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2022年2月のおんがく

はじめに

本エントリーはその月に聴いていた曲を体系的にまとめ、"自分の人生をおんがくを通してアーカイブ化すること"でコロナ禍において自分の思考を整理する実験的試みの2022年2月編です。
やり方を変えて2021年1月から継続している試みとなりますので、過去の試みは下記エントリーからご確認いただけますと幸いです。
※あくまでも私の個人的な感想です。

■2021年のまとめ

■前月のエントリー


①Moon Byul / LUNATIC

RBWの看板アーティスト、mamamooのメインラッパー、ムンビョルオンニの3枚目のソロアルバム「6equence」から、表題曲のLUNATICです。
このアルバムは男女の出会いから恋愛の楽しさ、倦怠期、苦難を乗り越えて…一連の流れを一枚のアルバムに落とし込んだ作品です。
その中でこの曲は”倦怠期”にあたる曲になっています。
今月のNo.1ベストソングです。

ところどころにkawaii future bassっぽいエッセンスを感じつつ、聴きやすいメロディ、ムンビョルの本職であるラップも映えていて楽曲全体を通していずれのパートも好きです。

詩においては恋愛において自分自身をコントロールできなくなる様をmbti等の表現を用いながら直接的に表現しており…
(헷갈리는 MBTI 하루 새 또 바뀐 E에서 I
判断できないMBTI、1日でまた変わったE(外向型)からI(内向型)へ)
クールでカッコいいイメージのムンビョルがコレを歌い上げていることのイメージギャップがめちゃくちゃイイです。
ムンビョルのオンニ感よ…

また、この曲はクリエイティブサイドのサポートも非常に豪華であり、PVのダンスサポートには放課後のときめきやstreet woman fighterにも出演し人気を得たAIKI先生のダンスクルーHOOKとコラボレーションしていたり、作曲にはmonotreeのinner childが参加するなど…

楽曲リリースの際のティザービジュアルイメージもめちゃくちゃ好き…
キャッチーなメロディ、LU〜LUNA〜NANA〜LUNATICというサビの締め方、真似したくなる振付、メイク…
結論全部好き…という感じの曲でした。

ボーイズライクなビョリがガーリーなメイクで臨んでるギャップ。めちゃくちゃ可愛い。優勝!
アートワークもマジで最高…

② Lee Jin Ah / Rum Pum Pum(람팜팜)

過去KPOPスターに出演し、餅ゴリことJ.Y.Park氏から最大級の賛辞を受けたイ・ジナの新曲です。
今月のNo.2ベストソングです。

彼女の特徴的な歌声と対比するようにヘヴィなギターリフと怪しげなオーケストラサウンドが鳴り、特徴的で壮大な一曲に仕上がっています。
正直この曲は解釈が難しく、聴く人によってはポジティブにもネガティブにもなるのではないかとすら思います。
昼のうたた寝を彷彿とさせる浮遊感がある一方で、不安な展開も多用されており、本当に不思議な曲…だからこそ好きです。

本シングルの曲を通しでパフォーマンスしている動画が素晴らしいので、是非シングルを通して聴いてほしい一枚です。

カップリングのRhythm of hopeもめちゃくちゃジャジーで最高。
クリエイター集団DPR(Dream Perfect Regime)のプロデューサー、DPR CREAMのプロデュース。ドアタマからめちゃくちゃジャズ。
冒頭はミステリアスでノスタルジックなムードを感じさせつつも、ボーカルパートが入っている部分のメロディーは優しく、彼女の特徴的な歌声がとても良いアクセントになっていて最高です。


③ めいちゃん / ズルい幻

元々はニコニコ動画発祥の歌ってみた動画等で活動していたシンガー、めいちゃんがサウンドプロデューサーに川谷絵音を迎えた男性目線の恋愛ソングです。
今月のNo.3ベストソングです。

