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<セミナーレポート>ヨーロッパの実践に学ぶ 児童発達支援とICT

スマートエデュケーション 大澤です。
2024年に7月1日(火)に開催した「ヨーロッパの実践に学ぶ 児童発達支援とICT」セミナーのレポートをお届けします。

皆さんは「スヌーズレン(Snoezelen)」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
スヌーズレンとは、1970年代のオランダで重度知的障害の方のWell-being を目的にはじまった取り組みで、それぞれのニーズ・発達段階・特性に合わせて特別にデザインされた光、色、 音、触覚の素材などを通じて感覚を刺激する環境を意味します。

本セミナーではゲストスピーカーにスヌーズレン・ラボ代表理事橋本敦子氏をお迎えし、「スヌーズレン」を中心にICTと児童発達支援の可能性について考えました。

※ セミナー動画はこちらからご覧いただけます。

動画を見て、アンケートにお答えくださった方に今回の研修資料をお送りいたします。
園での研修や語り合いに、ぜひご活用ください。
アンケートはこちら。

セミナーの趣旨説明(1分40秒〜)

最初にスマートエデュケーション ニフュユスから、本セミナーの趣旨と弊社の事業概要についてご説明しました。

スマートエデュケーションは、子どもたちが園の遊びのなかで使うデジタルツール"KitS(きっつ)"や園庭に自然環境をつくり、子どもたちの遊びを豊かにする"ASOBIO(アソビオ)”の企画・開発をしています。園とともに子どもの最善の利益とはどんなことかを考え、必要な環境を提供する「ものづくり」の会社です。

昨年度、玉川大学の大豆生田先生と共に「こどもの道具としてのICT」をテーマとしたセミナーを定期的に開催してきました。ICTの活用について考えたり、皆様とお話する中で、デジタルが障害や特性を持った子供たちとも相性が良く、彼らの世界を広げるきっかけになることも多いという声を多くいただき、今回「児童発達支援とICT」というテーマでセミナーを開催することとなりました。

支援を必要とするこどもたちとスヌーズレン(5分58秒〜)

スヌーズレン・ラボ代表理事橋本敦子さんから、スヌーズレンについてお話しいただきました。
橋本さんは2010年からスヌーズレンを日本の子供たちに普及する活動をされてきました。
スヌーズレンは現在世界45か国以上に波及。ヨーロッパでは認知症高齢者、赤ちゃんとその親などに広く取り入れられています。日本でも現在、重度知的障害のある方の施設や発達障害のこどもたちが過ごす施設に普及しています。

スヌーズレンはそれぞれのニーズ・発達段階・特性に合わせて特別にデザインされた光・色・ 音・触覚の素材などを通じて感覚を刺激する環境です。
・一人一人心地よい環境は違うため調整が可能であり、可変性がある(物的な環境・人的な環境)
言語でのコミュニケーションが難しい人たちとのコミュニケーションを促す
という特徴があります。

ヨーロッパでは、病院、保育園、学校、公共施設などで幅広くスヌーズレンが導入されています。特に英国では「センサリールーム」と呼ばれ、自閉症の子供や感覚過敏の子供のためのスペースとして活用されています。

子どもがストレスを解消する場所として。または落ち着くための場所として。そして病院では、外出が難しい子どもたちに外の世界の雰囲気を味わえる場所として。スヌーズレンはいろいろなところで活躍しています。
環境設定は施設の目的に応じてさまざまで、白を基調とした「ホワイトルーム」や黒を基調とした「ブラックルーム」また多くの色を使った環境などもあります。

大切なのは「一人ひとりの居心地の良さ」に合わせること。なので、スヌーズレンには「可変性」が重要なキーワードになっています。

たくさんの写真と共に実践事例が紹介されていますので、詳細はぜひ動画をご覧ください。

スヌーズレンを作るとなると、立派な機材が必要になるのではないかと思われるかもしれませんが、実は身近な素材を工夫して作ることができます。
感覚を刺激する手作りおもちゃの事例なども写真でご紹介いただきました。

ぜひ橋本さんのご講演をヒントに、皆さまの園の中でも作ってみていただければと思います。

事例で考える こどもの「道具」としてのICT(1時間2分9秒〜)

続いてスマートエデュケーション大澤より、「支援の必要な子どもたちとICT」をテーマにお話をさせていただきました。
私たちスマートエデュケーションは、ICTを子どもたちの遊びを豊かにするための道具としてとらえています。
これまで多くの園さんに私たちが開発するKitS(きっつ)のアプリをご活用いただくなかで、いろいろな個性・特性をもつ子どもたちがICTを通して自分を表現する姿を見てきました。

今回のセミナーでは2園の先生から「支援の必要な子どもたちとICT」の事例をご紹介いただきました。また児童発達支援施設での保育事例もご紹介しています。

詳細は、ぜひ動画をご覧ください!

★ アンケートのお願い

本セミナーの録画を見てアンケートにお答えくださった方に、今回のセミナーで使用しました資料ををお送りいたします。
園での研修や語り合いに、ぜひご活用ください。

皆さまからのご意見を次回以降のセミナー企画にいかして参りたいと思います。ご意見・ご感想をいただけますと幸いです。


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