マガジンのカバー画像

さぶすクラシック日誌。2023年版!

101
毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
運営しているクリエイター

#ピリオド

4月4日、バッハ、構築の極みと、ウェーベルン、抽象の極みが織り成す、絶対音楽の庭...

ピリオドに軸足を置きながら、大胆に時代を飛び越えてゆくヴァイオリニスト、ロドルフォ・リヒターと、彼が率いるリヒター・アンサンブルの演奏で、バッハの『フーガの技法』と、ウェーベルンによる弦楽四重奏のための3作品... 絶対音楽の両極を並べる大胆な組み合わせ! passacaille/PAS1129 対位法の大家、バッハ(1685-1750)の集大成、『フーガの技法』に、12音技法を極めたウェーベルン(1883-1945)の弦楽四重奏のための作品、5つの断章(1909)、6つの

4月1日、17世紀のパイプ・オルガンが生み出す、"幻想的な筆致"... 新時代、バロックの瑞々しさ、蘇る。

イタリアのオルガニスト、イレーネ・デ・ルーヴォが、1624年製のパイプ・オルガンで、スウェーリンク、フローベルガー、フレスコバルディらによるトッカータ、カプリッチョなど、即興的な作品を弾く、"STYLUS PHANTASTICUS: THE HIDDEN WRITING"。 stradivarius/STR37239 ルネサンス全盛期、ヴェネツィアを中心に活躍したカヴァッツォーニ(c.1485-after 1569)、ルネサンスからバロックへとうつろう頃、ヴェネツィアの最新

3月31日、今から300年前、バッハはトーマスカントルに就任した。その選考を巡る、1723年、ドイツ・バロックのパノラマ...

バロック・ヴォーカル・アンサンブル、アエルブグートと、バロック・オーケストラ、カペラ・イェネンシスが、テレマン、グラウプナー、バッハの教会カンタータを取り上げる、"Leipzig 1723"。 accentus music/ACC30598CD 1701年からライプツィヒ市の音楽監督であるトーマスカントルを務めてきたクーナウ(1660-1722)が世を去る。そうして始まる後任選び... 最初の候補は、学生時代、ライプツィヒで活躍したテレマン(1681-1767)... が、

3月30日、音楽史に置かれた呪物、『音楽の捧げもの』、今、その呪いを解き、祝福する...

バロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、ヨハネス・プラムゾーラー率いる、パリを拠点とするピリオド・アンサンブル、アンサンブル・ディドロの演奏で、バッハ、晩年の傑作、『音楽の捧げもの』。 Audax RECORDS/ADX13781 1747年、次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-88)が仕えていたプロイセン王、フリードリヒ大王(在位 : 1740-86)の"ギャラント"な宮廷を訪れる"対位法"の大家、大バッハ(1685-1750)が、当代切っての音楽通

3月11日、"ENCOUNTERS IN ROME"、コレッリからヘンデルへと受け継がれるもの...

ベニャミーノ・パガニーニ(クラヴィオルガヌム)とネーレ・ヴェルトメン(オーボエ)が率いる、ベルギーのピリオド・アンサンブル、ムジカ・グローリアの演奏で、ヘンデルとコレッリのコンチェルトとソナタ... 若きヘンデルのローマ滞在にスポットを当てる、"ENCOUNTERS IN ROME"。 ET'CETERA/KTC1787 ハンブルク、ゲンゼマルクト劇場(バロック期、ドイツ・オペラの中心だった公開のオペラハウス!)での成功を引っ提げて、1706年から1710年の4年間、音楽先

3月10日、"SALVE REGINA"、ソプラノの高雅さが引き出す、ヘンデルの研ぎ澄まされた美しさ!

フランスのソプラノ、ジュリー・ロゼが、アドリア・グラシア・ガルベス率いるミレニアム・オーケストラの演奏で、ヘンデルのサルヴェ・レジーナ、グローリア、オラトリオのアリアを歌う、"SALVE REGINA"。 RICERCAR/RIC442 序曲のような感じで取り上げられる、スウェーデン、ウプサラ大学が所蔵しているという謎の作品、5声の協奏曲(『エイシスとガラテア』などからの編曲による... )で始まり、サルヴェ・レジーナ(HWV 241)、オラトリオ『エステル』(HWV 50

3月9日、"LOST IN VENICE"、18世紀、ヴェネツィアの風景を活き活きと蘇らせ、惹き込まれる。

古楽の名門音大、バーゼル・スコラ・カントルム出身者によるピリオド・アンサンブル、ヴァディム・マカレンコ(ヴァイオリン)率いるインフェルミ・ダモーレが、ヴィヴァルディらの協奏曲を奏でる、"LOST IN VENICE"。 eudora/EUDSACD2206 ヴィヴァルディ(1678-1741)のヴァイオリン協奏曲、ハ長調(RV 182)、ト短調(RV 320)、ホ長調(RV 263)の3楽章、アレグロ・ノン・モルト、そして、チェロ協奏曲、変ロ長調(RV788)、2挺のヴァイ

3月8日、"SACROPROFANO"、ヴィヴァルディが生きた時代のヴェネツィアの危うい魅惑...