「ドックンドックンしたって、結局また幻のはずだ。」

というとても印象的なフレーズから始まる本曲は、複数の女性を追いかけ回す男性が、理想を追い求めるうちに幻に囚われる様子が歌われています。

よく何かを年表や時系列で語る際に「○○以前以後」という形で語ることが多い(ex.シンガーにおける宇多田ヒカル以前以後、アイドルにおける平手以前以後)ですが、以前関ジャムの中で(たしか)蔦谷好位置氏が「川谷絵音以前以後」というコメントを残されていたかと思います。

もうね。本当に川谷絵音によるメロディーが素晴らしすぎるんですが、そのメロディーに負けないような女々しくも熱量のあるボーカルで、ネクストブレイクアーティストに躍り出るんじゃないかと思いました。
カラオケじゃ絶対歌いこなせないですね。

MVも素晴らしく、HoneyComeBearやヨルシカのMVアニメーションを手掛けたアニメーション作家のRabbit MACHINEとのコラボレーション。
映像も踏まえるとまた違った解釈ができるところもこの曲の素晴らしいところです。


④ Blase / Power (feat. Moon Sujin)

昨年のエントリーでもコメントしていた(はず)GXXDのCHOOM SA WEEにラップパートで参加していたBlaseと同じくmoonのコラボレーションソングです。
2021年のクリスマスにリリースされていたアルバムの中の1枚なのですが、美しいUKガラージで最高。

群雄割拠のヒップホップアーティストの中でその独特な声質とUKガラージというジャンルで特化して秀でる…というのは生存戦略としても素直ですし、ワンフレーズバースを聴いてアッ!Blase!ムンスジン!と思わせるパワーがすごいな…と。

この曲はMVが無い曲なのですが、Blaseは音楽に加えてMVも好きで、シンプルな構成ながらSeoulの若者の夜遊び感、ストリート感が感じられるMVが凄く好きです。


⑤ RhymeTube / Blessings (feat. Wez Atlas)

耳の早いリスナーはもうすでに沢山聴いているであろうRin音 / snow jam , 空音 / Hug feat. kojikojiなどのプロデュースを手掛けたジャパニーズヒップホップ界の新進気鋭のプロデューサー、RhymeTubeの1stフルアルバム「KOZMO」からBlessings (feat. Wez Atlas)です。
本アルバムではCampanella、SALU、空音、Jinmenusagi、4s4kiなどなど超豪華な客演と共に満を持して感満載の一枚。いずれの楽曲も好きなのですが、特に好きだったのがこの曲です。

何が良いってやっぱりイントロのボーカルチョップ…こんなの好きに決まってますよ。

本曲の客演、Wez Atlasは大分出身コロラド州育ち…ということで、日本とアメリカの双方にバックボーンを持つ彼らしく、日本語と英語の流暢なラップが気持ちい曲に乗ってスムーズに流れていきます。

晴れた日の公園で散歩しながら聴きたい曲です。


⑥ NMIXX / AD MARE (O.O & TANK)

JYPの新人アイドル"NMIXX"のデビューシングルです。
もう開幕からわけわかんないです。
"AD MARE"はラテン語で"海へ向かって"という意味のようなのですが…

いや…そりゃあわかるよ。
群雄割拠のKPOP界、IVE, Kep1er, VIVIZ, XG, HIVEの新人グループ…もうお腹いっぱいすぎる第5次ヨジャグル戦争という大海原へ満を持して飛び出すJYPの新人アイドル…という期待感を込めたデビューシングルタイトルなのかもしれないのですが、表題曲のO.Oは繰り返しがほとんど出てこない上に、テンポがぐわんぐわん変わるし、もう開幕のメロディーが不穏すぎるし無茶苦茶やってますね…と。

カップリング曲のTANKの方がキャッチーですが、コレもコレでデビュー曲なのか…?という感じ。
TWICEやITZYなど、どちらかというとガーリースタイルな王道アイドルの印象が強いJYPからこのコンセプトでデビューしていることが大変興味深いです。

