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先延ばしのメリットを最大限利用し、やってはいけない先延ばしを避ける方法

ハイライト
・大学生の80~95%以上が先延ばしをしている
・「良い」先延ばしと「悪い」先延ばしには明確な違いがある
・先延ばしの時にとるべき行動、してはいけない行動


🔎色んなところに出てくる、先延ばし

勉強しなくちゃ!って時に、急に掃除に没頭した経験ありませんか?

掃除は先延ばしの代表的な行動です。先延ばしについてはさまざまな調査結果があります。

2002年の調査によると、大学生の80~95%以上が先延ばしをしていると言言われています。勉強は特に先延ばしが起こりやすい分野です。

しかし、勉強に限らず、ほとんどの行動は先延ばしを引き起こします。

先延ばし度

260人の大学生に先延ばし度を1~5で評価してもらった平均値

・仕事
・家事
・ダイエットや運動
・付き合いの時間
・家族や友人とのパートナーシップの時間
・遊び

どの行動も、先延ばしの対象となるのです。

もちろん、キツい行動や面倒な行動は先延ばしが起こりやすいのですが、「遊び」など楽しい行動でも先延ばしは起こります。5段階評価で2.0ですから、40%くらいは先延ばしが起こってもおかしくありません。

では、先延ばしは悪いことなのでしょうか?


📖先延ばしは、やっぱり学業には良くないけど....??

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残念ながら、先延ばしは勉強には良くないようです。

勉強しないと成績は上がらないので、当たり前と言えば当たり前なんですが、やはり先延ばしをすると成績は低くなる傾向にあります。

2015年にYonsei大学で行われたメタ分析では、
過去33の研究結果をまとめ、38,529人のデータを用いて、
先延ばしと学業成績の関連性が調べられました。
その結果、先延ばし傾向は学業成績の低下につながることが示されました。

でも、面白いのはココからです。

しかし、結果は大きくバラついており、一貫性がなかったのです。その原因を研究チームは「積極的先延ばし」によるものだと結論付けていました。

つまり、「勉強が嫌だから先延ばし」するのと、「積極的な先延ばし」には違いがあると言うのです。

では、「積極的な先延ばし」とはいったい何なのでしょうか?


🔋「積極的な先延ばし」の強力なパワー

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「積極的な先延ばし」とは、締め切り時間を効果的に使うことで、仕事や学業のパフォーマンスを上げるタイプの先延ばしです。

先延ばしは、古くからセルフハンディキャップの1種として知られていました。つまり、掃除で時間を消費してしまったから、勉強できなかったのは仕方ないというストーリーを、自ら作り上げてしまうことです。これをここでは「受動的先延ばし」と呼びます。

しかし、「積極的先延ばし」はセルフハンディキャッピングとは全く異なります。
2005年に行われた研究では、「積極的先延ばし」を使えるヒトの学業成績は、受動的先延ばしをするヒトよりも優れていることが示されています。

さらに、先延ばしをしないヒトよりも自己肯定感に優れ、人生への満足度も高いことが分かっているのです。

さらに、「積極的先延ばし」を使えるヒトは、クリエイティビティが最も高くなることも分かっています。

積極的先延ばし

積極的な先延ばしを理解するには、この図が分かりやすいです。
(https://www.ted.com/talks/adam_grant_the_surprising_habits_of_original_thinkers/)より引用

のタイプは、とにかく早く終わらせなくちゃ!と考えているので、クリエイティブ性を発揮する事ができません。

のタイプは、ひたすらサボっているので新しい考えを持つことはできません。

しかし、真ん中のタイプは、時間的制限を最大限利用してクリエイティビティを発揮する事ができるのです。これが「積極的先延ばし」を使うことのできる人たちです。

アイデアを作るための永遠の名著と呼ばれる「アイデアのつくり方」にも、データ集めの後には、問題をいったん全て放置し、心の消化過程をつくることが大切である。と示されています。1940年台から世界中の人々を魅了する不変の法則と、最新の研究結果が結びつくのです。


