見出し画像

ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラーの展示を見たよ

ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラーの初のアジアでの大規模個展が金沢21世紀美術館で開催していたので、駆け込みですが行ってきました!

私が過去に見たことがある作品は下記の3つ。
・STORM ROOM | 2009 越後妻有アートトリエンナーレ
・ストーム・ハウス | 2010 瀬戸内国際芸術祭
・FOREST (for a thousand years...) | 2012 documenta13
WALKSは時間がなくて泣く泣く断念…)

これらの展示を見て私はかなりファンに…!
なぜかというと、「人」を直接出すことなく「人」を感じさせるという手法が、幼少期に感じていた目に見えないものに対する恐怖心と確信みたいなものを思い出して、恐ろしいのですが、どうしようもなく惹かれてしまって大好きなんです。
(違う作家になるのですが、レアンドロエルリッヒの作品タイトルに「不在の存在」というものがあって、こういった手法の作品を見ると「不在の存在だ…」と勝手に呼んでいます。言葉の表現がとてもしっくりきてます。)

平日にも関わらず…大盛況!

地元が近いので21世紀美術館には何度も行っているのですが、チケット売り場にこんな行列ができているのは初めて見ました。しかも平日!ここは六本木か!上野か!そして持ち物や服装からして明らかに観光客の方が多数だったので、金沢人気に驚きました。あっぱれ北陸新幹線。

作品紹介

全部で8点のインスタレーションのうち、私の特に気になった作品を紹介いたします。

The Killing Machine 《キリング・マシン》2007

キリングマシーンというタイトル通り、目に見えない透明人間が2つの機械のアームによって拷問を受けて絶命するまでのインスタレーションです。とにかく2つのアーム・テレビ・椅子・ミラーボールの動きと音楽がぴったり一体となっていて、意志を持っているかのよう。
体をチェック→拷問→死 の展開も説明がなくとも動きで分かります。椅子に敷かれたふわふわのピンクのファー、キラキラ回るミラーボールがとても皮肉。ただ見守っている私たちも加害者になっている気分になります。赤と青の照明がブレードランナーのようなディストピア感。
全ての展示の中で一番好きでした。もちろんおかわりしました。
動画はこちら

Playhouse 《プレイハウス》1997

カーディフが呼びかける。「こんにちは、遅くなってごめんなさい。さあ、カーテンの真ん中を開けて中に入って、座りましょう。」
流れる曲についてのカーディフのコメントの後、ある探偵の物語があなたを巻き込みながら進行していくことに気づく。何か予定と違うことが起こり、あなたにそれを解決するよう言い残してカーディフは立ち去る。
最後にミラーがこう語る。「この劇場が古びてボロボロになったころ、屋根は雨漏りし、ネズミが瓦礫の中を走り回るようになったころ……。あなたはここに帰ってきて、この箱の中に座り、彼女のパフォーマンスを、そしてあの夜、うまくいかなかったすべてのことを思い出すだろう。」

この作品は1人ずつ約5分体験する作品で、1時間半くらい並びました。が、ぶっちゃけ意味がよくわかりませんでした・・・悲しい。ヘッドホンの音声が全て英語なので日本語訳の台本を渡されるのですが、その時点でざっと全て目を通してしまったのでこれから起きることが分かってしまい、(起きることは分かったけど意味はわからない。)臨場感による納得感とか気づきは得られず。どなたか意味を解説してほしい。。

The Cabinet of Curiousness 《驚異の小部屋》2017

20個の引き出しそれぞれから違う音がする棚です。自由に開閉ができてDJみたいに遊べます。なぜか意外と調和して面白かったです。あと声がするだけで人の存在感を感じられることが不気味で良かったです。
動画はこちら

The Marionette Maker 《マリオネット・メーカー》2014

キャンピングカーの中にたくさんのマリオネットたちがいて、移動式人形劇場のよう。そして車の後ろに回ると、中にはかなりリアルな女性が眠っています。これは彼女の夢なのか、彼女は夢の一部なのか、いろいろ想像させられる作品です。
動画はこちら


各展示室ごとに空間が別れている21世紀美術館にも見事ハマっていて、入るたびにドキドキ。これが1000円で見られるなんて本当にパラダイス!

そして作者サイトの動画もかなり再現性が高くて良い感じなので、興味ある方はぜひ!日本での展示も積極的に行っているようなので、またぜひ実物を見たいです。

エネルギーがすごくチャージできた良い休暇でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?