イギリスのカウンターテナー、ティム・ミードが、ジョナサン・コーエン率いるイギリスのピリオド・アンサンブル、アルカンジェロの演奏で歌う、ヴィヴァルディの教会音楽と世俗カンタータ... "SACROPROFANO"。 ALPHA/ALPHA914 ニシ・ドミヌス(RV 608)、サルヴェ・レジーナ(RV 618)の教会音楽に、世俗カンタータ、『やめてください、本当にやめて』(RV 684)と『恋の神よ、わかった、おまえの勝ちだ』(RV 683)の、アルト・ソロによる4曲... 

3月7日、ドレスデンのコンサート・マスター、ピゼンデルの器用にして花々しい音楽の数々...

コンチェルト・ケルンのヴァイオリニスト、平崎真弓が、コンチェルト・ケルンとともに、ドレスデンの宮廷楽団のコンサート・マスター、ピゼンデルのヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタなどを弾く... BERLIN CLASSICS/0302808BC ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755)。 ドイツ、ニュルンベルクの近郊、アンスバハ辺境伯領の小さな町、カードルツブルクのカントルを務めていた父の下に生まれたピゼンデル。幼くしてアンスバハの宮廷の聖歌隊に加わり、そこで、

3月6日、いつもとは違う温度感で魅了してくる、バッハ、アルト・ソロによる2つのカンタータ...

イギリスのカウンターテナー、アレックス・ポッターが、オランダのオルガニスト、レオ・ファン・ドゥセラール、ベルギーのピリオド・アンサンブル、イル・ガルデリーノの演奏で、バッハのアルト・ソロによるカンタータ、35番と169番を歌う。 passacaille/PAS1092 1726年、トーマスカントル(実質、ライプツィヒ市の音楽監督、聖トーマス教会の楽長で、聖歌隊の指導者... )に就任して、3年目、バッハ(1685-1750)が才能あるアルト(聖歌隊のアルト少年?)を見出し、

3月4日、"Recommended by Bach"、バッハお薦めのオルガンの、何とブルーミンなこと!

オランダのオルガニスト、バルト・ヤーコプスが、バッハが推したオルガン製作者、コンティウスのオルガン(再現)で、バッハら、コンティウス周辺の作曲家たちの作品を弾く、"Recommended by Bach"。 RAMÉE/RAM2203 大バッハ(1685-1750)から信頼され、同世代、バッハ家の長男、ヴィルヘルム・フリーデマン(1710-1784)とは特に親しかったという、オルガン製作者、ハインリヒ・アンドレアス・コンティウス(1708-95)が、1779年、ラトヴィアの

3月1日、バッハって、多種多様なコンチェルトを書いていたのだなと... 今さらながらに、新鮮な思いにさせてくれる協奏曲集!

アメリカ出身のチェンバリスト、エリック・ミルンズが音楽監督を務める、カナダのピリオド・アンサンブル、ラルモニー・デ・セゾンの演奏で、多彩なソロ楽器による、バッハの協奏曲集。 ATMA Classique/ACD22853 2つのヴァイオリンのための協奏曲、ニ短調(BWV 1043)、1番のヴァイオリン協奏曲、イ短調(BWV 1041)、3番のチェンバロ協奏曲、ニ長調(BWV 1054)に、バッハ自身により編曲され、編曲された方のみが残り、原曲が失われてしまったコンチェルトの

2月28日、朗らかにして、神秘的... うつろう時代を生きたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの、"Light and Darkness"。

イタリアのピリオド系フルート奏者、マヌエル・グラナティエロと、イタリアのピリオド・アンサンブル、アカデミア・オットボーニの演奏で、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハのフルートのためのソナタ、いろいろで編まれる、"Light and Darkness"。 ARCANA/A537 カール・フィリップ・エマヌエル(1714-88)が、父、大バッハ(1685-1750)の下で学んでいた頃の作品(父の作品と間違われていたことも... )、フルートとオブリガート鍵盤のためのソナタ、

2月27日、いや、ワクワクしてしまった!ハイドンの交響曲はエンターテイメント!

ジョヴァンニ・アントニーニのハイドンの交響曲のシリーズ、"HAYDN 2032"、NO.13、"HORN SIGNAL"、イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏で、31番、「ホルン信号」、59番、「火事」、48番、「マリア・テレジア」、キャラの立った3曲! ALPHA/ALPHA692 18世紀、ヨーロッパにおけるチャルメラ的な?ホルン信号(当時、狩りや郵便でお馴染みだった... )で派手に始まるから「ホルン信号」、31番(1765)に、エステルハーザ("ハンガリーのヴェル