見出し画像

転化糖とは?

◇転化糖の構造

砂糖の主成分である「ショ糖」は

「ブドウ糖」と「果糖」が1つに結合した

構造をしています。

しかしこのショ糖に、酸を加えて加熱したり、

「インベルターゼ」と呼ばれるショ糖を分解する

酵素と反応させると、ショ糖の分子構造が

断ち切れて、上記の「ブドウ糖」と「果糖」に

それぞれ分解されてしまうのです。

つまり、この分たれた2つの糖が「結合」されること

なく単体同士で混ざり合っている状態のものが「転化糖」です。


◇転化糖の特徴

○化学反応を起こしやすい

「転化糖」もといそれを構築する

「ブドウ糖」「果糖」は「還元基」と呼ばれる

化学反応を起こしやすい部分を持ちます。

この部分とアミノ酸が結合することで

「メイラード反応」や「カラメル化」が発生

しやすく、

「転化糖」を用いたお菓子などは焼成すると

色が濃くつく傾向にあります。


○甘味度が変わりやすい

上記の「還元基」は溶液中(水の中)で

「α型」と「β型」という2つの型を相互に

変換する性質があり、温度によってその比率が

変わります。

また「α型」と「β型」の状態とでは甘味度が

異なるので、つまり転化糖は温度によって

甘味度がかわるのです。


例えば、「転化糖」を構成する「果糖」は、
「α型」よりも「β型」の方が甘味度が
3倍高いです。


そして温度が低いほど糖質中の「β型」の比率が 多くなります。

「果物は冷やした方が甘い」のは
この果糖の「還元基」が理由
なのです。


○保水性に優れる

以前「グラニュー糖よりも上白糖を使ったお菓子

の方が甘く、しっとりしている」と解説しました。

これも「転化糖」が水分を吸着し保持する

「保水性」に優れているおかげです。


○保存性が高い

転化糖に含まれる「果糖」は

ショ糖の結晶化を抑え、

浸透圧(※別記にて解説します)により

保存生を高めることも出来ます。

この性質を活かすため、

ガナッシュ(チョコクリーム)などを製造する際に

よく用いられます。


※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe

この記事が参加している募集

#理科がすき

845件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?