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ドリルを売るには穴を売れ【本のアウトプット】

アウトプット07「ドリルを売るには穴を売れ/佐藤義典著」

【佐藤さんプロフィール】
早稲田大学政治経済学部卒業後、NTTで営業・マーケティングを経験後、MBAを取得。外資系メーカーにて、ガムのブランド責任者としてマーケティング・営業・開発・製造などを統括。その後、外資系マーケティングエージェンシー日本法人にて、営業チームのヘッド、コンサルティングチームのヘッドなどを歴任。2006年ストラテジー&タクティクス株式会社設立、代表取締役社長に就任。

【読んだ理由】
・現職社長のオススメ本

【アクションプラン】
自分自身お金を使う時に、どうしてお金を使おうと思ったのかメモをする。
┗顧客は価値に対して対価としてお金を払っている。
┗普段、無意識にお金を使っているが、企業のマーケティング戦略に上手く引っかかっている。

余裕があれば、商品のベネフィットは何か?セグメンテーション・ターゲットは何か?競合との差別化戦略は何か?4Pは何か?一貫性はあるか?を考える。

【学んだこと】
マーケティングは身の回りで起こっている。
┗野菜不足→野菜ジュースやサプリを購入
┗野菜不足であれば、野菜を購入すればよいはずだが、野菜ジュースやサプリを購入するという行動に出るということは、野菜ジュースやサプリ会社のマーケティングが成功している。

買い手の反対側には必ず売り手がいる。
┗あなたが何かを買うときには売り手にとってのマーケティングが起きている。

私たちの買い物をちょっとだけ注意深く観察すれば、マーケティングは会議室で起きているわけではない!ということがわかるだろう。
このようなネタは際限なく転がっており、このようなマーケティングのヒントに敏感でマーケティング的な思考・発想ができることをマーケティング脳と呼ぶ。

体系化されていない知識だと断片的で全体像をうまく説明できないので
下記4つの理論をを知っておくべき。
1:ベネフィット・・顧客にとっての価値
2:セグメンテーションとターゲティング・・顧客を分けて絞る
3:差別化・・競合よりも高い価値を提供する
4:4P・・価値を実現するための製品・価格・販路・広告

1:ベネフィット

顧客にとっての価値から考える
┗マーケティングに特殊な理論など存在しない
┗買い手であるときは全て知っていることであり、その当たり前を体系化したのがマーケティング

下記の不等号の左辺の価値をあげる必要がある。
顧客が得る価値、欲求が満たされること
>
顧客が払う対価、金額・時間・手間などの対価

ベネフィット
┗機能的ベネフィット・・物理的な価値(早い、うまい、便利)
┗情緒的ベネフィット・・情緒的な価値(優越感・特別扱い、名誉・ステータス、思い出、記念)

2:セグメンテーションとターゲット

顧客を分けなければ、ターゲット顧客は狙えない。
また、ターゲットとする顧客を決めるには顧客を分ける必要がある。だからセグメンテーションとターゲットは常にセット。
※分けることが目的ではなく、人によって求めるべきベネフィットが違うから分ける必要があります。もし、世の中の人間の求めるべきものが全く同じであれば、セグメンテーションは必要ない。

顧客の分け方
┗代表的なのは性・年齢・居住地域などの人口統計的な基準で個人顧客を分類する人口統計的なセグメンテーション。
→メリットとしては、漏れやダブりのない論理的なセグメンテーションであること。

┗一番使われているセグメントが、性別と年齢を軸としたセグメンテーション。
┗女性20~34歳「F1」、女性35〜49歳「F2」、女性50歳以上「F3」
┗男性20~34歳「M1」、男性35〜49歳「M2」、男性50歳以上「M3」
┗「今回はF1、M1を狙おう」といった使い方がされる。

→デメリット 20代と30代を分ける際に、29歳が20歳と同じセグメントになるなどセグメントの本来の目的である「顧客が違うから分ける」に答えられていないケースがあるところ。

他にも、心理や行動、ライフスタイルをベースにした「心理的セグメンテーション」などもある。人口統計的セグメンテーションと心理的セグメンテーションをうまく組み合わせると良いセグメントができることが多い。

セグメント後、どのように狙っていけば良いかターゲット選びの基準
1 市場が十分に大きい
2 競合の激しさと自社の強み
3 価値の必要度の高さ
 ┗あなたの商品やサービスが提供する「顧客にとっての価値」を切実に必要としている人の方が売りやすい。
例「家事代行サービス」を提供しているとすると、その主なベネフィットは、「時間節約」だろう。時間節約の必要度が高いのは子供のいる共働き過程だろうが、もしそうならば専業主婦よりも切実なニーズのある「子供のいる共働き家庭」セグメントを狙った方が売りやすいだろう。

