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備忘録メモ『文豪ストレイドッグス』関係②

※この記事は逢魔の黄昏の備忘録メモになります。主に自分のメモ用ですが、コメントや引用も大歓迎です。正直、色々と抜けているところがありますので、気づいたことや意見がありましたらコメント等で教えて頂けると助かります。

※こちらの記事は、以前、ものあし様のお題箱に投下させて頂いたものの一部を追記・修正したものになります。

 以前投稿させて頂いたものあし様の記事はこちらから。ご返答も頂いております。

 一部、過去の備忘録メモと内容が被っています。そちらもよろしければご覧ください。


◆「猫」に纏わる異能力者
・中島敦
 探偵社員で主人公。異能力は大柄な白虎に変身する『月下獣』。『白紙の文学書』を手に入れるために必要な鍵『道標(タイガービートル)』であると作中で語られている。
 能力の元ネタとなったのは作家・中島敦の短編小説『山月記』か。
 『山月記』の内容からインスピレーションを受けたような異能力だが、『山月記』ではなく『月下獣』と名付けられている点には何か理由がありそう。能力を制御できていない点とも関係はあるのか。

・夏目漱石
 三刻構想なる構想を実現した後に隠居した老紳士。異能力『吾輩は猫である』は「万物を見抜く最強の異能」とのこと。作中の描写から猫になる異能力の可能性が高い。
 能力の元ネタとなったのは作家・夏目漱石の小説『吾輩は猫である』。

・エドガー・アラン・ポー
 組合の設計者長。異能力『モルグ街の黒猫』は「読者を小説の中に引きずり込む」というもの。異能力の元ネタとなったのは、「モルグ街の殺人」と「黒猫」だが、何故「モルグ街の殺人」ではいけなかったのか? 
 既に組合の前組合長に関する考察から派生し、異能力が『白紙の文学書』と関係していると指摘がされている。
 ちなみに、異能力には敦や夏目先生と同じく「猫」科の動物が含まれている。
 ルイーザとの共通点は「非戦闘員」であること。織田作は小説家になるために殺しをやめたので、小説家は「非戦闘員」である必要があるのかもしれない。

・福地桜痴(new★)
 軍警最強の特殊部隊《猟犬》の隊長であり、テロ組織《天人五衰》の首魁・神威でもある男。伝説の英雄「サムライ」として世界的にも有名。敦への発言から自伝(自叙伝)を書いている可能性が高い。
 能力の元ネタとなったのは福地桜痴が作詞した歌舞伎座の中幕として出された長唄の所作事『春興鏡獅子』か。
 持った武器の威力を百倍にする異能力『鏡獅子』と『神刀・雨御前』のコンボは強力無比。千五百年前に異能力者である刀鍛冶が鍛冶した儀式用の青い剣『神刀・雨御前』の方にも何かしらの元ネタがありそうだが、考察の材料を持ち合わせていないため、こちらについては先送りする。
 既に福沢諭吉の異能力『人上人不造』とは獣と人、自身にのみ適用/自身が含まれない、即時発動が可能/異能力が適応されるまでに越えるべきハードルがある、強化/抑制と対照的であることが指摘されている。福沢諭吉の異能力名の元となった「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という一説はあくまで一般論の引用であり、福沢諭吉は寧ろ学問を修めることによって差が生じ、これが貧富の差となるという点を重要視して説いているため、やや切り取り方が不自然な部分もあるが、これは福地桜痴の存在を念頭に置いていたからなのかも知れない。
 完全に余談であるが、異能力無効化能力である太宰治の『人間失格』にも人間が含まれている。強化の『鏡獅子』、異能力抑制の『人上人不造』、異能力無効化の『人間失格』を獣と人という点で考察すると面白いかもしれない。
 異能力の『鏡獅子』の獅子とは伝説上の生物ではあるが、その元はライオンであると言われている。このライオンは猫科豹属に分類されており、お題箱に投下した時点では見逃していた四人目の「猫」に纏わる異能力者と言えるかもしれない。

