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やりたい事、できる事、頼まれる事は全て違う

あまりにも公私ともにバタバタで、通常の仕事をする以外の作品作りが全く出来ない状態にありますが……そんな中、この4月でゲーム開発者になってから丸18年?が経ちました。

映像制作会社のADから、デバッガーを経てゲーム開発の仕事についたので、開発者としてのデビューはかなり遅いんですが、それでも18年も経ったのかという感覚です。

様々な仕事を経験した中で、自分がいち開発者として常々感じていることが、これから社会人になる方や、ゲーム開発者を目指している人のヒントになるといいなーという淡い期待を込めて書いてみたいと思います。

自分が常々感じていること、それは

やりたい事と、できる事と、頼まれる事は全て違う

ということです。


「やりたい事」とは

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誰しも「こういう仕事したい」という夢のようなものを持って、それに近づくために日々仕事をしていると思います。

自分の場合は、元々が映像関係に進みたかったこともあり、シナリオや構成、演出などをやりたいと想ってずっとて働いていました。


「できる事」とは

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仕事をして経験を積むことでどんどん出来るようになっていき、他の人よりも比較的上手にできるようになっていくような事、つまり得意な事です。

自分の場合は、ゲーム開発当初から「レベルデザイン」というシナリオに合わせてステージを作ったり、ゲームの流れを構成したりする仕事を任されることが多く、それが一番得意なことになっていました。

他には、音楽に興味があったり拘りが強いこともあり、BGM関連の仕様作成や発注を任されることも多く、たくさん経験させて頂きました。


「頼まれる事」とは

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これは自分が「やりたい事」「できる事」とは別に、実際に頼まれる仕事です。

自分の場合は、人あたりが比較的良いからか?元気があるように見えるからか?リーダー業務やマネジメント業務のようなものを頼まれることも多かったり、比較的マルチに仕事をこなせることもあり「誰も適任者がいない」という理由で仕事が割り当てられることがかなり多くありました。
便利屋というか、雑用というか……
今思うと、その仕事を出来そうな人がいないけど、他の人よりは上手くやれそうという理由で頼まれる仕事が多かった気がします。


やりたい事、できる事、頼まれる事は全部違う

このように、自分の場合は

「やりたい事」→シナリオや演出に絡む仕事
「できる事」 →レベルデザインやBGM関連の仕事
「頼まれる事」→リーダー業務やマネジメント業務中心の仕事、その他


というように全て違っています。

自分が比較的マルチに色々できそうな性格なのかわかりませんが(笑)多かれ少なかれ社会人の皆さんや、ゲーム開発者の方は身に覚えがある事なのではないでしょうか?

※ちなみにマルチに色々できるというスキルは、当初はコンプレックスだったりもしました。クリエイターは、個性や専門性が問われる職種ではあるので「キャラ立ってない」みたいな事を新人の頃はよく言われたものです。
心の中で、マルチに色々出来ないやつの方が、欧米の歴史的価値観では低能なんだけどなあって勝手に思ってましたが(笑)


チームでやる仕事は、その時々の人員のバランスによって、

やりたい事を、担当している時/してない時
できる事を、担当している時/してない時
頼まれる事が、やりたい事でもない/できることでもないの時


なんてことは多々あり、それこそがチーム業務というか、会社なのかなと思います。
サッカーの日本代表の試合を想像するとわかりやすいかと思います。
パスを回すのが一番上手い選手が、フォワードを一時的にやったり、丁度よい交代要員がいないので、中盤の選手が苦手でもディフェンダーをやったりすることがありますが、ゲーム開発や一般の会社も全く同じことが日々置きてますよね。

必ずしも全てのスタッフが適材適所になることも難しいですし、また、苦手なことを経験することで成長することもあります。
チームを運営する側としては、総合的なベストの布陣を当然考えてはいますが、個人の得意/不得意の優先順位が下がることはよくあることを経験してきました。


まとめ

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当たり前の話しですが、やりたい事を出来ているのが一番良い状態だと思います。そして、自分ができる(得意な)事を出来ているのが、最もパフォーマンスが高く、貢献するという意味でも良い状態だと思います。

しかしながら、やりたくない事、得意じゃない事を頼まれるのもチームプレイであり、会社であるというのも事実です。やりたい事やできる事を仕事としてできている時は、自分にとってモチベーションが高い状態ではありますが、やった事がない仕事や苦手な事は正直モチベーションを保てないことも多々あります。しかしながらそれをやることで、自分の新たな一面を発見したり、その経験が本来やりたい事やできる事(得意な事)につながる場合もあります。

長い間、モノを作る人間として経験してきて思うのは

・それでもやりたい事をやりたい
・得意なことで貢献したい


ということを強く想いますし、年齢と共に年々無駄な時間を過ごしたくない想いが強くなってます。

ただ、それと同時に

やってる時に無駄だと思っていたことも、実は必ず役にたっている

ということも今までの経験から強く思います。

これはモノを作る人間だからこそだと思うんですが、作ってるモノにその人の人生や魂が宿るというのは本当だと思います。チームで作るものにおいてもそうです、チーム自体の雰囲気、チームメンバーの人生や魂が作っているものに必ず宿る経験を何度もしてきました。

自分自身、遡ると小さい頃からピアノを嫌々ながら習わされていたから音楽に興味が深くなったり、ADをしていたからこそマネジメント業務を頼まれたり、それによって他ではできない経験ができたりと、モノを作る人間としては「生きてきた経験全てが無駄じゃなかった」と思えるようになってきました。


4月ということで新たな環境に身を置く人が増えたり、新たな気持で今までやっていることを前に進めるために日々を戦っている人がたくさんいると思います。

今、経験していることは全て無駄じゃない
この経験が自分の作品や人生に必ず影響する


と思うと日々の感じ方も変わるんじゃないかなと思います。

自分は、年々やりたくない事は、なるべくやらないようにしてますが(笑)、それでも変化に対応したり、成長する場所に身を置き続けたいなとは強く思います。

自分も日々、やりたい事をとことん追求しながら、できることで貢献しながら、時々やったこともない事を経験しながらまだまだ成長していきたいと思います。

モノ作りをするものとして無駄な経験など無いと信じて。

皆さん、お互い頑張りましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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