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変形性股関節症④ーモーメントインパルスへの対策ー

以下の記事で、変形性股関節症のリスク因子として、歩行中の
・股関節累積負荷
・立脚初期の股関節屈曲角度
が挙げられました。

それらのリスク因子への対策についてです。




参考とした文献です。

稲井卓真, 他. 変形性股関節症と歩行. バイオメカニズム学会誌, 46(4), 2022.


股関節累積負荷を減らすには

システマティックレビューでは
・免荷装具
・足関節のプッシュオフ
はモーメントインパルスを減らし

・FitFlopサンダル
・ストライド長の増加
・ニーブレースの使用
はモーメントインパルスを増やしている結果となりました。

Inai, T., Takabayashi, T., Edama, M. and Kubo, M.: Evaluation of factors that affect hip moment impulse during gait: A systematic review, Gait & Posture, 61, 488-492, (2018). DOI: 10.1016/j.gaitpost.2018.02.017


個人的には、足関節のプッシュオフは指導や介入可能かと思います。以下の論文では、足関節のプッシュオフ(歩行時のTstにて足関節底屈で踏み込むことを言っているのだと思います)で股関節の屈伸モーメントインパルスが減少したと報告されています。また、論文内での指示の仕方も簡単な指示で変化が見られているので、変形性股関節症の人に指導しやすのではないでしょうか。

Cara L. Lewis, et al. Walking with Increased Ankle Pushoff Decreases Hip Muscle Moments.  J Biomech. 2008 Jul 19; 41(10): 2082–2089.
Doi: 10.1016/j.jbiomech.2008.05.013


ストライド長の増加に関しては、前の記事で、股関節屈曲角度の増加が変形性股関節症の進行のリスク因子となっていることを紹介しましたので、結果としては似ているかもしれませんね(逆に伸展角度は増大させたほうがいいそうです)。



もっと歩行に着目している部分がありますので、次回以降紹介します。

ではでは。



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