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目標をタスクにばらす

前回の投稿のおわりに、クリエイティブのパフォーマンスを上げる方法として、下記の2つのが考えられると書きました。

  • タスクを単純化する

  • ストレスを最適化する

今回は「タスクを単純化する」方法について書いてみます。

仕事でパニックになる理由

ほぼ負荷がかからない、限りなく落ち着いた精神状態でいられる環境のことをコンフォートゾーン。逆に、過度なストレスや不安、恐怖を感じる環境のことをパニックゾーンと呼びます。

日常の仕事でパニックゾーンに陥りそうなシチュエーションとしては、例えば下記のようなものが思い浮かびます。

  • 未経験の仕事を頼まれる

  • 行ったことがない場所に行く

  • 知らない人と会う

いずれも、やったことがないことをやるという状況です。

また、自分のキャパを越えた仕事を依頼されたときも、間に合わないかもしれないという不安からパニックゾーンに至ることがあるでしょう。

できるかどうかわからない仕事を依頼されたとき、たいていの人はパニック状態になります。

できる単位に分解する

プロジェクト管理の手法に「WBS(Work Breakdown Structure)」というものがあります。プロジェクトの工程を作業レベルまでばらして、ツリー構造にまとめたものです。

  • Work(仕事を)

  • Breakdown(分解して)

  • Structure(構造化する)

下記のようなガントチャートなどに展開して使用します。

©Ruben Castelnuovo

「〇〇をする」というタスク単位に分解することによって、できるかどうかわからなかった仕事は、できるタスクの集合体になります。

どのぐらいまで細かく分解するか?については、明確な規定はありません。「納品のない受託開発」というキャッチフレーズで有名なソニックガーデン社では、30分〜45分でできる単位まで分けるそうです。

大きすぎるタスクの問題は、その進捗が外から見えなくなることだ。場合によっては自分でもわからなくなる。そこで、一つのタスクは30分〜45分、最大でも1時間で終わるような単位で分けるようにしている。コツは機能や構造で分解するのではなく、時間で区切るということ。

セルフマネジメントの必須スキル「タスクばらし」そのポイント(Social Change)

大きなオーダーを塊のままどうにかしようとすると、パニックに陥りますが、できる単位に分割して考えれば、見通しが立ちます。

できることにフォーカスしていれば、パニックになることはありません。

タスクに優先順位をつける

タスクにばらしてガントチャートに落とし込んだ結果、やはり手に負えそうにない(納期に間に合わない)というケースはどうすればよいでしょうか?

納期に間に合わないとき、下記の3つの対策が考えられます。

  1. 人(予算)を増やす

  2. 納期を延ばす

  3. タスクを減らす

人や予算は有限なので、現実的な解決方法は「2.納期を延ばす」「3.タスクを減らす」のいずれかです。ただし、納期は自分でコントロールできないケースが多いので、タスクを減らすことを検討します。

災害現場や戦場において、負傷者の重症度に基づいて、治療や搬送の優先順位を決定する手法をトリアージと言います。

仕事におけるトリアージは、下記のような規準で設定します。

A. must-do(やらなければならない)
B. should-do(やったほうがよい)
C. could-do(できたらやる)

分解したタスクを、更にABCに分類します。この場合、Aが納期内で終われば、BとCは間に合えばやる、もしくは後からの実装でも支障がないということになります。

目標は大きく、タスクは小さく

「段取り八分、仕事二分」という言葉が示すように、仕事を進めるうえでは事前準備が大切です。タスクの分解と優先順位の組み立てができていれば、あとは順番にこなしていくだけです。

もちろん、仕事を進めていくなかで、予定よりも時間がかかってしまったり、予期していなかった問題が発生したりすることもあるでしょう。それでも、段取りがしっかりできていれば、どのようにリカバリすればよいかも考えやすく、調整がしやすくなります。

はじめのうちは、タスクの精度が低くても構いません。とにかく自分がコントロールできそうな単位まで、タスクを小さく分解することです。ばらして全体像が見えてきてから、細かいところを調整していけばよいのです。

大きな仕事も、ばらせば小さなタスクの集合体にすぎないので、臆せず向き合っていきましょう。

では。


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