外反母趾
外反母趾は女性に多い代表的な前足部の変形です。
痛みが出てくる場合は治療も必要となってきます。
どのような病態でしょうか。
変形部位
変形し疼痛の発生する親指の付け根あたりは第1中足趾節関節(MTP関節)と呼ばれます。
第1MTP関節は中足骨頭と基節骨底で構成される関節です。
外反は生理的にも起きています。
・正常:10〜15°
・高度外反母趾:20°以上
この第1MTP関節の特徴として中足骨頭底面の2つの種子骨が挙げられます。
2つの種子骨
2つの種子骨は、内側種子骨・外側種子骨と呼ばれます。
長母趾屈筋の腱がこの二つの種子骨の間を通り、荷重した際に中足骨頭に押しつぶされないためです。
母趾基節骨に付着する筋は、種子骨を介して停止することで、屈曲筋力を高めています。
外反母趾の形成
外反母趾の形成は、一般的に
第1中足骨の内反
→母趾外転筋の短縮位&母趾内転筋の伸張位
→伸張された母趾内転筋が外側種子骨を外側に引く。
→母趾が外反
となります。
第1中足骨の近位端では、内側楔状骨と足根中足関節を構成しますが、この関節が安定性を失うことで、関節面が外側から内側に向かって傾斜しているため、第1中足骨は内反しやすくなります。
力学的不均衡の悪循環
種子骨周囲の力学的不均衡が生じることで、
外側種子骨を外側に引く力が増強
→第1中足骨が回内、内側種子骨の外側変位
→母趾外転筋の停止部が移動し、母趾外転困難
といった悪循環に陥ります。
第1中足骨の変形
外反母趾変形は、第1中足骨の内反と回内変形を伴っているとされます。
第1中足骨頭関節面は正常では6°程度外方に傾斜しており、この角度が大きくなると、母趾は外反しやすくなります。
第1中足骨頭の関節面は底側に大きな曲率をもっているので、第1中足骨が回内すると、母趾は外反位を取りやすくなります。
外反母趾は、ヒールなどを履く女性に多い印象ですが、男性でも一定数いると思います。
個人的には、足部の荷重がうまくいっていない人は外反母趾になりやすい印象です。
膝OAなどにも影響ありそうですね。
ではでは
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