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留学中に日本が時間に正確な理由に気づいた話

カナダ留学中にあらゆる国出身の人々と交流する中で受けたカルチャーショックの1つに
時間感覚の差があります。

留学中に他国からの留学生達と待ち合わせして
時間を過ぎても相手が来なかった時、
「国名 待ち合わせ 遅刻」等を
日本語と英語の両方で検索して情報収集をし、
その子の文化では大体どのくらい遅れて来るのが普通なのかを調べて、心の準備をするようにしていました。

しかし、何故そうした時間感覚の違いが
生じるのかが分かりませんでした。

最初はなんとなく、
「北半球寄りの人達は比較的時間を守るけれど、南の方出身の人達は時間を気にしない傾向にあるんだな〜」
とだけ思っていました。

実際、私がカナダに来てから
1番最初に時間感覚の差で
カルチャーショックを受けた友達も
ブラジルの小さな村から来た子でした。

国による時間感覚の違いを理解した上で
時間にルーズなあらゆる人達と接している内に、
時間にルーズな人達の中でも、
まだマシな人破壊的にルーズな人
分かれることが見えてきました。

1番驚いたのは、アフリカ大陸南部にある
ボツワナとナミビア出身の友達と
大型スーパーで買い物をした時です。

私とカナダ人とフランス人の友達は
既に買いたいものを選び終えており、
ナミビアとボツワナ出身の友達が
選び終えるのを待っていました。

しかし、そんなことにはお構いなく、
数十分も自分の見たい商品を見ていました。

「まあせっかく大型スーパー来たし、
 楽しくなっちゃうから仕方ないよね〜」
と思いながら待ち続け、
やっと全員が会計を終えました。

しかし、今度はその2人の袋詰めが
マイペース過ぎました。

寮に帰るためのタクシーをもう呼んでしまって、
あと5分で来ると言っているのに
全くと言っていいほど作業が進まないのです。
(その代わり楽しそうではありました笑)

時間をあまり気にしない人の中でも
度合いが異なることを知りました。
そして、
「この度合いの違いは何だろう?」
と思いました。

そこで、時間通りに行動する傾向のある友達と
時間を気にせずに行動することの多い友達の
出身国を思い浮かべてみました。

時間に比較的正確
…日本(自分)、ドイツ、フランス、カナダ、イギリスetc.

時間にルーズな傾向が高い
…ナイジェリア、ブラジル、ボツワナ、ナミビアetc.

はっとしました。
母国の経済発展の度合いが関係しているような
気がしてしまったからです。

そう気づくと同時に、
「北半球寄りの人達の方が時間に正確で、
南半球よりの人達の方がルーズ」
だと
感じてしまった謎が解けました。

「南北問題だ。」

南北問題とは、
先進国と開発途上国の経済格差に関する
世界的な社会問題
のことです。

先進国と開発途上国を地図上で見た場合、
先進国は北側、開発途上国は南側に偏って
分布している
ため、そう呼ばれています

ここまでを人に話した時に
「いや暖かい国だから性格も大らかで、時間とか細かいことを気にしないんじゃないの?」
と言われました。
確かにそれもあると思います。

しかし、時間とお金が結びついている感覚を
持つかどうかは結構重要な気がするのです。

短時間最大量の生産を行うことを
強く求められる社会であるかどうかは
経済発展の度合いに関係しており、
それによって人の時間に対する感覚が
決まる
と考えられるからです。

さて、南北問題が生じた根本的な原因は、
先進国が自国の発展のために発展途上国の
資源を搾取したこと
にあると言われています。
そのため、地球全体で取り組まなければいけない問題なのです。

つまり、私達にも全く無関係な話ではないのです。

というわけで、
今回は文化とは少し違った角度からの
世界的な視点での結論付けになりますが、
「なぜ日本は時間に厳しいの?」
という問いがあるとしたら、
「他国を犠牲に発展してきたから」
とも言えるのかもしれません。

そして、地球の一員としてそのことを自覚する
必要があると思うのでした。

本日もご覧頂きありがとうございました!

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