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台湾ベンチャー:SurveyCakeが初の外部資金調達を完了、製品開発と海外展開に向け約4.5億円を調達

クラウド型アンケートプラットフォームのSurveyCakeを運営する25sproutは、シリーズAラウンドでVENTURE+から1億台湾ドル(約4.5億円)の資金調達を受けたと発表した。今回の調達は、同社が創業11年目にして初めて外部からの資金調達となる。

SurveyCakeは、ヨーロッパのマクドナルドやTOYOTAなどを顧客に持ち、今までに120カ国以上で45,000社以上が顧客となっている。

25sproutの共同創業者兼CEOである劉邦彥氏は、「今回の資金調達は、日本や東南アジアなどでの海外展開だけでなく、企業へのアンケートサービスの適用拡大やビジネスにおけるデータの価値創造を深めることを目的としています」と述べた。

劉氏によると、「当社のサービスは世界120カ国にユーザーがいますが、海外の顧客は全体としてはまだ少なく、台湾企業による利用が全体の8割を占めています。SaaS企業として海外市場は挑戦すべき『戦場』であり、これが今回初めて資金調達を行った最大の理由です」とのことだ。

具体的には、今回の資金調達では、同社が今年から提供を開始した最新のワンストップ型アンケートインテリジェンスソリューション(Survey Intelligence)の拡張サービスを強化する。従来のアンケート設計機能に加え、アンケート代行、APIによる異なるデータ分析ソフトウェアとの連携やマーケティング機能を追加する予定である。

劉氏によると、修士課程の学生が卒業論文のためにアンケートを設計する際に、さまざまなソーシャルメディアプラットフォームでアンケートに答えてくれる人を探さなければならず、企業も似たような状況にあるという。そこで同社は、アンケート配信パートナーと協力して「SurveyCake Audience」機能を開発し、企業が配信するのに適したサンプルを見つけることで、アンケートの記入にかかる時間を数週間から数日に短縮した。
また、Eチケットサービスは、Eチケットブランドのエデンレッド(Edenred)と連携し、Eチケットとアンケートのフィードバックの仕組みを統合することで、ユーザーがアンケートに回答するインセンティブを生み出している。

「アンケートは、かつてはデータ収集の『ツール』に過ぎませんでしたが、今や企業が顧客体験のタッチポイントを構築し、収益拡大を実現するための重要なチャネルとなっています」と劉氏は述べる。また、新しいアンケートインテリジェンスソリューションは、企業がマーケティングコストを削減する一方で、リーチを拡大し、既存の顧客関係を強化するのに役立つとのことだ。

SurveyCakeはすでにユーザーが20億以上のアンケートを収集しており、ユーザーの回答数を166%向上させ、運用コストを60%削減することに貢献しているという。

SurveyCakeはより一層企業のニーズに合致するサービスに成長しているが、25sproutの海外展開戦略は、顧客の開拓を急ぐのではなく、まずはブランディングに重きを置いている。

「当社のアンケート画面の一番下には、いつも当社のロゴを載せているでしょう?実際に購読者のほとんどはこの画面から遷移しており、広告よりもはるかに効果的なのです」また、劉氏によると、SaaS製品の市場認知度は非常に重要であり、SurveyCakeはまず無料や低料金のプランで顧客を増やした後に収益化を行う戦略で海外展開を進めるとのことだ。

顧客を有する120の国と地域のうち、海外市場の売上が大きいのは、日本、マレーシア、ベトナム、シンガポール、香港、マカオであり、ASEAN、香港、マカオの顧客の大半は中国人コミュニティによるものだと言及した。また、今後は代理店を用いて事業展開をしていくとのことだ。

「日本はとても特別です。ほとんどが自然な流入であり、驚いています」劉氏によると、アンケートは世界中でほぼ同じように使われているため、たとえバックエンドが英語であっても、日本人が操作することができ、アンケート自体を日本語にすれば良いだけだ。

25sproutは露出を強化するため、日本人コンサルタントを雇い商談のサポートを得るとともに、デジタル広告にも注力する2本立ての戦略をとっている。

ベンチャーキャピタルファンドのVENTURE+のマネージングパートナーである莊豐賓氏によると、SurveyCakeの製品力に疑いの余地はなく、25sproutの優れた運営能力によって、SurveyCakeの成功体験を海外で再現し、アンケートインテリジェンスのリーダーとなることができると自信を持っているとのことだ。また、自身がチームの最強の戦略的パートナーとして、業界のリソースや資金調達の経験を活かし、SurveyCakeと協力して海外市場への進出を目指すことを楽しみにしているとのことだ。


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