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TKAのリハビリテーション④

TKA後のリハビリテーションについて文献をもとに少しずつまとめていきます。

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参考文献

大藤範之. 人工膝関節全置換術後の理学療法. 理学療法とちぎ.2023,13(1); 13–21. https://doi.org/10.32134/pttochigi.13.13

TKAのリハビリテーション

術後回復期


可動域

退院後は入院時と比較してリハビリの頻度が減り,日中の活動や動作が増えることで関節可動域が上がる場合もあります。
しかし、炎症や疼痛が増悪して曲がらなくなる場合もります。
自分でのセルフケアの方法なども指導しましょう。


筋力

筋力は可能であればハンドヘルドダイナモメーターで評価します。
術前と比較して術後 3 週の膝伸展筋力は 51.7%、3ヵ月後に 81.2%、6 ヵ月で 96.4%と回復していくという報告があるそうです。
Extension lagが残存している場合はさらに最終域で収縮できるよう、膝伸展位での収縮練習、パテラのトラッキングを確認し、違和感によって収縮を妨げていないかを確認しましょう。
OKC での運動から CKC の運動へ進めていき、スクワットやランジ動作を加え、実動作を想定した練習を行っていきましょう。


日常生活動作

手術後、ある程度期間が経ってきた場合は、歩行距離の延長と、応用的な歩行の獲得を目指します。それは、自宅での生活を考慮してです。
また、日常生活動作の確認も進めていきます。

基本動作はほぼ獲得していると思われますが、その動作方法に改善が必要であれば、動作の指導も行いましょう。特に術後の疼痛により膝伸展位で立つ習慣が残っているケースは、スクワットの延長線で術側も参加している着座を獲得していきたいですね。
在宅復帰にあたっては,家屋状況や入院前の生活を聴取しておき,動作の確認をしましょう。特によく使用するトイレ動作や、階段昇降などは自宅での環境を確認しつつ行いましょう。
バリアフリーでも、玄関には必ず段差が存在し、玄関から車までの移動のイメージまでできている患者さんは少ないと思います。
自宅だけでなく散歩コースやよく行く友人の家、農作業、庭仕事、趣味の旅行の計画などを聞きながら、想定されるものが可能となるといいですね。

術後急性期から介入してきたものを、日常生活獲得へどんどん落とし込んでいく期間です。
自宅環境や生活方法は人それぞれですので、患者さんとのコミュニケーションの中で、どこが課題になりそうかも想像できるといいですね。
再転倒などは怖いですので、どこまで行ってもらうかが難しいところですね。

ではでは。

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