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あのね、先生。 私は今でも美術を選択して、すごく良かったって思ってるよ。今だから正直…
ねえ、先生。 先生は呪いって信じる? よくあるでしょ。真夜中の森のなかで白装束着て…
おはよう。なんか一緒に出社するの久々じゃない? 社員パスワードの更新もうやった? 確か今日…
三 もうおわかりかもしれませんが、私がさきほどプライベートという言葉をつかったのは、こ…
僕の彼女は、早起きが苦手だ。 たいてい、僕のほうが先に1日の活動を開始する。 僕が午前中…
陸奥がなにかおかしいと思ったのは、電車を降り、駅を出て、その前のコンビニを横切ったとき…
一、23時 寝返りをうつのはこれで何度目だろうか。形の合わない箇所にむりやりパズルのピースをはめ込んでいるような気分だった。 「寝れねえ」 俺は誰に言うでもなくそうつぶやいた。しかし狭い部屋で独りそんなことをぼやいてみても余計に目が冷めていくだけだというのは嫌というほど分かっていた。ただそのことをはっきりと確認したかっただけなのかもしれない。つまりある種の諦めだ。 目を開けて上半身を起こした。そうしてみると覚醒しているはずの体に少しだけ眠る意思のような重みを感じること
なあ、おまえさん、こっちきて座んなさい。 ちょっとこの年寄りの話を聞いておくれ。ほんのち…
最寄り駅からほど近いところに、行きつけのバーがあった。そのバーは古ぼけたビルの二階にある…
前編▼ 8月17日(水) お父さんなんか嫌いだ。 8月18日(木) お父さんはなんに…
7月20日(水) 今日は一日中ずっと雨がふっていた。まだ梅雨が続いているのだろうか。お…
割り箸というものをきれいに割ることができたためしがない。 どれだけ均等に力をかけたと思っ…
俺は土砂降りの中で、佇んでいる。 「ママ!」 突然悲痛な叫びが聞こえて、救護車に乗り込も…
その老狼が聞いたのは、たしかに遠吠えだった。 彼はこの満ちた月が浮かぶ夜空に、同類の声を聞いたのだ。あるいはそれは、ただのこだまだったかもしれない。やがてその声は、この深い森の木々の中に染み込んで消えていった。 かつて彼はこの深い森において、孤高の存在として君臨していた。 豊富な知識、強靭な自我。彼を取り巻く世界はそんな彼を前に、敬い、媚び、あるいは畏怖するのだった。 唯一無二の存在。しかし彼の中には、何かがくすぶっているような気がした。 周りにいる小動