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短編小説。

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140字小説:No.15〜20【ゲシュタルト崩壊】ほか

頭が、わるい。 15.【ゲシュタルト崩壊】 「うわ、あの人たち犬の真似なんかしてる……」 昼…

乙川アヤト
9か月前
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短編小説:『ストレス化身会議』

部屋の中央には、黒檀の長机が置かれていた。 それを囲む者たちの風貌は様々だった。 年寄り…

乙川アヤト
9か月前
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短編小説:シュレッダー男

おはよう。なんか一緒に出社するの久々じゃない? 社員パスワードの更新もうやった? 確か今日…

乙川アヤト
10か月前
3

短篇小説:『運のいい男』後篇

三  もうおわかりかもしれませんが、私がさきほどプライベートという言葉をつかったのは、こ…

乙川アヤト
10か月前
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短篇小説:『運のいい男』前篇

一  私が目を覚ましたのは、仄暗い空間でした。  そこはかなり広くて、たくさんのワイン色…

乙川アヤト
10か月前
5

短編小説:彼女と夢と水晶玉

僕の彼女は、早起きが苦手だ。 たいてい、僕のほうが先に1日の活動を開始する。 僕が午前中…

乙川アヤト
10か月前
5

短編小説:『便利』な世界の君たちへ。

なあ、おまえさん、こっちきて座んなさい。 ちょっとこの年寄りの話を聞いておくれ。ほんのちょっとでいいから。 わしらの若いころは、なんて言うとおまえさんみたいなもんには、煙たがられるかもしれんが、とにかく、わしらの若いころは今みたいにチップも衛星も、網膜スクリーンも、この地下シェルターだって、なかったんじゃ。 世の中はなんていうか、ずいぶんとまあ、『便利』になってしもうた。 今じゃあ、一言も会話せんでも物が買えてしまう。会ったこともない人と、結婚だってできる。 最近は、

孤狼

 その老狼が聞いたのは、たしかに遠吠えだった。  彼はこの満ちた月が浮かぶ夜空に、同類の…

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