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ストレスと正しく付き合う

前回は、クリエイティブのパフォーマンスを上げる方法として、タスクを単純化する件について書きました。

今回は2つめの「ストレスを最適化する」方法について書いてみます。

みなさん、ストレス溜めていませんか?

ストレスの少ない環境に身を置く

まず、ストレスとは何でしょうか?

厚生労働省のサイトでは、次のように定義されています。

そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。

みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)

良いことも悪いことも、あらゆる刺激がストレスの原因になるようです。ストレスと正しく付き合うには、まず自分がストレスを感じていることを自覚して、その原因を把握することが重要です。

ストレスの原因のうち、環境的要因社会的要因は他者、身体的要因心理的要因は自分に起因します。基本的に他者はコントロールできない場合が多いので、例えば「距離を置く」「縁を切る」など、自分自身の行動でどうにかするという選択をするのが得策です。

この「他者はコントロールできない」ということを明らめるだけで、ストレスの半分は解決します。どうにもならないことにイライラするのはやめて、どうにかできることだけにフォーカスすればよいのです。

自律神経のバランスを取る

次に、自分に起因するストレスとの付き合い方について書きます。

わたしたちの体には、体の機能を24時間体制で調整している「自律神経」というものがあります。心と体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経がバランスを取りながら、私たちの体を支えてくれています。

この自律神経が乱れると、身体的要因となって現れ、ストレスの原因となります。ストレスを感じているときは、交感神経優位の状態になっています

ストレスには次の3つのホルモンが関係しています。

ノルアドレナリンはストレスがかかると放出され、心拍数を上げたり、血液量を増やしたりして、活動しやすい状態をつくります。一方、ドーパミンはストレスを乗り越えたときの達成感、つまり快感をもたらします。

そして、この2つをコントロールして、気持ちを安定させるのがセロトニンの役割です。セロトニンが不足すると、感情にブレーキがかからなくなり、平常心が保てなくなります。

セロトニンを分泌させるには、次の3つの方法が有効とされています。

  • 日光浴 →早起きして、日光に当たる

  • リズム運動 →20分程度ウォーキング、よく噛む

  • タンパク質 →10品目をバランスよく食べる

要は、規則正しい生活をすれば、心穏やかに過ごせるということです。

自律神経を整える呼吸

「それができれば苦労はしないよ!」と思われた方には、今すぐにできて、即効性のある方法をお伝えします。それは腹式呼吸です。

呼吸をゆっくりすると、血中の二酸化炭素の量が増加します。化学受容器という器官がそれを検知して、セロトニンを分泌させるのです。

たかだかそんなことで?と思われた方は、今日ご自分の意志で何回呼吸をしたか思い出してみてください。おそらく多くの方が体の機能にまかせて、自動的に呼吸をしていたのではないでしょうか。

無意識にしている呼吸と、意識的な呼吸は全く違います。ここでもやはり、自分でコントロールできることに意識を向けることが重要なのです。

腹式呼吸をするときのコツは、おへそから3~5cm下に位置する「丹田」と呼ばれるツボに意識を集中させて、鼻から吐いて鼻から吸うことです。この丹田呼吸法で、血中のセロトニン濃度が増加して、脳内のセロトニン神経が活性化するという実験結果もあるそうです。

幸せは自分のなかにある

私たちは、ともするとストレスを解消する方法を外部に求めてしまいますが、例えばアルコール、ギャンブル、買い物、過食、ゲーム、スマートフォンなどといった依存性の高いストレス解消法は、ノルアドレナリンやドーパミンを過剰に分泌させ、かえって自分を幸せな状態から遠ざけてしまう可能性があります。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えて、心のバランスを整える作用のある伝達物質です。セロトニンを増やすことで、精神的な安定が得られると言われています。

普段無意識にしている呼吸に意識を向けて、自分の内側から幸せホルモンを分泌することで、外的な刺激に惑わされず穏やかな状態を保つことができるようになります。幸せは外部ではなく自分の体の中にあるのです。

お金をかけず、すぐに始めることができるので、ぜひおへその下に意識を向けて、深い呼吸を実践してみてください。

では。


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