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対北朝鮮制裁を堂々と破る国連常任理事国の中国が対露軍事支援に踏み切る必然

ウクライナ戦争によって「大きな北朝鮮」と化すロシアで得る習近平の漁夫の利

JBpressへの寄稿、前編です。

隣国ウクライナを侵略したウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアの残忍性が、首都キーウ近郊の街々における虐殺でますます浮き彫りとなっています。ロシアに味方する国はジェノサイドに加担していると見られかねない状況です。

ここで注目されるのは、中立を装う中国の本心でしょう。日本のチャイナウォッチャーたちの大半は、中南海(北京で中国共産党要人の邸宅が集中する地域)が「当惑」「困惑」「苦悩」を余儀なくされていると見ています。

確かに中国共産党は、対露政策で最大限の柔軟性を確保するために、明確な立場を公式に発表することを避けています。それは、共産党指導部が合理的に考え、中立的な立場を維持するために苦悩する姿に映るでしょう。しかし、中国共産党の本心はそんなに素直でも合理的でもないのではないでしょうか。

なぜなら、中国・ロシア・北朝鮮のような権威主義を国体とする国家にとっての最重要課題は、指導者のメンツ――つまり権威そのもの――の護持であり、それはいかなる国益や理性、合理性にも優先する核心的事項であるからです。

今回のプーチン大統領の戦争に関する決断は、ロシアの国益や持続性、合理性の面からは説明がつきません。ですが、独裁というロシアの国体と内在的な構造から分析すれば、「指導者を守るための、国内矛盾のはけ口の必要性」があぶり出され、開戦が不思議でも何でもなくなるのです。

焦点となっている習近平政権の対露軍事支援についても同様に、「国際社会における中国の立場」という合理性ではなく、「党の核心たる習近平の権威護持」「指導者が成し遂げる中華民族の偉大な復興」という中国共産党の内在的な最重要課題を中心に据えて読み解くと、将来における中国の行動が正確に予測できるようになると思います。

分析を試みました。ご一読ください。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69692


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