→ 「猫」科の名称が含まれる異能力の保有者は全部で四人。お題箱投稿時点では福地桜痴のことを完全に忘れていたので追記。
→敦は『白紙の文学書』を手に入れる鍵であり、ポー君は書いた小説を実体化させるという異能力を有している。福地は頁への書き込みを担当している。この四人は『白紙の文学書』の謎を解き明かす鍵になるのかもしれない。

◆作中で小説を書いている人物
・夏目漱石
 詳細は上記に。

・織田作之助(new★)
 マフィアの最下級構成員で太宰治と坂口安吾の友人。故人。
 自分の身に起こる五秒以上六秒未満の未来を観測する『天衣無縫』の異能力を持つ。
 能力の元ネタとなったのは織田作之助の短篇小説『天衣無縫』。
 本編では夏目漱石と出会い、小説家を志すようになってから夢のために人を殺さなくなった。「ミミック」との抗争で同種の能力を持つアンドレ・ジイドと戦って相打ちになる。
 『文豪ストレイドッグス BEAST』では武装探偵社に所属しており、小説も書いている(『文豪ストレイドッグス』の世界線で果たせなかった夢を叶えている形である)。

・エドガー・アラン・ポー
 詳細は上記に。

・マーク・トウェイン(new★)
 組合の職人。
 異能力は二人の小人を使役し、彼らを弾丸と共に発射することにより狙撃の命中精度を上昇させたり、標的の座標を正確に知ることができる『ハック・フィン&トム・ソーヤ』。
 能力の元ネタとなったのは、マーク・トウェインの小説『ハックルベリー・フィンの冒険』『トム・ソーヤーの冒険』か。
 武装探偵社とポートマフィアとの戦争終結後は本国に戻って自伝の執筆を再開するつもりだと言っていた。

・ルイーザ・メイ・オルコット
 組合の徒弟。作中でも珍しい非戦闘員の異能力者。
 異能力は個室で考え事をする時にだけ時間の流れが八千分の一になる『若草物語』で、この異能力によって与えられた膨大な時間とルイーザ自身の頭脳で作戦を立案する。
 作戦書が大長編になると評されており、未来を予見するその作戦書は一種の「物語」のようにも受け取れる。
 ポー君と同じく「非戦闘員」。そして、横浜出身ではない=ギルドの人間という共通点がある。

・ヨコミゾ
 小栗虫太郎の関係者。金田一の名で推理小説を出していた人物として登場。故人。
 元ネタの横溝正史と小栗虫太郎の関係は「互いにピンチヒッター」だったというもの。恐らく、異能力者では無かったと思われる。
 横溝正史として登場してもいい筈だが、何故かカタカナでヨコミゾという表記で登場。一応、彼にも「非戦闘員」という共通点がある。
 虫太郎の助力で彼が完成させようとしたのは『現実に侵食するミステリー』(乱歩談)。取られている手段こそ違うが、『白紙の文学書』によって改変される『文豪ストレイドッグス』の世界と類似関係があるようにも見える。
 ここにも、『探偵社創設秘話』のように、小栗虫太郎とヨコミゾの友情関係を描いたという以上の何かしらの伏線が隠されている可能性がないとは言い切れない。

・倉橋(new★)
 『探偵社設立秘話』の登場人物で村上時雄と組んだ脚本家。恐らくニコライ・ゴーゴリによって殺害された。
 名前の由来は不明。『天人五衰』にも繋がる演劇の台本を書いた超重要人物のため、元ネタに重要な伏線が隠されているのではないかと睨んでいる。

・福地桜痴(new★)
 詳細は上記に。

→ここでは作中で小説(自伝)を執筆していることが確認されている人物をピックアップ。お題箱投稿時点では『非戦闘員が大多数を占めており、「人殺しの世界に身を置くものは小説を執筆できない」という原則が生きていることが伝わってくる』と結論づけていたが、マークや福地桜痴の存在で瓦解した。
→このnoteの執筆者は自伝を執筆という行為をすると必ず語るという形で異化する作業とある一部分を切り取る編集の作業が含まれることから、フィクション/物語の一種として捉えたが、『文豪ストレイドッグス』における小説と自伝には、実は明確な差があるのかもしれない。(実は見当違いの可能性の方が高い気がしている)。

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