチ!
「どうだ、平田は薄っぺらいだろー!」
無双 平田一喜選手!
ならトコトン『平田一喜』になってやる!
ドロップキック。
ブレーンバスター。
フライングボディプレス。
気合の入ったエルボーの打ち合い。
だが、なかなか仕留められない。
今林さんが教えてくれた。
「平田一喜は踊る事が生き甲斐なんです、踊らなければ!」
ならば!
手刀から、青木選手が踊りだす!
TOKYO GO!ではない。
AOKI GO!だ!!
ぎこちなさが また良かった。
勝ちにこだわるからこそだ。
それからの丸め込み合戦。
首固めを切り替えして、掟破りの・・・
奇跡を呼ぶ一発逆転首固め!!
シビレた!!
会場にバカサバイバーが流れる。
大歓声!
博多爆発!!(週プロ増刊号の見出し調)
勝った瞬間、僕もガッツポーズ!
これぞ、究極のなんでもありだ。
そこから、マイクで平田選手が「平田」を連呼するんで「お前は平田だろ!」とマウンティングよろしく藤波辰っつぁんばりに笑いながら心で突っ込んでいた。
お互い納得されたんだと思います。
また良い『作品』を青木選手は作り上げた。
平田一喜選手も素晴らしかった。
今大会も良い大会でした。
来て本当に良かった。
大いに笑い、大いに燃えた。
だからこそ、全試合が終わって撤収作業を見ていたら、祭りの後の様な寂しさが一瞬過ぎった。
会場出たら、皆が笑顔。
そうだろうなぁ。
そうなんだ。
皆さん待っていたんだろうから。
帰り路、緊急事態宣言で少し寂しい博多の街並みや人の姿を見て、僕はつい口ずさむのです。
この唄を。
『博多っ子純情』
歌:チューリップ
いつか君行くといい 博多には夢がある
できるなら夏がいい 祭りは山笠
男達はとても見栄っ張りで気が強い
海の風に吹かれるから
だけどみんなすぐに貰い泣きするような奴
酒を飲んで肩をたたく
人ごみに身をまかす 黄昏れた中州では
誰でもが少しだけ 優しくなれるさ
夜の女達は気まぐれで移り気だよ
紅をさして男誘う
だけどいつか愛が欲しいと春吉橋で
人に隠れ涙流す
山笠は千代町流れ 悲しみも押し流す
この僕の故郷は 遠い町 博多
どこか遠い知らぬ町へもしも行きたいと
思う時は 行くといいよ
独りぼっちならばポケットに手を差し込み
背中丸め 歩けばいい
高揚感と、ほんの少しの切なさと。
これほどの大きなスイング。
振り幅を魅せられると感情移入できる。
馬鹿になれ
とことん馬鹿になれ
恥をかけ
とことん恥をかけ
かいてかいて恥かいて
裸になったら見えてくる
本当の自分が見えてくる
本当の自分も笑ってた
それくらい馬鹿になれ
と、アントンポエムが聞こえてくる。
それこその、強けりゃ何やってもいい。
なのである。
『かっこいいことは なんてかっこ悪いんだろう』
と、早川義夫さんのアルバムのタイトルの如くだ。
逆も然り。
『かっこ悪いことは なんてかっこいいんだろう』なのだ。
「どうしても流行に乗り遅れてしまうような方に捧げようかと思う」(by 早川義夫さん)
合わせるつもりなど無いのだ。
だからこそ、思想・信念・主義主張を貫く。
青木選手は『レスラー』なんだ。
無事に新幹線に乗れました。
淡路島に帰ったら、夕方からお仕事です。
博多の残暑の風は何故か心地よく、黄昏ます。
楽しかった。
青木選手が勝った。
嬉しかった。
元気もらった。
だから、頑張ります。
頑張れます。
でも、離れるのは 少し寂しいのです。
博多は優しい街だから。
気持ちを切り替えて。
最後は一本締め。
博多手一本
よーお、シャンシャン、ま(も)ひとつ、シャンシャン、祝うて三度、シャシャン、シャン。
ありがとう、青木選手。
ありがとう、平田選手。
ありがとう、プロレス
ありがとう、博多。
また 帰ってくるけんね。
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