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アスリートの怪我と栄養①

アスリートにおいて怪我はある意味つきものかもしれません。怪我をしたアスリートにとって、より良い栄養の摂取は早期の怪我の回復につながるかもしれません。
今回は、アスリートの怪我と栄養に関してまとめました。


参考引用

Papadopoulou SK. Rehabilitation Nutrition for Injury Recovery of Athletes: The Role of Macronutrient Intake. Nutrients. 2020; 12(8):2449. https://doi.org/10.3390/nu12082449

アスリートの怪我からの回復のためのリハビリテーション栄養:主要栄養素摂取の役割。

怪我をしたアスリートへの栄養

栄養は、アスリートの身体的および精神的な健康と幸福に多面的な影響を及ぼします。
怪我をしたアスリートにとって十分でバランスのとれた食事は、回復とリハビリにおいて最も重要な要素の一つです。

怪我をしたアスリートにとって栄養を最大限考慮した食事の目的は、

「治療の効果を最大限に引き出し、スポーツに応じた推奨体重および体脂肪状態の維持、トレーニングスケジュールおよびパフォーマンス能力への早期復帰を確実にすること」

と考えられます。


 

怪我や手術後の体の変化と栄養

「リハビリテーション栄養学」や「スポーツ栄養学」などのいくつか栄養学にも種類があるそうですが、細かく分けずに必要な栄養に関してまとめてあります。


エネルギー量

エネルギーバランスは筋肉量を維持する上で重要な位置を占めています。
一般的に、負傷したアスリートは身体活動が低下するため、エネルギー要求量も低下し、食事量が減少することも考えられます。
しかしエネルギー摂取量の減少は筋力低下を加速させますので、十分なエネルギー摂取は最初に考慮する必要があります 。

どのくらいの栄養量が必要でしょうか。
一般的にはサルコペニアと闘うためには、体重1kgあたり25~30kcalが必要とされます。

運動自体がアミノ酸の同化作用(アミノ酸からタンパク質を合成する)を促進するため、手術や怪我からエネルギーが制限されたり、不動となった場合には、
タンパク質摂取量を2.0g/kg/日またはそれ以上
に増加させることが、遊離脂肪量 (安静時の筋肉の主たるエネルギー源)の減少を防ぐぎます 。


筋萎縮

手術後や怪我後の不動は、1日あたり0.5%の筋の廃用性萎縮を引き起こします。
また、
・筋タンパク質合成(MPS)が50%低下
・初期段階(1~2週間)で片脚から150~400gの筋組織が失われる
といった報告も挙がっています。

このように、筋力は急速に減少していきます。筋萎縮は、リハビリテーションの期間に影響するため、なんとしても防がなければなりません。

筋萎縮の病因は多因子性です。
急性炎症反応とホルモン反応、筋萎縮を誘発する強力なサイトカインの上昇などは、筋力および機能回復の遅れに寄与している可能性があります。

それらは
・骨カルシウムの減少
・代謝率の低下
・インスリン感受性の低下
・脂肪沈着の増加
と、さまざまな影響を及ぼします。

食事後のMPS速度の低下は、食物摂取に対する「同化抵抗性」、すなわち食後のタンパク質合成反応の低下を引き起こします。

運動不足は
・全身性の炎症
・インスリン抵抗性
・活性化の低下、
・衛星細胞の動員
・毛細血管密度の低下
を招き、筋量と筋力が低下します。



怪我や手術後は体に炎症が起きるため、不動での筋萎縮以上に筋肉量が減少する可能性がありますね。
よく食べてよく寝るっていうのは非常に重要なことかもしれませんね。

ではでは。

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