ただ、このメチャクチャが成立しているところが今KPOPが流行っている一つの要因なのではないかとも思うと、非常に興味深いです。


⑦ 水曜日のカンパネラ 招き猫 / エジソン

2012年に作曲者・編曲者ケンモチヒデフミ氏、ディレクターのDir.F氏、ボーカリストのコムアイによって結成され、2021年9月に初代ボーカリストのコムアイ氏が脱退。2代目ボーカリストとして詩羽(うたは)が加入し、新たに活動をスタートさせた水曜日のカンパネラのアリス/バッキンガムに続く2代目加入後2枚目となるシングルです。

初代のコムアイが世の中に登場した時(少し後ですが、私は初代の曲ではシャクシャインが好きです。)の衝撃たるや当時大学生だった私には凄まじかったことを覚えていますが、前任の偉大なプレッシャーを微塵も感じさせない詩羽の歌唱が素晴らしいです。

カップリングのエジソンの方が個人的には好みですが、表題曲の招き猫は1分10秒あたりからと2分30秒あたりからが特にケンモチ氏の独特なビートメロディ節が炸裂していてマジで最高。
ぜひ2曲とも聴いてほしいです。


⑧ KAI / Peaches (SUMIN Remix)

smのiScreaM recordsから第14弾となるEXOカイpeaches🍑のSUMINリミックスです。

iScreaMシリーズのティザービジュアルはいずれも好きですが、今回は桃のイメージが可愛くて好き。

原曲の持つ甘くゆったりした空気感を残しつつ所々にSUMIN節がキいていて最高です。
SUMINの声の唯一無二性って本当に不思議な感じがします。多くの楽曲に客演で参加している彼女ですが、いずれの楽曲においても彼女の声は味の原型を留めつつ刺激を与えるスパイスになっている気がします。

カップリングのMo2zcatのリミックスもはちゃめちゃドゥンバキである意味面白いので一聴の価値ありです。


⑨ Jay Park / To life

先日AOMG, H1GHR MUSICの代表を退いたJay Parkが2022年元旦にリリースした楽曲です。

以前もnoteに書いたかも知れませんが、私は大概元気無いときにヒップホップを聴いています。

「ヒップホップに命を救われた」というワードはラッパーが種々のインタビューで話をしていることがありますが、そこまではいかずとも、自分の人生の中でヒップホップに勇気づけられていることは疑いようの無い事実です。

本曲はJay Parkが新しい一歩を踏み出すに際してメモリアル的にリリースされた意味合いが強いと思われますが、歌詞の中には彼が2PMのリーダー、パクジェボムとしてスターの道を歩み始め、脱退騒動などのいくつかの困難を経て、アジアヒップホップ界屈指のビッグネームに返り咲き、今回代表を退くまでの一連のストーリー、人生が3分11秒の曲に詰まっているように思えます。

koi baba のToo bad day but …もそうでしたが、大概のよく無いことの中に良いことを見つけることが人生…みたいなところがあるので、この曲はよく聴いていましたし、元気付けられました。


⑩ tofubeats / reflection (feat.中村佳穂)

開幕10秒あたりの笛!!!
その後ゆるやかに入ってくる中村佳穂氏のボーカル…
もう開幕から二度死ぬ。

tofubeatsによるドラムンベース×中村佳穂の優しいボーカルというスパイシーな中に仄かな甘さがあるめちゃくちゃ美味いカレーみたいな曲。

ドラムンベースって、クセが強いビートなので、流行っているとはいえリスナー側としては耳が疲れるんじゃないか?と思うのですが、この曲にそんな心配は不要です。

3分過ぎからの怒涛の展開も本当に凄い。
押し寄せる未来感。音の波。
REDBULL螺旋のビート提供に続いて2022年も期待感が凄すぎるtofubeatsに3月以降も着目していきます。


