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22みんなで黙って祠や、落ちているへし柱を見つめていた。 その顔に書いてある。 (あれはな…
21夕焼けに照らされてくるくる回る裸の人形。 やがて内側から光りはじめ、いくつかの光るかた…
20「わなにかさまーわなーにかさまーのっくんだらー」 「のっくんだらーのっくんだらー」 「…
19野菜を乗せたお膳がいきなり、水の中に置かれたようにぶよんと浮き上がった。 お膳と野菜は…
18並ぶときに指示されて、ぼくは「へし手」の列の真ん中あたりにいた。 江森くんも正面にいる…
17小さな神社のようなその祠は、なぜか正面の格子の扉が両側に開きっぱなしになっていて、中に何かあるようだけれどここからじゃよく見えない。見ていたら中から誰かに見返されているような気になってきて、怖くて目をそらした。
16「あ、これ?」 ぼくがびっくりして見ているので、丸太を両手に持ち直してぼくに差し出すよ…
15「よし!」 タツヒコが立ち上がった。 みんなも立ち上がる。 「それではみなさん!のし手九…
13「いつも通りに一番へしを頼もうと思ってたタキ君がそういうことで困ってただけんが、マツイ…
12集会所の玄関には大きな鳥のはく製が飾られていて、大人たちはそのはく製をよけながら行き…
11振り向いたタツヒコは、日に焼けた濃い顔をしていた。 太い眉毛、大きな目玉に高い鼻、大き…
9「わりゃ、ヒサエさんとこ来た孫ずら?」 「え?」 振り向くと見覚えのあるおじいさんがそこ…
7おばあちゃんちから逃げるようにして少し走ったら舗装道路に出た。 舗装されてはいるけど両側がガリッと途切れてその先は土や小石の地面。 ひび割れたアスファルトのあちこちから草がはえて伸びている。 そんな、車がやっとすれ違えるくらいの道路。 ちょっとだけ汗をかいたけど、歩いていたらからのひんやりした空気で少し涼しくなってきた。 少し先で道は右に大きく曲がっている。 あれ? ポケットから出したお母さんの地図では、まっすぐピーっと線が引いてあってその先に謎の記号が書き込まれている。