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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿190

第189回から続く


特になにも行動はしていません

はじめに~

第170回の寄稿で記しました通り、また、これまで、過去189回分の寄稿で述べてきましたような考え方や目線でいるのはいますが、今年は、2月、3月を除いて、1月、4月、5月は、特になにも行動はしていません。この1月、4月、5月は、この寄稿で述べております通りで、特に5月は家庭の事情とも併せまして、単に観察しているという状態です。


自分の思考が、吹っ飛ばされる、出来事


自分の思考が、吹っ飛ばされる、出来事がありました。その事実を最近知りました(笑)。

今日は、それについて述べます。

過去189回分の寄稿で述べた金融市場に関することの中で、おそらく3本の指に入るくらい、とっても重要なことです。ごくごく最近それを知りました。僕の目線やスタンス、思考そのものを、吹っ飛ばして、変えてしまうくらいの大きな出来事でした。今、ものすごく慎重にそれについて考えております。

同時に、この時代も、かつてと同様に、アメリカの本当のすごさを身に染みて感じる、とてつもなく、想像を絶するくらい、大きな、重要なことです、僕にとっては。


国債買戻し(バイバック)を米財務省が主導


今日の本題~

アメリカの債券のホンマものの専門家の方からの引用です。

債券のQE時代がやってくる
23兆ドルにのぼるアメリカのソブリン債マーケットへの介入であり、流動性の供給
「まだ詳細の全貌は明らかにされているわけではないが、2024年からその先にわたっての国債買戻し(バイバック)を米財務省が主導する」

~このことです。本当に重要なことです。

これが意味するところは、流動性の供給ですね。

米財務省が、流動性のない債券の買い手として、最終手段としてのディラーになる、そういう役割で行動するという事だと、この専門家は述べていました。

これめちゃくちゃ、とんでもなく、このように大げさな表現を用いてもよろしいかと思いますが、それくらい重要なことです。

2024年からその先にわたっての国債買戻しを米財務省が主導する

流動性を供給する

この寄稿で述べてきました通り、FRBは、政策金利については、「高い、を、より長く」であって、そんなすぐに、金利を下げるというようなピボット(政策転換)に向かうという事は考えづらいわけですね。FRBのQTという大義目分、金利をそんな簡単に下げないよ、という大義名分の中で、米財務省が考えている、ものすご~い計画ですね、金融状況が緩和するという。

いやだって、仮に、ウォラー理事やブラード総裁がおっしゃるように、政策金利がもっと上がろうが。QTが続いて起ころうが、とにかく、これが現実のものとなれば、2024年の初めから、金融状況は緩和するわけですから、これはリスクアセットにとっては追い風も追い風、繁栄のための介入とさえ言っても過言ではないくらいの2024年からの計画ですね。米財務省による介入

ステルスQEという呼び方でとどめてよいのか、どう呼ぶのが適切かは別としても、米財務省が考えている、ものすごい計画。FRBによる、ただのQTではなくて、ぎちぎちにより引き締まった、よりQTという展開を避ける、米財務省による、繁栄の手段でさえあるとの、このホンマもののアメリカの専門家のご指摘です。

2024年から「米財務省による(ステルス)QEの開始、国債買戻し(バイバック)の開始」。

インフレが高い水準で長くこびりついても、米財務省が、金融状況の緩和に大変大きな、とてつもなく大きな一役を買うという事です。

国債の買戻しは、これは、リスクアセットにとっては、追い風も追い風。

その専門家の方は、その具体的方法、手段について、全体図を明示した上で、リバースレポ含め、大変詳しく述べておられました。流動性の供給。流動性の高まり。
この計画全体は、2024年初めからのことですね。

この後、今から、ここから、まずは、目先、

現在のFRBによる2つの制度、BTFPと連銀窓口貸出制度がいつ終了するのか

そして、債務上限が引き上がる、債務上限問題が解決した後。

・TGA(米財務省一般勘定会計口座)からのドローダウン(お金の引き出し)は6月初旬までなのかそれとも6月30日まで続くのか。
(ドローダウンがある以上、QT効果は相殺されていて、ドローダウンそのものは景気刺激的なので)。これはいつまで続くのか。

3つの時期の3部構成


・ドローダウンが止む時期。
・口座を再構築する時期。
・2024年の初頭から米財務省による国債買戻しという介入が始まる時期。
この3つの時期の3部構成です、僕の中では。これが大事だと思っています。

イエレンさんが、8月を目途に、TGA(米財務省一般勘定会計口座)を再構築しなければならない時。この時、この再構築のために、イエレンさんは、マーケットの流動性を削減せざるを得なくなる(第170回寄稿をご参照ください)(米国債、米国財務省証券(T-Bills(国庫短期証券・割引債)などを強烈に売ることになる)。その時、差し引きネットでタイト(引き締まり)流動性にとってネガティブな状況が生まれるはず。そこへ併せてのハードランディング(米経済・景気の急減速、リセッション)シナリオ、これがどう組み合わさっていくのか。
この8月を目途にした時期と、それから本日述べている2024年初頭からの米財務省によるこの計画
TGAを再構築しなければならない時期と2024年初頭からの時期。それらの時期の前後を含めて、この時期こそが最も重要な時期ですね。

・政策金利「高い、を、より長く」であろうが、インフレが高い水準でより長くこびりつこうが、水面下で、ステルスQE(本当のQEではないのですがQEと同様の効果があるでしょう)、金融状況が緩和すれば、そしてそのことに財務省が2024年初頭から大きな一役を買えば、それはリスクアセットにとっては追い風なわけですから。

・誰が買い手として存在するのか。買い手がいるのかいないのか。
これが重要なわけですから。インフレを全部飲み込んでしまうような深~いリセッションが来れば、その時はその時で、債券の買い手が当然現れ出てくるでしょうし。

