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中国語ってどんな言語? 北京語? 台湾は?

この記事では、中国語の勉強を始める前に知っておくべき知識について話そう。すでに中国語を勉強中の人には、すでに当たり前に知っている情報かもしれないが、これから勉強しようと思っている人や、留学を考えている人には、ぜひ知っておいてほしいことだ。

普段、動画のコメント欄を読んでいると、中国語は少し特殊で、複雑だと感じることがある。例えば、英語を勉強する際には、イギリス英語やアメリカ英語といった違いがみんなに知られていて、分かりやすいので迷うことが少ない。しかし、中国語の場合、勉強している人が少なく、情報も限られている。この動画では、その点について少し説明したいと思っている。

普通話と方言

まず、中国語を勉強しようと思ったら、何を学ぶことになるかについて説明する。たとえば、大学の第二外国語で中国語を選ぶ人は多いと思うが、その場合、ほとんどの人が中国大陸での共通語である「普通話(プートンファ)」を学ぶことになる。大学で学ぶ中国語や、中国語教室、オンラインレッスンでも、基本的にこの共通語の学習を指している。

よく聞かれるのが、「台湾でも中国語は通じるのか?」という質問だ。基本的には通じる。台湾人が使っている中国語は「國語(グオユー)」というのだが、基本的に「普通話」と同じベースなので、コミュニケーションに問題はない。ただ、全く同じではなく、台湾独自の方言や表現、単語があり、定番フレーズが少し異なることもある。たとえば、

ゴミ
垃圾 ラージー
垃圾 ラーサー

じゃがいも
土豆 トゥードウ
馬鈴薯 マーリンシュー

大陸ではある表現を使うが、台湾では別の表現を使うというような細かい違いはあるが、総じて同じなので、十分にコミュニケーションは取れる。

この台湾の「國語 グオユー」のことを、日本では「台湾華語」という言葉を使うことがある。これは、台湾独自の方言や表現を含んでいることをしめしている。これを理解しておくと、よりスムーズにコミュニケーションが取れるだろう。

日本でも、若い人たちの間では、東北の子が東北弁をあまり話さず、標準語を話すような現象があるが、それと同じように、中国でも大陸の若い世代の間で方言をあまり話せない人が増えている。ただ、家庭によって異なるので一概には言えない。

中国では特に南方に方言が多い。逆に北方では方言が少ないが、訛りが非常に強い。「普通話(プートンファ)」にも北方訛りがあり、それが南方訛りと混ざると混乱しやすい。たとえば、上海語や広東語はすべて「普通話」とは別の方言であり、これらの方言を話せない人にとってはほとんど理解できない。また、方言によっては普通話に近い部分もあるが、それでも理解が難しいことが多い。

日本と中国の認識の違いで誤解が生まれやすいのが「北京語」である。これが少しややこしい話で、他の動画でも説明したことがあるが、日本では「中国語=北京語」という認識が一般的だ。しかし、中国ではそうではない。中国で「北京語」と言うと、北京訛りの「普通話」を指す。したがって、中国人にとって「普通話=北京語」という感覚はない。

つまり、「北京語」とは、北京の方言や訛りを含んだ普通話を指す。これは、関西弁に似た感覚に近いかもしれない。

漢字の違い

次に、漢字の違いについて説明する。中国語はすべて漢字で書かれることは、みんな知っていると思うが、「簡体字」と「繁体字」という2種類がある。中国大陸では主に簡体字が使用されている。たとえば、大学で中国語を勉強する場合も、簡体字を学ぶことが多い。

簡体字: 车
繁体字: 車
日本語: 車

簡体字: 国
繁体字: 國
日本語: 国

簡体字: 卖
繁体字: 賣
日本語: 売

では、繁体字はどのような場面で使われるかというと、台湾や香港などではすべて繁体字で書かれている。また、中国大陸の広東地方でも、広東語を話す人々は繁体字を使うことが多い。このように、地域によって漢字の使用が異なる。

興味深いことに、大陸の中国人も、日本人も、繁体字を読むことができる。繁体字を見て、「ああ、この漢字は簡体字ではこうなるのか」と理解できる場合がある。日本の漢字は、簡体字と繁体字の中間のような存在であり、日本人は簡体字ほど簡単ではないが、繁体字ほど難しくもない漢字に慣れている。同じ字もあれば、全く異なる字もあるが、基本的に読める人が多い。

例えば、上海に留学しようとしている日本人の場合、まず学ぶべきは普通話(プートンファ)である。上海では普通話が標準であり、簡体字も使用されている。しかし、上海語を耳にする機会も多く、友達ができたら少し教わることもあるかもしれない。しかし、必須なのは普通話と簡体字である。

一方、台湾に留学を考えている人は、繁体字を学ぶ必要がある。そして、普通話も大陸とは少し表現が異なることがあるため、できれば台湾人の先生から教わるのが最適である。台湾は南北で少し言い回しの違いもあるが、それも学ぶ過程で理解していくべきことである。

例えば、大学で台湾に留学する目的で第二言語として中国語を選んだ場合、繁体字や台湾の普通話を学ぶことになる。そういった一般的なクラスに入る人も多いだろう。大学の第二外国語でピンインや発音を学んでいても、台湾に留学してそちらの発音を学び直すこともある。共通点もあるので、そちらも覚えておくと良いだろう。YouTubeなどでも台湾華語を教えている人が多く、台湾の番組を見るのも良いかもしれない。

ピンイン

次に、もう一つの重要なポイントとして、ピンインも中国語の特徴の一つである。ピンインとは、ローマ字を声調と組み合わせたもので、ローマ字の上に付いている記号で抑揚や音の高さを表す。例えば、私たちの名字が「Li」の場合、その「i」の上に声調記号が付いていることがある。ピンインは最初に学ぶため、日本語でいう平仮名のような存在に思われがちだが、実際はかなり異なる。

平仮名は公式な日本語の文章に使用できるが、ピンインで文章を書くことはできない。ピンインは発音や声調を学ぶためのものであり、最初は慣れないかもしれないが、これをマスターすることが重要である。

また、「īn」と「íng」のように音の違いを区別する必要があるか、という質問がよくあるが、これは日本語で「お」と「もう」の違いを区別するのと同じであり、当然区別する必要がある。

中国語では、基本的に発音を区別しなくても通じる音もある。例えば「n」と「l」や「sh」と「x」のように、これらの発音を区別しない中国人もいる。しかし、これ以外の音はすべて区別しないと通じなくなる。

例えば、「zh」と「ch」や「a」と「an」のように、確実に区別が必要な音がある。「ピンイン入力して声調を入れずに変換しても正しい漢字が出るのか」という質問をよく受けるが、ピンイン入力でも声調を入力しなくても問題はない。ピンインの入力では、声調記号を入力せずに入力しても、変換機能が優れているため、正しい漢字が出てくる。ほとんどの人はピンイン入力を使用しているが、年配の方や特殊な状況では手書き入力や注音符号を使うこともある。

また、台湾ではピンインを使わないことが多い。代わりに注音符号という記号を使用する。今回の内容が、中国語を学び始めようとしている方の参考になれば嬉しい。

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