Ex. Kolour FM / Love + Hate (Feat. Faver, MRSHLL)

今月の良かった曲インディーズ編第1位です。Kolour FM…何者なんだ…
この曲が収録されているアルバム"STAMINA"はおそらくエナジードリンクをモチーフに作られたのではないかと思われるヴィジュアライザーと共に突如リリースされていたのですが、全曲良いです。

本曲と以下の"Manic Panic"にはMRSHLLが客演で参加しており、めちゃくちゃ気持ちいいです。
3月に蔓延防止〜等が明けたタイミングでまたDJをしようかな…と思っているのですが、その際に絶対かけようと思ってます。


今月も結局11曲も取り上げることになってしまいました。
次点で聴いていた良かった曲たちとしては
iri / 渦(neon)
SKY-HI, 3RACHA / JUST BREATH
Whee In / water coler
JWiiver / Blue Fire
MOSHI / Connected feat. ASOBOiSM
Years & Years feat. SIRUP / Starstruck
Clean Bandit / Everything But You (feat. A7S)

など…
今月はヒップホップとKPOPを中心に聴いていた気がします。
…元気なかったってことですね。


番外編 企業広告とfuture bassについて

突然ですが、まずはこちらをご覧ください…

…良すぎんか!!??

tofubeats / 水星 × 小沢健二 / 今夜はブギーバックという大名曲同士のフュージョン…
ボーカルで参加している面々も池田智子( Jr.)& TENDRE、kzm & 佐藤千亜紀と現在のJ-popシーンの最前線をひた走る面子…
こんなの約束された最高なのですが…

にしてもオザケンのブギーバックはこの手の広告に重用されていてスゲェ…

今月たまたまテレビや広告の話をする機会があり、色々と話していた時にこのサントリーの広告の話になったのですが、広告における音楽の重要性って音楽が能動的に聴かれなくなった現代だからこそ重要度が逆に増しているんじゃないか?と思ったわけです。

これまで(SNS全盛時代以前)は音楽番組も多く、そもそも音楽に触れる機会が多かったとともに、音楽番組を通したマーケティング・プロモーションが全盛であり、人々が能動的に聴く音楽を選んでいたのではないか?と思います。
一方で、現代においてはTik TokなどのSNSやテレビCMなどによる"偶発的な出会い"から音楽に触れる機会が多く、そもそも動画ですらも飛ばし見され、音楽においてはイントロが顕著に短い作品が増えている傾向にあり、CM自体も見られなくなっている現代においては、映像ではなく音楽こそが人々の1stインプレッションを強く惹きつけるのではないかと感じます。

と、ここまでは前振りと言いますか…
私が今働いている会社に関係する広告やその音楽に関しては上記のサントリーの広告のように”ハッ”とさせられることなど未だかつて無かったのですが、今月からYoutube等で配信している某プロジェクトのティザーがまさかのfuturebass楽曲を採用しており…ハッとしてしまいました。
(その映像は載せませんが…また、そこに会社の意思がどこまで介在しているかわからないですが…)
プロジェクトの趣旨にも沿っていますし、結構チャレンジングな選曲だったのではないか?と思いつつも、こういうのをもっと増やしたいな…と思うのでした。
ということで今月はfuturebassも結構聴いてました。
最後に聴いていたfuturebassを複数貼っておきます。


さてさて来月、3月ですが…
出会いと別れのシーズン。
今働いている会社の部署異動等もあり、私自身も東京に居続けられるのか?
ある種どきどきの一瞬が待ち構えています。

今月は特に仕事に忙殺されているとともに、かなりマイナス方向に喰らう出来事も有り、やりたいことや今年の目標のためのステップが全く達成できていないので、自分自身に問い直し、生き方を見直す1ヶ月になる予感がします。
なるべくプラス方向に考えるようにはしていますが、なかなか上手くいかないのが人生。

以上。
2022年3月が良い月になりますように。
ファイティン!

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