・これまでにも述べましたが、たとえば、TGAのアカウントの再構築に際しても、現在、リバースレポの窓口に行かざるを得ない、マネーマーケットファンドからのT-Bills(国庫短期証券・割引債)に対する需要は多分にあるでしょうから、実際にそうなった時に、“差し引きネットでタイトになる状況なのかどうなのか””ネガティブな状況か“を、ここを注視する必要があるのです。僕は本格的な行動はそこからだと思っています。

この上記、「この後、今から、ここから、まずは、目先~」記している点「・」の箇所を、ひとつひとつ、段階的に、その時間軸にそって、チェック、確認していく必要が、これはもう、とんでもなくあります。そして、それぞれの段階で、自分は、実際に、どういう行動をとるのか。

これ、たぶん、今回、この4月、5月であり、直近、5月24日、25日、26日の米株式市場の動きを見て、米株の投資家さんは、実感されていると思うんですよ、能書きとか説明とか、どうでもいいから、金融状況であり、流動性が大事だってことを。株式市場をつかさどるその背景、素地、素材がいかに重要かってことを。

昨日も述べましたけど。いや、思った以上に、米経済スローダウンしてるんだなあとは思いますよ。それで、5月24日、25日、26日の株価の動き見てくさい。
株、大幅下落してますぅ???5月26日大幅上昇してるじゃないですか。だから僕は、具体的にどういう状態になったら、どういう時にという、そのタイミングが記されていない、でも弱気を羅列した、弱気一辺倒のコメントに踊らされることがあっては決してならないと述べております。それこそ、この寄稿で述べてきたfear-monger(脅威をあおる)にすぎないと思いますね。

第187回寄稿で、JPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏の「金利よりもQT(量的引き締め)について、誰よりも懸念している」というご発言を取り上げた時、僕は、「まだ、本当の意味でのQTという事を見ていないから」、と述べました。

第184回の寄稿では、株にとって、大事な素地、素材、そのおおもとは、流動性であり、行きつくところ、背景をQEと考えることができることなのか、それともQTと考えるべきことなのか、とも述べました。
僕の場合は、これまで述べてきました通り、行動はしておらず、観察中の身でございますので、本日これまで述べてきました、金融状況、流動性、その時間軸、米財務省の計画、これを注視して、自分の今後の行動を決めると、そう思っております。FRBと米財務省がどうしようとしているのか。それがポイントなんですから。

投資、トレーディング、買うのか売るのか。
少しでも儲けたいという事を前提にものを考えるのか。

それともいや自分は、アメリカの経済・景気動向を知りたい、学びたいんだという勉強のためにコメントを読むのか。人それぞれ、目的は異なると思います。

僕が興味を持っていることは、前者です。
後者は、これまで実際の仕事でいやというほどやってきましたから(笑)。
僕がアメリカで今暮らしているわけではありませんしね。

前者を考える時に、今与えられている環境、状況の中で、重要なことは、その時々の金融状況と流動性の推移、本当の意味でQEかQTか、買い手は誰で、どんな状況になった時にその買い手がたくさん現れるのか、ってところだと僕は思っています。

本日述べました、2024年から「米財務省によるQEの開始、国債買戻しの開始、介入開始」~これは、とてつもなく、重要なことだと僕は認識しています。
ですので、本日、このことを知っておくという主旨において、この寄稿で、極めて強調させて頂きます。

僕の思考は、これにより、結構、どっか~ンと、吹っ飛ばされました

(笑)。様々なことを再考もしています。まあ、観察中の身ですので、いい機会です。

最初のころの寄稿で述べましたが、売りは一瞬の崩落です。今後、もしそれがあれば、その一瞬の崩落のチャンスをのがさず、掴むことができるといいのですが(笑)。
そして次に、今度はドテン、買いに回れるような、中長期的な展開を、心待ちにしています。そのために、前述の「・」の箇所、その項目とその時が来た時の現実を、ひとつずつ、チェックして、現実、そのファクトとデータをその時々、確認し、立ち回ることが大事だと思っています。

債務上限が引き上がる、債務上限問題が解決したらTGAを再構築しなければならない。

それを踏まえたうえで、何かを考えてくるのだろうなと思っていましたが、金融のリーダー達はあらゆることを考えますね。いずれどこかで、なにか行動をとった時に、その行動に、浸らず、溺れず、惚れることなく、いつでも迅速にスタンス変更できる、心構え、姿勢が必要だと思っています。本日述べております、これ(米財務省による介入)は、今年目にした中でも、トップクラスの大きな内容です。介入ですから。

ブルームバーグ記事からの引用です。

・「株式に逆風も、年初からの流出と流入がほぼ均衡―ハートネット氏」

この記事からの引用~「6月下旬に再びリスクオフが強まると予想している」~略~「S&P500種株価指数の売りを勧める水準は4200で~

僕は、TGAからのドローダウン(お金の引き出し)が6月30日まであり得るという試算モデルをかなり意識していますので、ハートネット氏のこの「6月下旬に再びリスクオフが強まると予想している」というコメントには同調しています。その時期を注視する必要があると思います。

しかしながら、「S&P500種株価指数の売りを勧める水準は4200で~」という部分については、僕はインデックスのレベルについては、この寄稿で繰り返し「価格」ではなくて「時」、マーケットの背景、素地、素材が変わらないと、と述べております通り、「価格はほとんど全く意識していません」。意識しているのは「時」です。マーケットの素地、素材が変わる「時」。

その時になって、ここでは売りだと、チェック事項を確認できた上で、売ると決めたのであれば、売ればいいと思っています。

明日日曜日と来週月曜日の寄稿はお休みさせて頂きます。次回は来週火曜日に寄稿させて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。



第191回へ続く



最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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