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読書感想|まるごとバナナが、食べきれない

 大久保さんのエッセイを読みました。食べ物にまつわる思い出が詰まったエッセイ集。私は大久保さんのエッセイ本を、今まで全部読んでると思います。過去のエッセイ本より、真面目な話も多かったです。中身の雰囲気がかなりジェーンスーさんの本に近い印象。ジェーンさんの「ひとまず上出来」が好きな人にはこちらの本も強くお勧めします。



 頑張る自分を優しくいたわる言葉も、要所要所にあって素敵ですね。それから大久保家のエピソードが印象深かったです。言葉の裏には家族愛が感じられてしみじみ趣深い。


 本の中で恋愛の話や明るい話の中に現実的な話も、いい具合にブレンドされて絶妙。私は時に混ざる真面目パートの方が、心に残りました。現実的なお話も湿っぽくならないように、比較的終始明るいタッチで描かれて読みやすいかも。


 50を過ぎて思う事。私にも遠いようで、あっという間かもしれない。先達の考え方も、きっと自分がその年齢に到達したヒントになるのでしょう。自分たちの前を歩いてる人達が元気でいてくれなきゃ、自分が年齢を重ねる事を上手く楽しめないので。


 30も40も50もそれぞれに大変で楽しい。そう言ってくれる人がいてくれたら、若者もフェニックス症候群にならなくて済むのでは、などと思いました。


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