積極的先延ばしを使えるヒトにはいくつかの特徴があります。

・自己肯定感が高い
・先延ばしても目標を達成する十分な能力を持っている
・時間を十分コントロールできる自信がある
・ストレスに対処する方法を知っている

彼らはこう考えています。

・時間制限があるとワクワクして、能力を最大限活かせる
・時間制限が最大のモチベーションコントロールになる
・最後に踏ん張ると、一番クリエイティブになれる

話が散らかってきたので、まとめます。

1. 先延ばしには良い先延ばしと悪い先延ばしがある
2. 良い先延ばしとは、「積極的先延ばし」のことである
3. 「積極的先延ばし」を使えば、クリエイティブ性が高まる
4. 「積極的先延ばし」には自分と時間をコントロールする必要がある
5. クリエイティビティが必要だったら、積極的先延ばしが超有効


ここまで、良い先延ばしを考えてみました。
次は、悪い先延ばしについても考えてみましょう。


悪い先延ばしと関連する、ヤバい性格って・・・?

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悪い先延ばしと深い関係があるヤバい性格。それは「完璧主義」です。

アヒルくんたちが、1mmでもズレていたらストレスを感じてしまう。
1mmでもズレていたら完成じゃない!最初からやり直しだ!
そんなの異常です。

完璧主義は、うつ病や摂食障害を引き起こす、あまりよくないパーソナリティです。過度に失敗を避け、行動を起こせなくなる完璧主義者は、成功体験を得ることが出来ず、理想の高さとの大きな壁に苦しみます。

先延ばしは、完璧主義と深い関係があります。

2018年の研究では、
過去行われた14,604人の研究成果をまとめたメタ分析が行われ、
先延ばしが完璧主義と関連していることが示されました。

完璧主義なあまり、先延ばしのしすぎで仕事が終わらなかったり、資格のテストが受けられなかったり、作品が完成しなかったり。

言われてみれば想像がつきやすいと思いませんか?


私は先延ばしは否定しませんが、完成を見据えて行う「積極的先延ばし」になるよう、プランを立てて行うことをオススメします。

では、先延ばしを行うときは、何をすればいいのでしょうか?


先延ばしでやるべきこと、やらない方が良いこと。

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先延ばしは、基本的には何をやっても大丈夫です。
散歩、音楽、読書なんかはリラックスもできる良い方法です。

意外なことに、ゲームも先延ばしを引き起こすとは限らず、むしろ回復やリラックスを促す可能性を示した研究があるため、アリだとおもいます。(ガチャ除く)

しかし、先延ばしでやらない方が良いことがあります。
それは、「SNS」です。

Facebookを始めとするSNSで学業や仕事の先延ばしをすると、SNS疲れが発生し、心理的なストレスが生まれます。さらに、時間のコントロール能力も奪われます。その結果、幸福感の減少などを引き起こしてしまいます。

したがって、仕事の合間や勉強の合間にSNSを見るのは
オススメしません。


まとめ

・先延ばしは、勉強や仕事以外にも様々な活動で起こる
・良い先延ばしとは、「積極的先延ばし」である
・積極的先延ばしは、クリエイティビティを高める良い方法
・終わりを見据えた先延ばしは有りよりのアリ!!


今回のギモン提供者

今回は、サークルメンバーの「NUまゆげ」さんから
ギモンを提供して頂きました!ありがとう!

健康関連のギモンを提供してくれるのが上手いNUまゆげさんです。
ぜひぜひ皆さんも絡んでみてくださいね!
みなさんのサークルへの参加もお待ちしています!


おしまい

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引用
https://www.ted.com/talks/adam_grant_the_surprising_habits_of_original_thinkers/transcript?language=ja

Klingsieck, Katrin B. "Procrastination in different life-domains: is procrastination domain specific?." Current Psychology 32.2 (2013): 175-185.

Kim, Kyung Ryung, and Eun Hee Seo. "The relationship between procrastination and academic performance: A meta-analysis." Personality and Individual Differences 82 (2015): 26-33.

Chu, A., and J. Choi. "Rethinking procrastination: effects of active procrastination behavior on positive attitudes and performance." Journal of Social psychology 145 (2005): 254-264.

Xie, Yu, Jiyu Yang, and Faxiang Chen. "Procrastination and multidimensional perfectionism: A meta-analysis of main, mediating, and moderating effects." Social Behavior and Personality: an international journal 46.3 (2018): 395-408.

Nordby, Kent, Ronny Andre Løkken, and Gerit Pfuhl. "Playing a video game is more than mere procrastination." BMC psychology 7.1 (2019): 33.

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