【読書】マンガ『異刻メモワール』異世界の旅に出て、旅から戻るひとりの少年の心が行くさきは…
マンガ『異刻メモワール』の3巻が書店の本棚にあって驚いてしまった。
どのマンガも、連載やマガジンで追いかけているわけではないので、この作品についつは、勝手に打ち切りになっているのかと思っていた。
でも、そうではなかったんだ。
トモくんとリツちゃんの旅は続いていたんだ。
マンガ『異刻メモワール』を知らない方に概要をお伝えすると、下記の通りになります。
今作は、四季折々のステージが展開されて異国の春夏秋冬と、そこで暮らす異形のものたちに、うっとりしてしまう。
ハリーポッターや千と千尋の神隠しでファンタジーに幼い頃から魅了された私にとって、るんた先生が創造する異世界は、本当に憧れである。
なんなら、住みたい。暮らしたい。
そして、これにて完結にあたる今作では、
トモくんが心に抱えきれないものかをどうして抱えてしまったのか、そして抱えざるを得なかったのかも描かれています。
前作までは自分への不甲斐なさから立ち止まってしまう異国でのトモくんが描かれていました。
ただ、今作では現実世界で彼が向き合っていた出来事と異国での自分の歩(あゆ)みをトモくん自身が照らし合わすシーンが描かれており、
それが現実世界の架け橋へと形作られていく。
旅に始まり、旅から戻るトモくんの姿。
そして、なんにでもなるようになれるリツちゃんの姿。
ふたりの旅の終わりの明るさに、
心がほどける素敵な作品でした。
るん太先生、ありがとうございました。
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