サウナで_ととのう_ってナニ_胡散臭いので脳波を調べてみた_

サウナで「ととのう」ってナニ?胡散臭いので脳波を調べてみた。


サウナと水風呂を繰り返すことでたどり着ける境地、”ととのう”

一度その感覚を味わってしまうと、その強烈な快楽によってサウナ断ちするのが困難になると言われるほどの快楽。

今回は、”ととのう”を科学的に調査します。

「サウナが良いらしいよ」→そんな適当な情報では、満足できないアナタの為に、その快楽の本質を”科学的に”明らかにします。

サウナ好きな方や、働きすぎで疲れがちな方、快楽を試してみたい方必見。

どうやら、ただの噂じゃありませんよ・・・

ハイライト
・死亡率を40%低下させ、認知症リスクを65%下げる。サウナすげぇ
・脳波と神経伝達物質を使って、ととのうの科学的な効果を探る
・ととのうサウナの入り方

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■サウナの健康効果は、思ってるよりスゴい

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そもそもサウナとはフィンランドの伝統文化で、フィンランド人は少なくとも週に1回、平均的には週に2~3回はサウナに入る習慣があります。

その目的は様々ですが、主に肉体と精神を清めるための目的があると言われています。

サウナに健康効果があることはカンタンに想像できることですね。実際に研究データはサウナのもつ健康効果をいくつも報告しています。

・致死的な心血管リスクを50%低下させる(Laukkanen,2015)
・全ての死亡率を40%低下させる(Laukkanen,2015)
・高血圧リスクを47%低下させる(Zaccardi,2017)
・アルツハイマー型認知症のリスクを65%低下させる(Lakkanen,2017)
・肺炎のリスクを37%低下させる(Kunutsor,2017)

これらの研究結果は、サウナに入る回数が多い人とそうでないヒト、またはサウナに入る時間が長い人とそうでないヒトを比較した実験により証明されたものです。

もちろん肺炎の場合は周りに感染者がいないことが条件ですし文句の付け所が全く無いわけではありませんが、「それでもサウナに驚くべき健康効果がある」ことは間違いありません。

さて、サウナが体にいいことはよくわかりました。

では、メンタルにはどんな影響を及ぼすのでしょうか?

■そもそも、”ととのう”ってなに?

マンガ サ道によると
”水風呂から上がって 良く体を拭いて
椅子に深く腰を掛ける
するとやがて訪れる...ディープリラックス...
サウナトランスを体験すれば
「ととのったーーー!」
それがちゅうどくとなる”

つまり、”ととのう”とは、

サウナと水風呂を繰り返し、深いリラックス状態を作ることで、快楽状態に移りゆくことを言うのです。

なにやら抽象的な話でよく分かりませんね。

”ととのった”とき、脳の中はどうなっているのでしょうか


■”ととのう”を科学的に検証してみた。

結論から言うと、サウナ後の”ととのう”は科学的に正しいと言えます。

リトアニアの大学が行った2018年の実験では、”ととのった”状態の脳波を測定することで、”ととのう”の科学的妥当性を示しています。

脳波測定

彼らの実験は、↑の図のように、19人の男性のサウナと休息を繰り返してもらった後に、脳波を測定するというものでした。

サウナ後の脳波を調べると、α波(アルファ波)が活性化されていることが観察されました。α波とは、体がリラックスしているときに多く出される脳波です。

対照的に、目が覚めているとき、つまり覚醒時に観察されるベータ波は活性化していなかったことが示されています。

この状態は、「激しい運動後に観察される脳波パターンと一致」しています。

つまり、”ととのった”状態の脳波はマラソンや長時間のサイクリングの脳波とよく似ているということ。いわゆる限界突破。乳酸の向こう側と呼ばれるような爽快感と似ているのです。

余計なことを考えてしまう脳皮質の活動を減少させ、ポジティブな感情があふれ出すように脳の働きを調節します。

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さらに、2008年のコロラド大学の研究によると、不安を司る神経回路、セロトニン神経系の働きが暖かさによって大きく変化することが示されました。

セロトニン神経は脳において、不安などの気持ちを調節する働きを持っています。体が温められ、汗をかいてくるとセロトニン神経を介して不安や神経障害症状が治まる可能性が高いと結論づけています。


