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日常生活での股関節可動域

日常生活動作で必要な股関節可動域はだいたいどのくらいでしょうか。患者様のhopeやneedに答えるために、どの程度の可動域が最低限必要か把握しておくことは重要ですね。




参考文献

Alexander P Sah. How Much Hip Motion Is Used in Real-Life Activities? Assessment of Hip Flexion by a Wearable Sensor and Implications After Total Hip Arthroplasty. J Arthroplasty. 2022 Aug;37(8S):S871-S875.
Doi: 10.1016/j.arth.2022.03.052.Epub 2022 Mar 18. 

日常生活動作と必要最大屈曲可動域

各日常生活動作で必要な最大屈曲可動域は以下の通りでした。

・歩行:49.3°

・階段昇段:67.8°

・階段降段:52.4°

・しゃがみ込み:120.0°

・起立:103.0°

・トイレ動作:112.6°

・靴紐:126.1°

・車への乗り込み:85.9°

・車から降りる:90.0°

・車のシートでの座位:72.1

・ベッドに入る:95.6°

・ベッドから出る:78.2°


以下の図も参考にしてください。


Alexander P Sah. How Much Hip Motion Is Used in Real-Life Activities? Assessment of Hip Flexion by a Wearable Sensor and Implications After Total Hip Arthroplasty. J Arthroplasty. 2022 Aug;37(8S):S871-S875.Doi: 10.1016/j.arth.2022.03.052.Epub 2022 Mar 18. 



臨床へ

ADL上では、屈曲90°を超えてくる動作も意外とあることがわかりました(多分この論文では、大きな股関節屈曲角度が必要そうな動作をピックアップしているとは思いますが)。
論文内では、歩行などの一般的なADL動作の平均屈曲角度は40°程度だそうです。階段動作も90°超えてこないため、介入としてはhopeやneedに合わせた介入が重要ですね。
可動域拡大は確かに必要ですが、その介入にどれくらいの時間を要すかも重要なところですから、ある程度の目標可動域を設定していくことが重要だと思います。
また、THAの患者さんは脱臼にも注意ですね。

ではでは。

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