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わなにかさま(十五)

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夕焼けに照らされてくるくる回る裸の人形。
やがて内側から光りはじめ、いくつかの光るかたまりに分かれたと思ったら、静かに溶けるように消えていった。
最後の光が消える時、わなにかさまの体がぶるんとふるえた。

「ひゃあめとったらーーーぁ」
「ひゃあめとったひゃあめとったぁ」

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