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3月10日、"SALVE REGINA"、ソプラノの高雅さが引き出す、ヘンデルの研ぎ澄まされた美しさ!

フランスのソプラノ、ジュリー・ロゼが、アドリア・グラシア・ガルベス率いるミレニアム・オーケストラの演奏で、ヘンデルのサルヴェ・レジーナ、グローリア、オラトリオのアリアを歌う、"SALVE REGINA"。
RICERCAR/RIC442

序曲のような感じで取り上げられる、スウェーデン、ウプサラ大学が所蔵しているという謎の作品、5声の協奏曲(『エイシスとガラテア』などからの編曲による... )で始まり、サルヴェ・レジーナ(HWV 241)、オラトリオ『エステル』(HWV 50)のアリア「喜びの声で主を讃えよ」を挿み、グローリア(HWV deest)、そして、冒頭の嵐が印象的な、モテット「風よ静まれ」(HWV 242)が歌われて、最後は、オラトリオ『時と真実の勝利』(HWV 46a)のアリア「高き天の公使よ」で締める、"SALVE REGINA"。

いや、ソプラノの高雅さ、これ以上なく活かし切る作品、ナンバーを揃えての、このヘヴンリーさ!オペラやオラトリオを丸々聴いたのでは味わえない感覚が、そこに広がる... いや、ヘンデルの音楽が持つ明朗さ、端正さ、さらにもう一次元上がるようで... 上がって、作曲家の音楽性の源にあるピュアな部分が露わとなるようで、興味深い。何より、その美しさたるや!ドイツで育ち、イタリアで研鑽を積み、国際都市、ロンドンで活躍したヘンデルの、その国際性が磨き上げた洗練の極みに圧倒...

で、ロゼが、もはや天使!そのソプラノ、澄み切っていて、やわらかで、軽やかで、浮世離れした美しさ、ふわーっと放ち... そんな歌声に触れていると、脱魂してしまいそう。そんなロゼをふわっと持ち上げるガルベス+ミレニアム・オーケストラ!軽やかで明るく色彩に富んだサウンド、すばらしく魅惑的。で、ロゼの歌と相俟って、得も言えず芳しい!しかし、バッハとは違う、イタリア勢とも違う、ヘンデルの研ぎ澄まされた美しさ、今さらながらに惹き込まれる。

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