マガジンのカバー画像

短編小説。

19
無料のほう。心を込めて書きました。
運営しているクリエイター

#毎日note

140字小説:No.15〜20【ゲシュタルト崩壊】ほか

頭が、わるい。 15.【ゲシュタルト崩壊】 「うわ、あの人たち犬の真似なんかしてる……」 昼…

乙川アヤト
9か月前
8

短編小説:『ストレス化身会議』

部屋の中央には、黒檀の長机が置かれていた。 それを囲む者たちの風貌は様々だった。 年寄り…

乙川アヤト
9か月前
9

短編小説:シュレッダー男

おはよう。なんか一緒に出社するの久々じゃない? 社員パスワードの更新もうやった? 確か今日…

乙川アヤト
10か月前
3

短篇小説:『運のいい男』後篇

三  もうおわかりかもしれませんが、私がさきほどプライベートという言葉をつかったのは、こ…

乙川アヤト
10か月前
12

短篇小説:『運のいい男』前篇

一  私が目を覚ましたのは、仄暗い空間でした。  そこはかなり広くて、たくさんのワイン色…

乙川アヤト
10か月前
5

短編小説:彼女と夢と水晶玉

僕の彼女は、早起きが苦手だ。 たいてい、僕のほうが先に1日の活動を開始する。 僕が午前中…

乙川アヤト
10か月前
5

短編小説:デュエル・オブ・ATM

 陸奥がなにかおかしいと思ったのは、電車を降り、駅を出て、その前のコンビニを横切ったときだった。  妙に風が強い。季節の変わり目でもないというのに、網目状に敷かれた道路の上を滑る風がロングコートを貫いて肌を刺した。  違和感の正体は、すぐにわかった。人がいないのである。正確にはとても少ない、というべきだが。少ないのはまだいい。むしろ見知らぬ地で、仕事をしなくてはならないときは、そのほうが好都合だ。しかしこれほどまで閑散としていると、逆に注視されてしまうことが増える。今も、

短編小説:夜を歩く

一、23時  寝返りをうつのはこれで何度目だろうか。形の合わない箇所にむりやりパズルのピー…

乙川アヤト
11か月前
5