目標をタスクにばらす
前回の投稿のおわりに、クリエイティブのパフォーマンスを上げる方法として、下記の2つのが考えられると書きました。
タスクを単純化する
ストレスを最適化する
今回は「タスクを単純化する」方法について書いてみます。
仕事でパニックになる理由
ほぼ負荷がかからない、限りなく落ち着いた精神状態でいられる環境のことをコンフォートゾーン。逆に、過度なストレスや不安、恐怖を感じる環境のことをパニックゾーンと呼びます。
日常の仕事でパニックゾーンに陥りそうなシチュエーションとしては、例えば下記のようなものが思い浮かびます。
未経験の仕事を頼まれる
行ったことがない場所に行く
知らない人と会う
いずれも、やったことがないことをやるという状況です。
また、自分のキャパを越えた仕事を依頼されたときも、間に合わないかもしれないという不安からパニックゾーンに至ることがあるでしょう。
できるかどうかわからない仕事を依頼されたとき、たいていの人はパニック状態になります。
できる単位に分解する
プロジェクト管理の手法に「WBS(Work Breakdown Structure)」というものがあります。プロジェクトの工程を作業レベルまでばらして、ツリー構造にまとめたものです。
Work(仕事を)
Breakdown(分解して)
Structure(構造化する)
下記のようなガントチャートなどに展開して使用します。
「〇〇をする」というタスク単位に分解することによって、できるかどうかわからなかった仕事は、できるタスクの集合体になります。
どのぐらいまで細かく分解するか?については、明確な規定はありません。「納品のない受託開発」というキャッチフレーズで有名なソニックガーデン社では、30分〜45分でできる単位まで分けるそうです。
大きなオーダーを塊のままどうにかしようとすると、パニックに陥りますが、できる単位に分割して考えれば、見通しが立ちます。
できることにフォーカスしていれば、パニックになることはありません。
タスクに優先順位をつける
タスクにばらしてガントチャートに落とし込んだ結果、やはり手に負えそうにない(納期に間に合わない)というケースはどうすればよいでしょうか?
納期に間に合わないとき、下記の3つの対策が考えられます。
人(予算)を増やす
納期を延ばす
タスクを減らす
人や予算は有限なので、現実的な解決方法は「2.納期を延ばす」「3.タスクを減らす」のいずれかです。ただし、納期は自分でコントロールできないケースが多いので、タスクを減らすことを検討します。
災害現場や戦場において、負傷者の重症度に基づいて、治療や搬送の優先順位を決定する手法をトリアージと言います。
仕事におけるトリアージは、下記のような規準で設定します。
A. must-do(やらなければならない)
B. should-do(やったほうがよい)
C. could-do(できたらやる)
分解したタスクを、更にABCに分類します。この場合、Aが納期内で終われば、BとCは間に合えばやる、もしくは後からの実装でも支障がないということになります。
目標は大きく、タスクは小さく
「段取り八分、仕事二分」という言葉が示すように、仕事を進めるうえでは事前準備が大切です。タスクの分解と優先順位の組み立てができていれば、あとは順番にこなしていくだけです。
もちろん、仕事を進めていくなかで、予定よりも時間がかかってしまったり、予期していなかった問題が発生したりすることもあるでしょう。それでも、段取りがしっかりできていれば、どのようにリカバリすればよいかも考えやすく、調整がしやすくなります。
はじめのうちは、タスクの精度が低くても構いません。とにかく自分がコントロールできそうな単位まで、タスクを小さく分解することです。ばらして全体像が見えてきてから、細かいところを調整していけばよいのです。
大きな仕事も、ばらせば小さなタスクの集合体にすぎないので、臆せず向き合っていきましょう。
では。
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