見出し画像

勉強なんかしたくない

今回はパートナーさんからいただいた質問に応えていきます。

大人の勉強方法、学び方覚え方みたいなのが知りたいです

かしこまりました。

・・・

「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる「NLP(神経言語プログラミング)」によると、脳には下記のような3つの原則があるそうです。

①空白の原則
脳は空白をつくるとそれを埋めようとする。

②焦点化の原則
脳は同時に2つ以上のことを捉えることが苦手である。

③快・痛みの原則
脳は快楽を求め、痛みを避けようとする。

これに沿って、勉強のしかたを考えていきます。

具体的な問いを立てる

まず、脳は空白をつくるとそれを埋めようとします。別の言い方をすると、「わからないことをわかろうとする」という性質があります。私たちの脳は、わからないままにしておくことが苦手なようです。

なので、

2 × 3 = ▢

のような問いを立てられると、空白を埋めるための計算をしますし、

〇かん

のような問いには「みかん」「やかん」「どかん」など、自分の知識や経験から当てはまりそうな答えを探して、空白を埋めようとします。

勉強がうまく進まない理由のひとつは、わからないことがわからないという点にあります。何が空白かを脳が理解できていない、つまり適切な問いが立てられていないということです。

例えば、Webデザイナーになるために勉強を始めたいとします。まずは「Webデザイナーになるには?」という大きな問いをブレイクダウンしていきます。

  • Webデザイナーの仕事には、どんな工程があるんだろう?

  • Webデザイナーは、どんなソフトを使っているんだろう?

  • Webデザイナーの求人はどのぐらいあるんだろう?

このように、問いの粒度を細かくばらして、わからないことを具体的にすれば、脳はその空白を埋めようと思うようになります。

具体的な問いを用意しないまま勉強を始めると、とりあえず本を買ってみたものの理解できなくて挫折したり、YouTubeで「Webデザイナーやめとけ」という動画を見て諦めたりしてしまいがちです。

私も身に覚えがあり過ぎます。

学びたいことにフォーカスする

具体的な問いを用意すると、私たちの潜在意識が仕事を始めます。

潜在意識とは、自覚されていない意識のことである。主に、自身の過去の経験などをもとに(無意識のうちに)蓄積された価値観・習慣・思い込みなどによって形成されるとされる。

潜在意識の「潜在」は「潜伏している(=密かに隠されており表立って確認できない)(が存在する)」ということ。対義語は「顕在」。

潜在意識は意識全体の9割以上を占めるとされ、当人の日常行動・ひらめきや直感、思考、非常時・緊急時の対応などの決定に影響していると言われる。「潜在意識」に最初に注目したのは、オーストリアの精神科医・フロイト(Sigmund Freud)とされている。

(中略)

何かを「しよう」と考える意識は全て顕在意識であると言える。表に現れる顕在意識は意識全体の1割程度とされ、「全意識の9割方は潜在意識あるいは無意識である」と言われている。

潜在意識(Weblio)

上記の解説によると、顕在意識で「Webデザイナーになろう」と考え、その意思を潜在意識が受け継いで、アンテナを張るというイメージでしょうか。そして潜在意識は、私たちがその問いを忘れているときも答えを探してアンテナを張り続けます。 

なので「Webデザイナーになるには?」と考いう問いを立てた瞬間から、今まで見過ごしていたWebスクールの広告が目に留まったり、急に人が使っているMacが気になりだしたりします。そのように、問いに対しての答えを探して、脳が情報の取捨選択を自動的に行ってくれるのです。

脳は同時に2つ以上のことを捉えることが苦手なので、ひとつの問いにフォーカスしているときは、それに関係がない情報は捨てていることになります。なのでゴールに近づくためには、できるだけ具体的な問いを立てて、潜在意識を有効活用することが重要です。

快楽と痛みを利用する

さらに私たちの脳には、快楽を求めて痛みを避けるという性質があります。これは、生物が命を守るための安全欲求です。

適度なストレスや自律神経の話にも繋がりそうですが、ともかく脳は「快楽」または「痛み」を伴うと、生命維持の観点によって好ましいものか好ましくないものかを判断する性質があります。

適度なストレスの話

自律神経の話

つまり、何かを学ぼうとするときには、「この資格を取得したら給料がアップする」「この技術を身に付ければ転職できる」というような、分かりやすい報酬(快楽)や、「これを覚えないと納期に間に合わない」「〇日までに提出しないと卒業できない」といったような、適度なプレッシャー(痛み)が用意されている状態のほうが、学習が捗ります。

ただし、快楽や痛みを受けるのが10年後といった遠い未来の話になってしまうと、逆に脳は「勉強」という直近の痛みを避けようとしてしまうので、適度に近未来の報酬やプレッシャーを燃料にすると良いようです。

結局は「なぜ勉強するのか?」が重要

ここまでの話を整理すると、下記のようになります。

  • 具体的な問いを立て

  • 潜在意識を学びたいことにフォーカスさせ

  • 快楽や痛みを燃料にして脳を刺激する

ここで改めて「空白の原則」に立ち返ると、そもそもなぜ勉強するのか?という問いが明確でないと、学習は続かないのではないかと思います。明確な問いの裏にはきっと、具体的な快楽や痛みが潜んでいるはずです。

大前提として、脳は勉強なんかしたくないのです。だから「なんとなく覚えたい」といった曖昧な目標では不十分で、脳が納得するような具体的な理由を用意してあげる必要があるのです。

ここまで書いてみて、私たちのような経営者が学び続けることができる理由は、明日にも資金がショートするかも知れないという、近未来のプレッシャーに対する防衛本能が働いているからなのかもな…と思いました。

では。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?