3:差別化

もし競合がいなければ、顧客にとっての選択肢はあなたの商品しかいないので、差別化する必要はない。自分の作ったものが顧客に価値を提供できていれば、それだけで売れるから。しかし実際には差別化が必要になる。

顧客に業界の垣根は無い
売り手は業界のライバルを意識していても、顧客は「ハンバーガー業界」にこだわっているわけではない。自分の求める欲求を満たすことができれば、顧客にとって業界の垣根などはどうでも良い。

差別化=競合よりも高い価値を顧客に提供すること。提供する価値の競合との差。

顧客にとっての価値は3つに大別できる
3つの差別化戦略とは何か?
1:手軽軸
手軽に済ませたいというベネフィットを求めている顧客を狙った差別化戦略。
安くて早くてそこそこうまいというファストフードはこのベネフィットを提供している。
2:商品軸
とにかくいいものを求めている顧客を狙った戦略。高級フレンチなどがこの戦略をとる。
3:密着軸
顧客に密着することで差別化する。夕食を決める気分で言えば、まさにいつもの店というとき。

手軽軸
┗早い・・・忙しいから早く済ませたい
┗安い・・・給料日前だから安いところで
┗便利・・・雨が降っているから近いところで

商品軸
┗最新技術・・最近できた雑誌で話題のあの店に
┗最高品質・・友人と会うので落ち着けるところ

密着軸
┗顧客をよく知っている・・・私の好みを知っているあの店で


4:4P

顧客に価値を提供し、その対価としてお金をもらうための具体的な手段、価値を現実化するものが4P

Product・・これを通じて顧客に価値がもたらされる
Promotion・・製品、サービスの価値を顧客に伝える
Place・・実際に顧客に価値を届ける経路
Price・・集金することで会社に価値の対価がもたらされる

実際に私たちが買い手として何か買うときに当たり前にしている行動が4P。
マーケティングとは当たり前のことを体系化したもの。

どんな価値を売るのか?売り物(製品サービス)Product
マーケティングの中心。広告や販路や価格は売り物ありきのことであって顧客が買うときは、製品・サービスをまず考える。そのため、何を売るのかが重要。
┗何故、何を売るのかが重要かというと顧客がそれを通して価値を実現するから。
┗売り手は製品を作って売ることが目的かもしれないが、顧客はそれを通してある価値を実現する、欲求を満たすための手段であって目的ではない。

「何を売っているのか?」「あなたは何屋か?」という問いは、あなたがどんな顧客のどのような価値を実現しようとしているのか?という問いと同じ。

価値を伝えて買ってもらうための方策(広告販促)Promotion
買ったことがない人には、よいだろうと感じてもらうことが重要。
┗価値や差別化ポイントを伝えることが必要。=広告・販促の役割。

広告を分解すると
┗広告媒体
┗メッセージ
 →基本的的な役割は買ってもらうこと。そのためには製品・サービスの差別化ポイントを伝えることが重要。その差別化ポイントを伝えても売れないのであれば、それはメッセージ以前に差別化ポイントの設定が間違っている可能性が高い。
 この製品・サービスであなたの欲求が満たせます。という訴求を伝える必要があります。

販促=販売促進
┗サンプリング シャンプー、生理用品、ソーセージやお肉など店頭販促
┗イベント マグロの解体ショーなど
┗スタンプカード・ポイント 顧客の囲い込みやリピートを促進させる
┗値引き 値引きキャンペーンなど

どこで買ってもらうか?(販路チャネル)place
価値を実現する製品・サービスをお届けする場所
┗どこで売るのか?

店舗
┗多くのメーカーは卸売会社を経由して小売店を販路にする。

営業パーソン
┗営業担当者が直接営業して販売
┗人がチャネル

販社・代理店
┗自動車の場合、ディーラーが売る
┗テレビ広告はテレビ局ではなく、広告代理店が売る

自動販売機、通信販売など

どれだけの対価を受け取るのか?(価格)Price
価値を提供して対価をいただくというマーケティングのエッセンスの中で対価をいただく部分の中核だ。
顧客はあくまでも価値の対価として価格の高い安いを判断する。

独自の価値であるベネフィット、STP、差別化、4Pは一貫する必要がある。


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