不安や恐怖が強まった最悪の状態と言えば、薬物依存症の”禁断症状”です。

2018年の研究では禁断症状にサウナが有効なことが示されています。

この研究では、薬物依存症に悩まされる患者を集めて、サウナを含めた治療を行うことで身体症状や精神症状が改善することがしめされました。普通は禁断症状の治療レジメンは中断率が高いのですが、サウナを含む方法は継続率99%をたたき出し、大きな副作用もみられない優秀なものでした。

ドラッグによって脳内が異常な状態になっているヒトにもサウナが有効だという情報は、サウナは普通の人の脳内にもポジティブな変化を起こす可能性が十分に高いことを示しています。


まとめると、

サウナに入って温かさと冷却を繰り返すことで、脳内の神経伝達物質を介し脳波が大きく変化させ、体とメンタルがリラックスします。

このリラックスは、長時間のマラソンやサイクリングの後と同じように、私たちの体を溶かし、快楽状態を引き起こします。

とても、気持ちいい状態です。


■”ととのう”サウナの入り方

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実験では、15分サウナの後、涼しい部屋で休憩を15分。その後は10分サウナ→休憩15分を繰り返すことで”ととのった”状態を作り出していました。

しかし、最近のサウナ理論はもっと進化しています。

水風呂を使いましょう。水風呂を使うことで、休憩を15分から2分程度に減少させることができ、非常に早く”ととのう”ことができます。

したがって、”ととのう”ためのサウナの入り方は以下の通り。

①十分に水分補給をします。
 水分が枯渇すると頭痛など不快感の原因になってしまう為、危険です。

②15分を目標にサウナに入り、十分に体を温めます。

③2~3分を目途に水風呂に入り、体を冷却します

④2回目以降のサウナは5分程度でもOK。体を十分に温めます。

⑤2~3分を目途に水風呂に入り、体を冷却します。


以下、④~⑤を繰り返します。
③と④の間に、外気温で休憩するステップを入れてもOKです。

3セットほどで”ととのう”でしょう。

十分に整う為には、まず水分補給を忘れない事。脱水状態では快楽を味わうことはできません。

あとは、できる限り余計な雑念を捨て、鼓動や暑さ、冷たさに集中してみましょう。モヤモヤが頭を突き抜け、急激に気持ちよくなる瞬間を迎えることができるハズです。


まとめ

”ととのう”は科学的にほぼ証明された、リラックス→快楽状態です。

現代人は常に脳がフル回転しています。Twitter、インスタ、Youtube、noteなどあらゆるコンテンツが頭を刺激しています。常時フルスペックで回転しています。

休息が、必要です。

リラックスが、必要です。

脳のクロックを強制的に落とす必要があります。意識だけでは落とせません。運動は大変。瞑想だってマスターするのが難しい。

そうだ。サウナ、あるじゃん。


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https://note.com/our_evidence/n/nd094bdefdf74


引用

Laukkanen, Tanjaniina, et al. "Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events." JAMA internal medicine 175.4 (2015): 542-548.

Zaccardi, Francesco, et al. "Sauna bathing and incident hypertension: a prospective cohort study." American journal of hypertension 30.11 (2017): 1120-1125.

Laukkanen, Tanjaniina, et al. "Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer's disease in middle-aged Finnish men." Age and Ageing 46.2 (2017): 245-249.

Kunutsor, Setor K., Tanjaniina Laukkanen, and Jari A. Laukkanen. "Frequent sauna bathing may reduce the risk of pneumonia in middle-aged Caucasian men: the KIHD prospective cohort study." Respiratory medicine 132 (2017): 161-163.

Cernych, Margarita, Andrius Satas, and Marius Brazaitis. "Post-sauna recovery enhances brain neural network relaxation and improves cognitive economy in oddball tasks." International Journal of Hyperthermia 35.1 (2018): 375-382.

Lennox, Richard D., and Marie Cecchini-Sternquist. "Safety and tolerability of sauna detoxification for the protracted withdrawal symptoms of substance abuse." Journal of International Medical Research 46.11 (2018): 4480-4499.


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