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わなにかさま(十二)

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並ぶときに指示されて、ぼくは「へし手」の列の真ん中あたりにいた。
江森くんも正面にいるので、子供は列の真ん中あたりにおくことになっているのかもしれない。
向こう側に陽が落ち始めていて、江森くんたち「のし手」は逆光で、影が動いているように見える。
江森くんから伸びた影が魚をのせたお膳にかかっている。

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